Trademark Appeal Case
著名商標の混同惹起性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第5929号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの文字を横書きしてなり、第12類「自動車のタイヤ、チューブ、その他の自動車の部品及び附属品」を指定商品として、平成9年1月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、アドバンス・マガジン・パブリツッシャーズ・インコーポレーテッドが雑誌の題号として使用して著名な『VOGUE』と同一の『VOGUE』の文字よりなるものであるから、これを本願指定商品について使用するときは、商品の出所について混同を生じるおそれのあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別掲に示すとおり「VOGUE」の文字を表してなるものである。
ところで、雑誌「VOGUE」は、1892年アメリカで創刊され、1909年からは、コンデ・ナスト社により、ファッション雑誌として発行されるようになり、本願商標の登録出願時において、アメリカ、フランス、イギリス等で出版され、世界各国で発売されており、世界的な権威を持ったファッション雑誌として、世界的に広く知られていること、並びに、発行元であるアドバンス・マガジン・パブリッシャーズ・インコーポレーテッド社は、昭和63年にコンデ・ナスト社を合併したが、雑誌「VOGUE」は、その後も同様に発行されていることを認めることができる。
そして、例えば株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞情報データベース」をみるに、「1989年9月12日、日本経済新聞」の朝刊35頁には「大阪地裁判決、VOGUE商標使用差し止め。」の見出しのもと「世界的に有名なファッション雑誌「VOGUE」を発行している米・コンデ・ナスト・パブリケイションズ社が、・・・・」との記載、「1997年9月30日、日経流通新聞」の17頁には「海外新聞普及、伊の8誌輸入取り次ぎ−通販も来月開始。」との見出しのもと「日本で発行される新聞の海外への流通を手掛ける海外新聞普及(東京・港、四十物文夫社長)は十月から、イタリアの出版社、コンデナスト社(ミラノ市)が出版する人気ファッション雑誌「VOGUE(ヴォーグ)」イタリア語版など八誌の書店への輸入取り次ぎ、読者への通信販売を始める。」との記載、「1999年7月28日、日本経済新聞」の朝刊38頁には「[ヴォーグニッポン]きょう創刊、記念パーティーに各界から350人出席。」の見出しのもと「・・・・「VOGUE」は一八九二年に米国で創刊された高級女性誌。世界各国で発刊されており、日本は十二番目になる。世界の一流写真家を起用した、質の高いビジュアルな誌面作りが特徴。創刊号では「VOGUE」の百七年の歴史を写真とデザイナーの高田賢三氏らのエッセーで振り返る特別企画のほか・・・・」との記載が認められる。
また、「現代用語の基礎知識(昭和59年1月1日自由国民社発行)」によれば、「ボーグ(vogue)」の項には「流行。服飾雑誌の名。」との記載、「日本語になった外国語辞典第2版(1989年6月25日株式会社集英社発行)」によれば、「ボーグ[vogue]」の項には「1.流行.流行品.2.[V−]フランスのファッション雑誌.」との記載が認められる。
以上によれば、「VOGUE」の文字は、本願商標の出願日前までに、我が国において、ファッション雑誌の題号としてファッションに関連する商品の取引者・需要者間に広く認識された、いわゆる著名商標と認め得るものである。
一方、本願指定商品における状況については、例えば、前記「G−Searchの新聞情報データベース」をみるに、「1989年2月3日、日経産業新聞」の2頁には「[性能+α]を競う、タイヤ各社、若者や女性に狙い−ファッション性など重視。」の見出しのもと「自動車タイヤの商品構成が一段と細分化してきた。マニア相手の性能競争だけでなく、若者層向けに新しいブランドを設定したり、女性を狙ってファッション性を取り入れた商品を拡大する動きが目立つ。」との記載、「1991年8月27日流通サービス新聞」の7頁には「プラネットライブラリー、古タイヤ使用のバッグを米から輸入販売」との見出しのもと「今年、米国各地で開催されている「エコエキスポ」で注目されたファッショングッズが、古タイヤを素材にした「ユーズド・ラバー・USA」のバッグ製品だ。」との記載、「1993年9月28日東京読売新聞」の朝刊17頁には「ハイテク繊維のスポーツウエア コシノジュンコさんがショー/長野・軽井沢」との見出しのもと「テニスボールの表面に使われているフェルトのような繊維を何色にも染めたり、スポーツカーのタイヤに使われている新素材を使った服など、ユニークな作品も紹介する予定。」との記載が認められる。
そうすると、自動車タイヤにおいても、女性向けにファッション性を重視されていることやタイヤの素材でファッショングッズが製造されていること等が認められ、本願指定商品に係る商品と当該ファッション雑誌とは、その需要者層の範囲を全く異にするといえず、これら事情及び上記の如くファッション雑誌の題号として極めて著名な点を考慮すれば、相互に関連性を有する商品といわなければならない。
してみると、請求人(出願人)が、前記著名商標とその綴り字を同一にする「VOGUE」の文字のみよりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は前記事情よりして、ファッション雑誌である「VOGUE」誌を連想し、該商品が専らアドバンス・マガジン・パブリッシャーズ・インコーポレーテッド社、又は同会社と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の取扱いに係るものと認識する可能性があり、商品の出所について混同を起こすおそれが少なからずあるといわなければならない。
してみれば、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当し、登録できない。
よって、結論のとおり審決する。
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