Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第13726号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「二段熟成」の文字を横書きしてなり、第30類「調味料,香辛料,穀物の加工品」を指定商品として、平成8年6月28日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、同10年5月1日付差出しの手続補正書をもって「しょうゆ」に補正されたものである。
2.原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『二段階で熟成したもの』の如き意味合いを認識させる『二段熟成』の文字を書してなるところ、本願指定商品との関係では、味噌・しょうゆ・うどんのめん・そうめんのめんなどの商品は熟成の度合が商品の品質に大きくかかわり、商品の宣伝・説明等に熟成したものであることを強調しているところであって、さらに、そうめんのめんは生地の段階と製造工程の最後に製品をねかせて熟成しているところである。そうとすると、これを本願指定商品中上記商品に使用するときは、上記意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定して、その出願を拒絶したものである。
3.当審の判断
本願商標は、前記のとおり「二段」と「熟成」の文字を結合したと容易に理解させるものであるところ、その構成中前半の「二段」の文字は、「第二の段、二つの段」、後半の「熟成」の文字は、「十分に熟してできあがること、物質を適当の温度に長時間放置して化学変化を行わせること、動物体の蛋白質・脂肪・グリコーゲンなどが酵素や微生物の作用により腐敗することなく適度に分解され特殊な香味を発すること」の意味をそれぞれ有すると認められるものである。
そして、加工食料品・酒類・調味料等の食品は、嗜好的にバランスのとれた風味や色・香り等が十分に発現できるような品質にするため、その製造過程において一定時間若しくは一定期間、食品をねかせる、即ち、「熟成」させる工程のあることは、食品業界のみでなく、広く一般に知られているところである。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者・需要者は、「二段階に熟成させたもの(一度熟成させ、更に、何らかの加工を加え再度熟成させたもの)」であることを表示したものとして理解するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
このことは、例えば「秋田の伝統技術を活用して九月に商品化した二年熟成の醤油・・・・を販売し予想以上の実績を上げた。・・の製法は、主原料の脱脂大豆を蒸してこれに塩水を加えて一年間発酵させる。その上でもろみを加え、更に一年間熟成させる」(日経産業、1995年11月7日版)「本みりん・・・米麹などを加えた第一段階で2ヶ月寝かせ、更に本格米焼酎を加えて熟成、香りを引き出す二段づくり製法を採用」(日経流通、1997年1月24日版朝刊)「まろやかな味と香りを持たせるため加熱処理工程を省いた生醤油を発売した。今回の二段仕込みは、生醤油に再び麹を加え6ヶ月間発酵・熟成した製品」(毎日新聞、1998年11月11日北海道版)、等の新聞記事からも是認できる。
したがって、本願商標は、その指定商品に使用するときは、単に商品の品質、加工方法を表示するにすぎないものといわざるを得ないから、結局、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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