結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300786(T2011−300786/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4586600号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成13年4月24日に登録出願され、第6類「中空状の金属製ボルト,鋼管」、第7類「掘削機用削孔ビット,掘削機用削孔アダプタ,掘削機用削孔ロッド,モルタル注入用ポンプ,その他のポンプ」及び第37類「トンネル掘削工事,土木一式工事,トンネル掘削工事に関する助言及び情報の提供,土木一式工事に関する助言及び情報の提供」を指定商品及び指定役務として平成14年7月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べている。
請求人の調査によれば、本件商標は、その指定役務第37類「トンネル掘削工事,土木一式工事,トンネル掘削工事に関する助言及び情報の提供,土木一式工事に関する助言及び情報の提供」について、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上日本国内において、使用された事実が存しないことから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
(1)被請求人は、本件商標の使用を立証する証拠方法(乙第1号証)として、「山岳トンネルにおけるロックボルトの施工技術資料 ロックボルトWG報告書」(2011年3月17日 ジェオフロンテ研究会発行)及び「山岳トンネルにおけるロックボルト技術資料 ボルトWG報告書」(2006年12月6日 ジェオフロンテ研究会発行)を提出している。
しかしながら、「山岳トンネルにおけるロックボルト技術資料 ボルトWG報告書」(2006年12月6日 ジェオフロンテ研究会発行)は、そもそも、本件審判請求の登録前3年以内に発行されたものではなく、本件審判請求の登録前3年以内の本件商標の使用を立証する証拠方法としては不適切なものである。
(2)次に、「山岳トンネルにおけるロックボルトの施工技術資料 ロックボルトWG報告書」(2011年3月17日 ジェオフロンテ研究会発行)であるが、たしかに本件審判請求の登録前3年以内に発行されたものではある。しかしながら、被請求人が主張している当該資料の該当頁に掲載されている標章は、ブロック体の欧文字で「KAT」と表記されたものであり、本件商標においては「A」が極めて図案化されており、両者は社会通念上同一の標章かは疑わしい。
(3)そもそも、「山岳トンネルにおけるロックボルトの施工技術資料 ロックボルトWG報告書」は、同書1頁11行から14行に記載されているように、「ロックボルトに関する個々の材料や施工機械を、『どのように取り扱えば高品質なロックボルトの施工が可能になるか』ということをテーマに掲げ、2年間の研究活動の中でメーカーヒアリング等を実施して、本報告書を取りまとめた。」ものであり、広告でも、取引書類でもない。また、本件商標が商標として使用されているとも思えない。
(4)仮に、「山岳トンネルにおけるロックボルトの施工技術資料 ロックボルトWG報告書」において本件商標が商標として使用されているとしても、あくまでもロックボルトの識別標識ないしは商標として使用されているだけであり、本件審判請求に係る指定役務第37類「トンネル掘削工事,土木一式工事,トンネル掘削工事に関する助言及び情報の提供,土木一式工事に関する助言及び情報の提供」についての識別標識として使用されているものではない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出している。
本件商標は、以下のとおり、被請求人である商標権者によって日本国内において3年以上使用を継続している。
2006年12月6日及び2011年3月17日発刊の上記技術資料のそれぞれの巻末に、当時の会員名簿と研究会の組織図が掲載されている。また、巻頭付近には当該ワーキングに参加した委員が紹介されている。
(1)2006年12月6日発刊の上記技術資料中83頁に「(3)自穿孔式ロックボルト」として当該商品が概説され、資料−22には当該商品を情報シートで紹介している。
(2)2011年3月17日発刊の上記技術資料中103頁に「5.3 自穿孔式ロックボルト」として当該商品が概説され、資料−9には当該商品を情報シートで紹介している。
(1)被請求人は、本件商標を使用している旨主張し、その証拠として乙第1号証を提出しているので、該証拠について検討する。
乙第1号証は、「ジェオフロンテ研究会」によって発行された2点の書籍、2006年12月6日付の「山岳トンネルにおけるロックボルト技術資料 ボルトWG報告書」及び2011年3月17日付の「山岳トンネルにおけるロックボルトの施工技術資料 ロックボルトWG報告書」と認められるところ、2006年12月6日付の書籍は、本件審判の請求の登録(平成23年9月1日)前3年以内(以下「要証期間」という。)に発行されたものとは認められないから、要証期間内の使用を立証する証拠とはなり得ないものである。
一方、上記2011年3月17日付の書籍(以下「本件書籍」という。)は、要証期間内に発行されたものと認められるので、本件書籍についてみると、本件書籍は、被請求人会社が正会員となっている「ジェオフロンテ研究会」の下部組織である「ロックボルトワーキング委員会」(被請求人会社の従業員が構成委員に含まれている。)によって取りまとめられたロックボルトに関する報告書であり、その103頁に「自穿孔式ロックボルト」について記述されると共にその写真が掲載されているほか、「ボルト材、定着材の製品情報シート2011年改訂」として各種ロックボルト材料等についての情報シートが資料として添付され、このうちの資料−9には「ロックボルト製品情報シート」として表が掲げられ、ロックボルトの製品名称、施工方式、用途、特徴、仕様、形状等について写真付きで説明がされており、「製品名称」欄に「KATアンカー(BO−MAX R32N)」と記載され、「問合わせ先その他」欄に被請求人会社名が記載されていることが認められる。
(2)以上によれば、上記「KATアンカー(BO−MAX R32N)」は、商品「ロックボルト」の製品名称であり、「KATアンカー」の文字部分が商標としての機能を果たすものと認められる余地があるものの、該文字部分は同書同大の文字を一連一体に表してなるものであって、別掲のとおりの構成からなる本件商標とは、構成態様が明らかに異なる別異のものである。
仮に、上記文字中の「アンカー」の文字が「土台・柱などを定着させるために、コンクリートの基礎に埋め込んで用いるボルト」を意味する「アンカー・ボルト」の略称としてこの種業界において用いられている語であって、自他商品の識別力が弱いことから「KAT」の文字部分が自他商品識別標識としての要部であるとしても、「KAT」の文字は、活字体であるのに対し、本件商標は、別掲のとおり、図案化されたものであるから、両者は、外観が明らかに異なり、社会通念上同一とは認められないものである。
そうすると、上記「KATアンカー」又は「KAT」の表示をもって本件商標が使用されているものということはできない。
上記乙第1号証の本件書籍は、その記載内容に照らし、ロックボルトに関する材料や施工機械等についてまとめた報告書と認められ、被請求人の取扱いに係る上記「KATアンカー(BO−MAX R32N)」は、商品「ロックボルト」の一製品と認められるものである。
そして、本件書籍において業界各社のロックボルトに関する情報シートがあり、被請求人の取り扱いに係る商品「KATアンカー」についての商品情報が被請求人会社を問い合わせ先として掲載されているとしても、これは自己の商品について情報を提供するものであって、これをもって「トンネル掘削工事に関する助言及び情報の提供,土木一式工事に関する助言及び情報の提供」とみることはできない。
そうすると、仮に「KATアンカー」又は「KAT」の文字が自他識別標識たる商標としての機能を果たすものであるとしても、それはあくまでも商品についての商標の使用であり、トンネル掘削工事、土木一式工事等の役務についての商標の使用ではない。
然るに、本件審判は第37類に属する指定役務についての登録取消を求めるものであるから、乙第1号証をもって請求に係る役務についての商標の使用を立証するものとは認められない。
以上のとおりであるから、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標が請求に係る指定役務について使用されているものとは認めることができない。
その他、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定役務について使用されていることを認めるに足る証拠はない。
したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、請求に係る指定役務第37類「トンネル掘削工事,土木一式工事,トンネル掘削工事に関する助言及び情報の提供,土木一式工事に関する助言及び情報の提供」について使用されていなかったものというべきであるから、商標法第50条第1項の規定に基づき、上記指定役務についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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