Trademark Appeal Case
商標法4条1項11号
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−20590(T2006−20590/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1(1)のとおりの構成よりなり、第16類、第18類、第24類及び第25類に属する別掲1(2)に示すとおりの商品を指定商品として、平成16年12月15日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願の拒絶に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(14)(以下「引用各商標」という。)の他、別掲3(1)ないし(49)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4005325号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2(1)のとおりの構成からなり、平成7年7月28日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,帽子,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く)」を指定商品として、同9年5月30日に設定登録されたものである。
(2)登録第4160820号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,型紙,裁縫用チャコ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,紙製のぼり,紙製旗,紙製幼児用おしめ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,印刷用インテル,活字,装飾塗工用ブラシ,封ろう,マーキング用孔開型板,観賞魚用水槽及びその附属品」を指定商品として、同10年6月26日に立体商標として設定登録されたものである。
(3)登録第4203968号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,ふきん,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,テーブル掛け,どん帳,シャワーカーテン,織物製トイレットシートカバー,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」を指定商品として、同10年10月23日に立体商標として設定登録されたものである。
(4)登録第4211212号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第20類「家具,貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,葬祭用具,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,クッション,座布団,まくら,マットレス,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,うちわ,せんす,買物かご,額縁,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),工具箱(金属製のものを除く。),ししゅう用枠,植物の茎支持具,食品見本模型,人工池,すだれ,装飾用ビーズカーテン,ストロー,盆(金属製のものを除く。),スリーピングバッグ,タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),つい立て,びょうぶ,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),旗ざお,ハンガーボード,ベンチ,帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),マネキン人形,洋服飾り型類,麦わらさなだ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),揺りかご,幼児用歩行器,美容院用いす,理髪用いす,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わら,きょう木,しだ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご,海泡石,こはく」を指定商品として、同10年11月13日に立体商標として設定登録されたものである。
(5)登録第4211213号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,魚ぐし,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,家事用手袋,化粧用具,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ,ブラシ用豚毛,洋服ブラシ,靴ブラシ,靴ベら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,ガラス製又は陶磁製の包装用容器,かいばおけ,家禽用リング,アイロン台,霧吹き,こて台,へら台,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,小鳥かご,小鳥用水盤,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,家庭用燃え殻ふるい,石炭入れ,紙タオル取り出し用金属製箱,靴脱ぎ器,せっけん用ディスペンサー,寝室用簡易便器,トイレットペーパーホルダー,貯金箱(金属製のものを除く。),ねずみ取り器,はえたたき,湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴,ガラス製又は磁器製の立て看板,香炉,コッフェル」を指定商品として、同10年11月13日に立体商標として設定登録されたものである。
(6)登録第4211214号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具」を指定商品として、同10年11月13日に立体商標として設定登録されたものである。
(7)登録第4240000号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第5類「医療用腕環,失禁用おしめ,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,防虫紙,乳児の離乳育児用菓子,乳児の離乳育児用清涼飲料,乳児の離乳育児用果実飲料,乳児の離乳育児用飲料用野菜ジュース,乳児の離乳育児用乳清飲料,その他の乳児の離乳育児用加工食品,食餌療法用食品」を指定商品として、同11年2月12日に立体商標として設定登録されたものである。
(8)登録第4240001号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」を指定商品として、同11年2月12日に立体商標として設定登録されたものである。
(9)登録第4240003号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同11年2月12日に立体商標として設定登録されたものである。
(10)登録第4343326号商標(以下「引用商標10」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,陸上の乗物用の動力機械の部品,その他の動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,機械式駐車装置,芝刈機,修繕用機械器具,食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ,電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」を指定商品として、同11年12月10日に立体商標として設定登録されたものである。
(11)登録第4343327号商標(以下「引用商標11」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第8類「手動工具,手動利器,くわ,鋤,レーキ(手持ち工具に当たるものに限る。),組ひも機(手持ち工具に当たるものに限る。),靴製造用靴型(手持ち工具に当たるものに限る。),電気かみそり及び電気バリカン,ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット,かつお節削り器,角砂糖挟み,缶切,くるみ割り器(貴金属製のものを除く。),スプーン,フォーク,アイロン(電気式のものを除く。),糸通し器,チャコ削り器,水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル,五徳,十能,火消しつぼ,火ばし,殺虫剤用噴霧器(手持ち工具に当たるものに限る。),パレットナイフ」を指定商品として、同11年12月10日に立体商標として設定登録されたものである。
(12)登録第4435103号商標(以下「引用商標12」という。)は、別掲2(3)のとおりの構成からなり、平成12年1月27日に登録出願、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、同12年11月24日に設定登録されたものである。
(13)登録第4575560号商標(以下「引用商標13」という。)は、別掲2(2)のとおりの構成からなり、平成9年4月1日に登録出願、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,ハムサラダ,ポテトサラダ,マカロニサラダ,フルーツサラダ,その他のサラダ,その他の加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,乾燥卵,液卵,冷凍卵,茹で卵,くんせい卵,皮蛋,卵焼き,錦糸卵,スクランブルエッグ,その他の加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,ミートソース,その他のパスタソース,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,卵どうふ,食用たんぱく」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,茶わん蒸し,オムレツ,スコッチエッグ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,酒かす」、第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,果実,野菜,糖料作物,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪,飼料用たんぱく」、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同14年6月7日に立体商標として設定登録されたものである。
(14)登録第4782084号商標(以下「引用商標14」という。)は、別掲2(4)のとおりの構成からなり、平成15年12月17日に登録出願、第16類「封ろう,印刷用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フイルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」を指定商品として、同16年6月25日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、身体を横に向け、頭髪と思しきものが主として頭頂部と耳の後方あたりにあり、しかもその部分が尖っており、背中に小さな羽が生えたふくよかな裸体の幼児の人形のシルエット図形である。
しかして、その特徴は、我が国において広く親しまれた、頭髪と思しきものが主として頭頂部のみにあり、しかもその部分が尖っており、背中には天使の翼と思しき小さな羽が生えたふくよかな裸体の姿をしている「キューピー」のキャラクターの特徴と符号するものである。
したがって、本願商標に接した取引者、需要者は、本願商標に係る図形を「キューピー」と直ちに認識するというべきである。
また、「キューピー」は、我が国において、長年にわたり各種の媒体で使用され、引用各商標に係る商標権者を含む複数の企業がこれを広告等で広く使用してきた結果、取引者や需要者間に広く知られているものである。
してみれば、「キューピー」のキャラクターの特徴を備えるシルエット図形からなる本願商標から「キューピー」の称呼及び「キューピー」の観念が生ずるというのが自然である。
(2) 引用各商標について
ア 引用商標1は、別掲2(1)のとおり、頭頂部及び左右に頭髪とおぼしき部分が尖り、目がパッチリと大きく、全体がふくよかな裸体の幼児の人形の図形を色彩を施してなり、我が国において周知となっているキューピーのキャラクターが備える特徴を有しているから、その構成全体として「キューピー」の称呼を生じ、「キューピー」の観念を生ずるものである。
イ 引用商標2ないし11及び13は、別掲2(2)のとおり、その構成は、頭頂部及び左右に頭髪とおぼしき部分が尖り、目がパッチリと大きく、背中に一対の羽を有し、全体がふくよかな裸体の幼児の人形の立体的形状からなる図形であって、我が国において周知となっているキューピーのキャラクターが備える特徴を有しているから、その構成全体として「キューピー」の称呼を生じ、「キューピー」の観念を生ずるものである。
ウ 引用商標12は、別掲2(3)のとおり、その構成は、頭頂部の頭髪とおぼしき部分が尖り、目がパッチリと大きく、背中には天使の翼と思しき一対の小さな羽のようなものが生えており、全体がふくよかな裸体の幼児の人形の図形の上部に、「KEWPIE」の欧文字と「キューピー」の片仮名とを上下二段に横書してなるものであり、その図形部分は、我が国において周知となっているキューピーのキャラクターが備える特徴を有しているから、その構成中の欧文字、片仮名及び人形の図形のそれぞれより、「キューピー」の称呼を生じ、「キューピー」の観念を生ずるものである。
エ 引用商標14は、別掲2(4)のとおり、その構成は、頭頂部の頭髪とおぼしき部分が尖り、目がパッチリと大きく、背中には天使の翼と思しき一対の小さな羽のようなものが生えており、全体がふくよかな裸体の幼児の人形の図形の上部に、「キューピー」の片仮名と「KEWPIE」の欧文字とを上下二段に横書してなるものであり、その図形部分は、我が国において周知となっているキューピーのキャラクターが備える特徴を有しているから、その構成中の片仮名、欧文字及び人形の図形のそれぞれより、「キューピー」の称呼を生じ、「キューピー」の観念を生ずるものである。
(3)本願商標と引用各商標との類否について
商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものである(昭和39年(行ツ)第110号、同43年2月27日最高裁第三小法廷判決)。
しかして、本願商標と引用各商標とを対比した場合に外観上の差異があるとしても、両商標は、「キューピー」の称呼及び「キューピー」の観念を共通にするものであって、当該差異とても、両商標がキューピーであることの認識を何ら妨げるものでもない。
そうとすれば、取引者、需要者に与える両商標の印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察するならば、本願商標と引用各商標とは、出所の混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきであって、これを左右するに足りる取引の実情は、見当たらない。
また、本願商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、横向きの幼児のシルエットであることが最大の特徴であり、要部であるとし、本願商標と引用各商標について、引用各商標は、シルエットではなく、いずれも正面向きであること、本願商標は、腕を下に下ろしているのに対し、引用各商標は、両腕を斜め上に広げる格好で上に挙げ広げていることにおいて異なり、これらをシルエットにした場合は、全く異質の人型になることから、両者間には、全く同一性または類似性はない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、「キューピー」の特徴を備えており、シルエットで表されているとしても、「キューピー」として認識されることが妨げられるものではないのは前記(3)のとおりであって、他方、引用各商標も「キューピー」として認識されるから、表現方法や姿態といった両商標の外観上の相違が、本願商標と引用各商標とが商標として類似するとの判断を左右するものではない。
また、本願商標と引用各商標とは、いずれも「キューピー」の特徴を備えており、商品の出所識別標識として「キューピー」の称呼及び「キューピー」の観念を生ずるものであって、かかる称呼及び観念を商標の類否判断において等閑視することは適切なものとはいえない(知的財産高等裁判所平成22年9月15日判決言渡、同22年(行ケ)第10093号及び同第10103号参照)。
イ 請求人は、引用各商標とほぼ同一またが酷似のキューピーの商標について、相互に登録が認められているとして、手のポーズ、体の向きの異なる本願商標は、なおさら引用各商標と出所混同の危険はなく、登録されるべきであると主張する。
しかしながら、商標の類否判断は、個別かつ具体的に判断されるべきものであり、本願商標と引用各商標について、前記のとおり判断される本件の審理が、他の商標登録の事例により拘束されるものではない。
したがって、前記の請求人の主張は、いずれも理由がなく、採用することができない。
(5)結語
以上のとおり、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり、審決する。
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