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Trademark Appeal Case

MURASAKIの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2011−3309(T2011−3309/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成21年1月10日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同23年2月14日受付の手続補正書をもって、第3類「一般化粧水,スキンローション,乳液,粘液性化粧水,クレンジングクリーム,ハイゼニッククリーム,化粧せっけん」と補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由(要旨)

原査定は、「本願商標は、単に商品の品質等を表示してなるにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、また、提出に係る資料(パンフレット、取引伝票の写し等)によっても、本願商標をその指定商品に使用した結果、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした審尋(要旨)

審判長は、平成24年1月16日付けで、請求人に対し、要旨以下の内容の審尋をした。

「本願商標は、『MURASAKI』の欧文字を横書きしてなるところ、該文字綴りからすれば、看者をして、容易に『ムラサキ』、『むらさき』又は『紫』の語をローマ文字表記したものと理解され得るものというのが相当である。ところで、本願の指定商品を含む化粧品を取り扱う業界においては、近年、別掲2の(1)ないし(14)に示す内容のとおり、新陳代謝促進作用や殺菌・消炎作用がある『むらさき(紫、ムラサキ)』という植物の根『紫根(しこん、シコン)』を原材料として用いた商品が一般に広く製造、販売されているというのが実情である。そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成文字から植物の一である『むらさき(紫、ムラサキ)』を連想、想起し、その商品が該植物(特にその根である紫根)を原材料として用いたものであると認識する場合も決して少なくないというのが相当である。したがって、本願商標は、その指定商品との関係において、単に商品の品質、原材料を表示してなるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

さらに、請求人(出願人)は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとしても、本願商標をその指定商品に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとなっている旨主張し、原審において商品パンフレット、取引関連書類等の資料を提出し、かつ、当審において甲第1号証ないし甲第14号証を提出しているが、その主張及び証拠等を総合してみても、本願商標をその指定商品に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとなっているとは認めることはできない。」

4 請求人による審尋に対する回答(要旨)

請求人は、前記3の審尋に対し、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとしても、本願商標をその指定商品に使用した結果、取引者あるいは需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できるものとなっている旨主張し、甲第15号証ないし甲第22号証を提出した。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、別掲1のとおり、「MURASAKI」の欧文字を灰色で表してなるところ、該文字は、前記3において述べたとおり、その文字綴りからすれば、看者をして、容易に「ムラサキ」、「むらさき」又は「紫」の語をローマ文字表記したものと理解され得るものというのが相当であって、これに別掲2の(1)ないし(14)に示すとおりの本願の指定商品を含む化粧品業界における取引の実情を併せ考慮すれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その構成文字から植物の一である「むらさき(紫、ムラサキ)」を連想、想起し、その商品が該植物(特にその根である紫根)を原材料として用いたものであると認識する場合も決して少なくないというのが相当である。

してみれば、本願商標は、その指定商品との関係において、単に商品の品質、原材料を表示してなるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)本願商標の使用による自他商品識別力の獲得について

ア 請求人(出願人)は、本願商標をその指定商品に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとなっている旨主張し、その主張を裏付けるべく、原審において商品パンフレットや取引関連書類等の資料(以下「原審資料」という。)を提出し、かつ、当審において甲第1号証ないし甲第22号証を提出しているので、以下、これらについて検討する。

(ア)原審資料によれば、「Mローション」(一般化粧水・スキンローションとされるもの)、「Mミルクローション」(乳液とされるもの)、「Mエッセンス」(粘液性化粧水とされるもの)、「Mクレンジングマッサージ」(クレンジングクリームとされるもの)、「Mクリーム」(ハイゼニッククリームとされるもの)及び「Mフォーム」(化粧石けんとされるもの)に係る商品パンフレット並びに各商品の容器及び包装箱に本願商標と同じ文字構成及び書体からなる「MURASAKI」の標章が付されていることが認められる。

(イ)上記(ア)にいう各商品には、問い合わせ先等として、「株式会社ベルヴィーヌ 大阪市中央区島町1−1−3 Tel:06-6944-0707 http://www.bellevienus.co.jp」の表示があるところ、請求人(出願人)の代表取締役は、同社の取締役でもあり、また、同社の代表取締役は、請求人(出願人)の取締役でもあって、さらに、請求人(出願人)は、同社の化粧品等の企画から開発、販売促進、販売教育まで一貫したコンサルティング業務を行っており、かつ、同社の取扱商品に使用する本願商標の申請、商標管理を行っている(甲第15号証ないし甲第17号証)。

(ウ)上記(ア)にいう各商品のうち、「Mエッセンス」は2009年(平成21年)4月に、その他の商品は同年11月に発売されているところ、その発売から2011年(平成23年)3月まで間のそれぞれの販売数量(金額)は、「Mローション」が6,432個(約2,851万円)、「Mミルクローション」が4,014個(約1,775万円)、「Mエッセンス」が9,422個(約4,056万円)、「Mクレンジングマッサージ」が4,428個(約1,895万円)、「Mクリーム」が3,661個(約1,772万円)、「Mフォーム」が3,983個(約1,581万円)であり、また、「Mエッセンス」を除く各商品は、発売初年度である2009年度から翌2010年度にかけて、販売個数が概ね前年度比1.5倍程度に増加したものの、2010年度から2011年度にかけては、すべての商品の販売個数が、概ね横ばい又は微減となっている(甲第18号証)。

(エ)上記(ア)にいう各商品に係る「日付別売上明細表」(2009年(平成21年)4月1日ないし2012年(平成24年)2月29日、甲第1号証ないし甲第6号証及び甲第19号証)とされるものの「得意先名」欄の記載によれば、該各商品の大多数は、特定の少数企業(「株式会社ダンデライオン」、「株式会社ラシーヌ」、「株式会社フィール」、「アンビエンテ株式会社」、「有限会社アルビレオ」、「有限会社ガンプ」、「有限会社西日本ノーブル」等)及び少数の個人に対してのみ販売されている。

この点に関し、請求人(出願人)は、上記各商品を取り扱う株式会社ベルヴィーヌの企業規模等からして、自ずと代理店を通じて商品を日本全国に販売する形態とならざるを得ず、このような代理店販売方式の場合、取引先は限定的になる旨主張するが、上記取引先が所在する具体的な地域は不明であり、また、請求人(出願人)自らも末端の顧客情報を把握できていないと述べていることからすれば、該各商品の流通に係る具体的な期間、地域、販売数量等の事実を認定することはできず、不明といわざるを得ない。

(オ)請求人(出願人)は、上記(ア)にいう各商品に係る広告宣伝等として、無料情報月刊誌「Well」の2009年(平成21年)9月10日号(原審資料)のほか、「MURASAKI販促品一覧表(2007年〜2012年2月末実績)」(甲第20号証)とされるものを提出し、かつ、該一覧表に掲げられているもののうち、「エンジェル通信2011年4月号」(甲第21号証)及び「2012年カレンダー」(甲第22号証)を提出しているところ、該原審資料には、「ベルヴィーヌMエッセンス」の商品名等の記載や本願商標と同じ文字構成及び書体からなる「MURASAKI」の標章が付されている商品容器の写真のある商品紹介記事が掲載されているものの、その発行部数や配布方法等が不明であり、また、甲第21号証には、「キレイな素肌で印象アップ!! ムラサキシリーズでトラブル知らずのお肌へ」の見出しの下、上記(ア)にいう各商品の写真及び商品紹介の記載があり、甲第22号証には、風景写真と3月及び4月のカレンダー表示との間の余白部に比較的小さく、上記(ア)にいう各商品の写真及び「MURASAKI ムラサキ」等の記載があるものの、これらの作成部数は各2,000部にとどまり、かつ、その配布対象を「お客さま向け」とするものの、その具体的な配布先、配布期間等は不明である。

そして、甲第20号証の一覧表には、甲第21号証及び甲第22号証に係るもののほかに、配布対象を「代理店向け」とする「アプローチシート」(商品説明資料)並びに、配布対象を「お客さま向け」とする「むらさき物語」(商品説明資料)、「リーフレット」(商品リーフレット)及び「ミニサンプル」(商品サンプル)の記載があるが、これらがいかなる内容からなるものであるか不明であり、また、いずれの数量も少数にとどまり、かつ、その具体的な配布先、配布期間等も不明である。

イ 以上を踏まえれば、請求人(出願人)が、自らの企画、開発に係る商品(化粧水、乳液、クレンジングクリーム等)について、本願商標と同じ文字構成及び書体からなる「MURASAKI」の標章を付し、それを関連会社といえる「株式会社ベルヴィーヌ」を通じて販売していることをうかがい知ることはできるものの、その期間は、最も長い商品「Mエッセンス」でみても約3年と短く、その取引先も、極めて限定的なものにとどまるものであって、その広告宣伝等が継続して積極的に行われている事実は見いだせず、また、その販売数量ないし金額についても、各商品の同種商品に占める具体的なシェアは不明であるものの、該商品の用途や需要層等にかんがみれば、その販売数量ないし金額は、同種商品のそれに比して、僅少なものにとどまるとみるのが相当である。

その他、請求人(出願人)の主張及びその提出に係る証拠等を総合してみても、本願商標をその指定商品に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至っていると認めるに足る事実を見いだせない。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとなっているとする請求人(出願人)の主張を採用することはできない。

(3)むすび

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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