Trademark Appeal Case
称呼類似性:語尾音の判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−650041(T2011−650041/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SPRINN」の欧文字を横書きしてなり、日本国を指定する国際登録において指定された第11類及び第32類に属する商品を指定商品として、2007年(平成19年)12月12日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2008年(平成20年)6月7日に国際商標登録出願されたものであって、同年12月11日にその出願に係る領域指定の通知がなされたものである。
その後、その指定商品については、原審における平成21年12月8日付けの手続補正書により、別掲のとおりの商品に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第4318333号商標(以下「引用商標」という。)は、「SPRIM」の欧文字を横書きしてなり、平成8年11月29日登録出願、第32類「乳清飲料,ジンジャーエール,レモネード,ソーダ水,ぶどうジュース,トマトジュース,その他の果実飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同11年9月24日に設定登録され、その後、平成21年6月2日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第5018506号商標は、「スプリン継手」の文字を横書きしてなり、平成18年4月27日登録出願、第6類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同19年1月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「SPRINN」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、辞書等に成語として掲載されていないものであることからすれば、特定の読み及び意味を有しない造語といえるものである。
そして、特定の読み及び意味を有しない造語からなる欧文字にあっては、看者をして、我が国において広く親しまれている英語の読みに倣って発音される場合も少なくないというのが相当であるから、本願商標は、その構成文字に相応する「スプリン」の称呼を生ずるというのが自然である。
他方、引用商標は、前記2(1)のとおり、「SPRIM」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字もまた、辞書等に成語として掲載されていないものであって、特定の読み及び意味を有しない造語といえるものであるから、本願商標における場合と同様に、その構成文字に相応する「スプリム」の称呼を生ずるというのが自然である。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、本願商標から生ずる「スプリン」の称呼と引用商標から生ずる「スプリム」の称呼とは、いずれも4音構成からなるものであるところ、両者は、語尾音において「ン」と「ム」の音の差異を有するにすぎないことに加え、該差異音についてみても、前者においては、「ン」の音が有声軟口通鼻音であるのに対し、「ム」の音は有声両唇通鼻音の子音「m」に母音「u」を伴う音であって、共に唇を閉ざしたまま発音するため響きの弱い音となり、明瞭に区別し難いものとなることに加え、該差異音が称呼における識別上印象の弱い語尾に位置することも相まって、その音の差が称呼全体に与える影響は極めて少ないものといわざるを得ず、両者をそれぞれ一連に称呼した場合は、語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるというのが相当である。
また、両商標は、それぞれ前記1及び2(1)のとおりの構成からなるものであるから、外観上これらが相紛れるおそれはなく、さらに、上記のとおり、いずれも特定の観念を生ずることのない造語からなるものであるから、観念上これらを比較することはできない。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、称呼において類似するものであり、観念において比較することのできないものであるから、外観において相違することを考慮してもなお、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきであり、これを覆すに足る特段の事情が存するとも認められない。
そして、本願の指定商品中には、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品が含まれるものである。
以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
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