Trademark Appeal Case
称呼の類否と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第2424号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「POCKET RESCUE」の欧文字を横書きしてなり、第9類「理化学機械器具、測定機械器具、配電用又は制御用機械器具、電池、電気磁気測定器、電線及びケーブル、写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、眼鏡、加工ガラス(建築用のものを除く。)救命用具、電気通信機械器具、レコード、電子応用機械器具及びその部品、オゾン発生器、電解槽、ロケット、遊園地用機械器具、回転変流機、調相機、電気アイロン、電気式ヘアカーラー、電気式ワックス磨き機、電気掃除機、電気ブザー、鉄道用信号機、乗り物の故障の警告用の三角標識、発光式又は機械式の道路標識、火災報知機、事故防護用手袋、消火器、消火栓、消化ホース用ノズル、消防車、消防艇、盗難警報器、保安用ヘルメット、防火被服、防じんマスク、防毒マスク、磁心、自動車用シガーライター、抵抗線、電極、溶接マスク、映写フィルム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、ガソリンステーション用装置、自動販売機、駐車場用硬貨作動式ゲート、金銭登録機、計算尺、硬貨の計数用又は選別用の機械、作業記録機、写真複写機、手動計算機、製図用又は図案用の機械器具、タイムスタンプ、タイムレコーダー、電気計算機、パンチカードシステム機械、票数計算機、ビリングマシン、郵便切手のはり付けチェック装置、ウエイトベルト、ウエットスーツ、浮き袋、エアタンク、水泳用浮き板、潜水用機械器具、レギュレーター、アーク溶接機、犬笛、家庭用テレビゲームおもちゃ、金属溶断機、検卵器、電気溶接装置、電動式扉自動開閉装置、メトロノーム」を指定商品として平成6年12月6日登録出願、指定商品については、平成8年10月30日付手続補正書により「電池、電気磁気測定器、電線及びケーブル、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品、回転変流機、調相機、電気アイロン、電気式ヘアカーラー、電気式ワックス磨き機、電気掃除機、電気ブザー、磁心、抵抗線、電極」に補正されたものである。
第2 原査定の引用商標
原査定において本願商標につき商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した商標登録第1823952号に係る商標(以下「引用商標」という。)は、「レスキュー」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和56年9月25日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として昭和60年11月29日設定登録、平成8年5月30日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
第3 請求人の主張
1 請求の趣旨
「原査定を取り消す。この出願は登録すべきものである。」との審決
2 請求の理由
(1)両商標の称呼の類否について
本願商標の称呼「ポケットレスキュー」は6音構成であるのに対し、引用商標の称呼「レスキュー」は3音構成であり、両者は全体の発音構成において6音構成と3音構成の差異がある。本願商標は、「POCKET」と「RESCUE」の間が半角程度にあけてあるが、全体としてまとまりよく構成されている。「POCKET」自体は識別力を有さないが、他の商標との結合で、例えそれが識別力を有さない商標であっても全体としてまとまりよく構成されれば識別力を有する商標として認識されることがある(例「SOUND POCKET」商公平1ー37343号、「SOFT POCKET」商公昭62ー67625号、「POCKET MEMO」商公昭63−106764号、「アイス ポケット」商公平2ー97464号、「POCKETLAN」商公平5ー80691号)。
本願商標は、「RESCUE」との結合であり、全体的にまとまった構成により表記されているので、引用商標の例を引くまでもなく識別力を有する商標であって、引用商標とは顕著な差異がある(商公昭60−34620号「POCKET BERRY」と商公平4−41929号「Berry’s」とが非類似として扱われている。)。
(2)外観及び観念について
本願商標と引用商標は、外観において顕著な差異があり、観念においても類似するものではない。
(3)したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
第4 当審の判断
1 そこで、本願商標と引用商標の類否について検討する。
(1)本願商標
本願商標は、「POCKET RESCUE」の欧文字よりなり、その構成は「POCKET」の文字と「RESCUE」の文字との間を半文字程度空けて表示してなるものであるところ、前半部の「POCKET」の文字は、「ポケット型の、小型の」を意味する英語として、この語に由来する外来語の「ポケット」とともに一般によく知られた語であり、本願商標の指定商品の分野においても、例えば、「ポケット コンピューター(pocket computer)」「ポケット ベル(pocket bell)」のように、当該機器が小型であることを示す用語として普通に使用されているものである。請求人においても「POCKET」の文字部分が自他商品の識別機能を有さないことについては争わないところである。
また、後半部の「RESCUE」の文字は、「救う、救援」を意味する英語として、この語に由来する外来語の「レスキュー」とともに、例えば、「レスキュー隊」などの存在を通じて一般に親しまれている語である。
そして、これらの2語よりなる本願商標の全体は、英語として特定の語義を生ずるものではなく、常に一体不可分のものとして把握しなければならないとする事情も見出せない。
そうすると、本願商標を特に小型軽量化に対するニーズの強い分野の商品に使用するときは、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を構成する前半部の「POCKET」の文字部分については、商品の形状、品質を表示するものとして理解し、認識するに止まるから、自他商品の識別機能を有する後半部の「RESCUE」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼、観念をもって取引にあたることも決して少なくないものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して「ポケットレスキュー」の一連の称呼を生ずるほか、「RESCUE」の文字部分に相応して「レスキュー」の称呼、「救援」の観念も生ずるものである。
(2)引用商標
引用商標は、その構成前記のとおり「レスキュー」の片仮名文字よりなるところ、その構成文字に相応して「レスキュー」の称呼が生ずること、「レスキュー」の語は、前記(1)に記載したのと同様の事由により「救援」の観念が生ずることは明らかである。
(3)両商標の比較
本願商標と引用商標とは、前者は欧文字、後者は片仮名文字であるから、外観においては相違するものではあるが、「レスキュー」の称呼、「救援」の観念を生ずること前記(1)及び(2)において認定したとおりであり、両商標は、称呼及び観念を共通にするものである結果、両商標より生ずる印象、記憶、連想等において互いに出所について紛れるおそれのある全体として類似する商標である。
そして、本願商標の補正後の指定商品は、引用商標の指定商品に包含されるものである。
(4)請求人は、「POCKET」の文字と他の文字とが全体としてまとまりよく構成されれば識別力を有する商標として認識されるとして、商標出願公告された商標の例をあげて本願商標と引用商標とは区別して登録すべきである旨主張する。
しかしながら、過去に商標公告された例は、個別、具体的に判断されているものであって、必ずしも確立された統一的な基準によっているものとはいえず、仮にその中に矛盾した事案があるとしても、具体的な事案の判断においては、過去の事案の一部に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人が挙げる事例をもって本件についての前記認定を左右するものではない。
2 結び
以上のとおりであり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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