sokuhyo

Trademark Appeal Case

熊図形商標の類否と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2012−900010(T2012−900010/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5444516号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5444516号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成23年5月6日に登録出願、第25類「バンダナ,スカーフ」を指定商品として、同年9月14日に登録査定、同年10月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、その登録は商標法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)引用商標

申立人の引用する登録第3255110号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成5年11月18日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年1月31日に設定登録され、その後、同18年11月21日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標は、ともに、横を向いて四足で立つ熊の図形からなる商標であり、その外観において類似するとともに、「横を向いて、四足で立つ熊」、あるいは単に「熊」といった観念を共通にする類似の商標である。また、その指定商品も同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、申立人の商標として、商品「シャツ,ブルゾン等」について使用してきた結果、日本国内において広く知られていることから、本件商標は、引用商標とその外観及び観念において類似することから、本件商標が本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)引用商標の周知・著名性について

申立人の提出に係る甲各号証及び同人の主張によれば、次のとおり認められる。

申立人は、商標「ゴールデンベア」「GOLDEN BEAR」または、横を向いて四足で立つ金色の熊の図形からなる商標(以下「金色の熊商標」という。)(以下これらをまとめて「申立人商標」という場合がある。)をシャツ等の商品に付し、1960年ころから、アメリカで販売し、日本においては、1968年にブランド・ライセンス契約を小杉産業株式会社(以下「小杉産業」という。)との間で締結し、小杉産業は、1985年に申立人商標を付した商品の展開を始め、2009年3月株式会社コスギ(以下「コスギ」という。)に事業承継し(甲4)、コスギは、日本国内に90店の店舗の他、インターネットを通じて申立人商標を付した商品も販売した(甲6及び甲7)。加えて、金色の熊商標と同一の形状の商標を付した商品の平成20年度ないし同23年度の各年度販売数量は、300万着(個)以上であること(甲8)。

また、コスギは、申立人商標を付した商品の広告を、平成22年11月6日発行の「読売新聞 朝刊(大阪支社版)」(発行部数約251万部)、平成22年7〜9月発行「LEE」(平均印刷部数約30万部)、平成22年4月発行「OCEANS 5月号」(発行部数約10万部)、平成21年4〜6月発行「AERA」(平均印刷部数約17万部)に掲載し(甲10ないし甲17)、さらに、地上波のテレビでも、「ゴールデンベア」ブランドに関するTVCFが全国ネットで10本、その他、関東・関西・中京・九州において、合計193本放映されたこと(甲18)。

加えて、前記の「OCEANS 5月号」には、「GOLDEN BEAR/ゴールデンベア・・・胸に輝く熊のロゴは、ゴルフ界で“帝王”の異名をとったジャック・ニクラウスが創設したブランド、ゴールデンベアのもの。」の記載、同じく、「AERA 2009.6.15」には、「ゴールデンベアのポロシャツは・・・」の記載があり、共に、金色の熊商標がワンポイントマークされたポロシャツが販売価格と共に掲載されていること(甲12及び甲13)。

さらに、日本全国の約3万人に対し実施した、持ち物や嗜好、価値観などのインターネット調査を行っているという、日経BP社発行の「世代×性別×ブランドで切る!第3版」には、「ゴールデンベア」ブランドは、65歳から69歳男性の所有ブランドリストの洋服部門において、「持っている洋服(男性)」の第13位であること(甲9)。なお、甲第9号証の発行日は、2011年11月29日であるが、「調査日程:2011年6月10日〜2011年6月23日」の記載があることから、出願時においてもその状況は変わらないものと判断して差し支えない。

以上からすれば、引用商標は、金色の熊商標と色彩において多少異なるものの、同一視でき、「ゴールデンベア」と称されて、本件商標の出願時及び登録査定時には、我が国において、相当程度知られていたものということができる。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(1)のとおり、白熊をモチーフとした図形であるところ、該図形は、左向きで水色のスカーフと思しきものを結んでいる構成からなるものであり、その図形に相応して「水色のスカーフを巻いた白熊」程の観念を生ずるものである。

他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、目を白抜きにして全体を金色系統で彩色した構成からなり、「金色の熊」の観念及びその著名性ゆえ、「ゴールデンベア」の称呼及び観念を生ずるものである。

そうとすれば、本件商標と引用商標は、上記したとおり、外観及び観念において著しい差異を有し、その称呼において類似するものでもないことから、非類似の商標というべきであって、いずれも「熊」を構成要素としているとしても、その外観が類似し、「熊」あるいは「横を向いて、四つ足で立つ熊」の観念を共通にするとの請求人の主張は採用し難い。

他に両者が類似するというべき特段の理由は見いだせないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

前記(1)のとおり、引用商標は本件商標の登録出願時及び査定時に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間で相当程度知られているものと認められるとしても、前記(2)の認定のとおり、本件商標と引用商標とは外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない別異の商標というべきである。

そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を想起、連想するものとは認められず、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当するものではない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。