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Trademark Appeal Case

称呼・観念の類否と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第19967号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「TORNADO HORN」の欧文字と「トルネードホーン」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、第12類「自動車用警音器、二輪車用警音器」を指定商品として平成7年8月10日に登録出願されたものである。

第2 原査定の引用商標

原査定において本願商標につき商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した商標登録第2789730号に係る商標(以下「引用商標」という。)は、「TORONADO」の欧文字を横書きしてなり、平成1年4月26日登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品及び附属品(但し、船舶、航空機、ロケット及び自動車のタイヤ・チューブ、自転車のタイヤ・チューブを除く。)」を指定商品として平成6年7月29日に設定登録されたものである。

第3 請求人の主張

1 請求の趣旨

「原査定を取り消す。この出願は登録すべきものである。」との審決

2 請求の理由

(1)引用商標

引用商標は、特定の観念を有しない造語であると解され、ローマ字読みに「トロナド」の称呼が生ずる。引用商標は、中間音の「na」が存在する場合には、熱烈な愛好者等を意味する英語「aficionado」が「アフィショナード」と発音する(甲第4号証)ことから、英語的に発音するならば、「トロナード」の称呼が生ずる。

(2)本願商標

本願商標は、「トルネードホーン」の称呼・観念が生ずる。

(3)本願商標と引用商標との差異

引用商標は「トロナド」若しくは「トロナード」の称呼が生ずることから、「トルネード」の称呼が生ずる本願商標とは語頭に近い部分において「ロナ」と「ルネ」の決定的な2音の差異がある。両者は十分に聴別可能であり、非類似の商標である。

本願商標中「トルネード」の語は、「竜巻」等を意味するものとして広く一般に親しまれている(甲第6号証)。また、アメリカ合衆国の大リーグ・ベースボールにおいて、日本人の野茂英雄投手が現在も活躍中であり、日本の新聞・テレビ等のマスコミが野茂投手に関し連日報道を行っているところ、野茂投手の投球方法は、「竜巻」を思わせるような独特な投球フォームから「トルネード投法」として両国において広く知られている。

したがって、本願商標中「トルネード」の語は、竜巻等の観念を有し、引用商標が特定の語義を有していない造語であることから、たとえ両者の差異が「ル」と「ロ」の音のみであるとしても、本願商標は、称呼上、引用商標と比較して十分な記銘力を有しており、かつ、より強い注意力が払われるので、両商標を一連に称呼するも容易に識別し得るものである。

(4)本願指定商品について

本願商標は「自動車用警音器、二輪自動車用警音器」についてのみ使用される。当該商品は「自動車および二輪自動車」を運転する際、安全等を確保するために必要な重要な部品である。この「警音器」の品質の良し悪しによって「自動車、二輪自動車」の信頼性が左右されることになりかねないため、その購買については専門の購買部門又は専門職にある者が慎重に選定した後に購入するのが通常であり、こうした販売ルート・販売方法からすれば、本願商標と引用商標とを比較した際に混同を生ずることはない。

(5)本願商標と引用商標の外観については、両者が全く異なる商標である。

(6)むすび

以上より、本願商標は引用商標とは、外観、観念、称呼のいずれを比較しても、非類似の商標であり、需要者が取引過程において混同を生ずる関係にはないから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。。

3 証拠方法

請求人は、審判請求書に記載のとおり甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。

第4 当審の判断

1 そこで、本願商標と引用商標の類否について検討する。

(1)本願商標

本願商標は、「TORNADO HORN」の欧文字と「トルネードホーン」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるものである。

本願商標の前半部の「TORNADO」の文字は、「竜巻」等を意味する英語として、この語に由来する外来語の「トルネード」とともに、例えば、アメリカ合衆国の大リーグ・ベースボールにおいて、活躍している日本人の野茂投手の投球方法は、「竜巻」を思わせるような独特な投球フォームから「トルネード投法」として日本の新聞・テレビ等のマスコミが報道を行っているところであり、一般によく知られた語である。

また、その後半部の「HORN」の文字は、「自動車の警笛」を意味する英語として、この語に由来する外来語の「ホーン」とともに、一般に親しまれている語であり、本願商標の指定商品「自動車用警音器、二輪車用警音器」との関係では自他商品の識別機能を有しないものである。請求人においても「HORN」「ホーン」の文字部分が自他商品の識別機能を有しないことについては争わないところである。

そして、これらの2語よりなる本願商標の全体は、英語及び日本語として特定の語義を生ずるものではなく、常に一体不可分のものとして把握しなければならないとする事情も見出せない。

そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を構成する後半部の「HORN」「ホーン」の文字部分については、自他商品の識別機能を有しないものとして理解し、認識するに止まるから、自他商品の識別機能を有する前半部の「TORNADO」「トルネード」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼、観念をもって取引にあたることも決して少なくないものとみるのが相当である。

したがって、本願商標は、その構成文字に相応して「トルネードホーン」の一連の称呼を生ずるほか、「TORNADO」「トルネード」の文字部分に相応して「トルネード」の称呼、「竜巻」の観念を生ずるものである。

(2)引用商標

引用商標は、その構成前記のとおり「TORONADO」の欧文字よりなるところ、その構成文字は、前記したとおり我が国において知られている英語の既成語である「TORNADO」の配列文字の3文字目「R」と4文字目「N」の間に「O」の文字を挿入しただけのものである。

そうすると、「TORNADO」の語が「トルネード」と称呼されることから、その例に倣い引用商標は、その構成文字につき英語風に「トロネード」と称呼することも否定し難いものというべきである。

請求人は、「引用商標は、中間音の『na』が存在する場合には、熱烈な愛好者等を意味する英語『aficionado』が『アフィショナード』と発音する(甲第4号証)ことから、英語的に発音するならば、『トロナード』の称呼が生ずる」と主張する。

しかしながら、「aficionado」という英語は、我が国において親しまれた語ではなく、本願商標の指定商品とも何らの関係もない語であって、我が国の通常の取引者、需要者が引用商標について、該語に倣って発音することはほとんどないというべきである。したがって、請求人の主張は、引用商標より生ずる「トロネード」の称呼を否定する理由とはなりえない。

また、引用商標は、特定の観念は生じないものと認められる。

(3)両商標の比較

本願商標より生ずる「トルネード」の称呼と引用商標より生ずる「トロネード」とを比較すると、両称呼は、いずれも長音を含む5音構成であり、称呼の識別上重要な要素を占める冒頭音「ト」と第3音以下「ネード」の音を共通にし、中間音である第2音において前者が「ル(ru)」後者が「ロ(ro)」の音においてのみ相違がある。 そして、両称呼において相違する音「ル(ru)」と「ロ(ro)」は、いずれも舌面を硬口蓋に近づけ、舌先で上歯茎を弾くようにして発音する有声子音「r」を同じくし、該「r」の音は歯茎音の中で最も弱い音であり、子音の中で必ずしも明瞭に発音される音ということはできず、しかも称呼の識別上印象の薄い中間に位置する音である。

そうすると、本願商標の称呼「トルネード」と引用商標の称呼「トロネード」とは、それぞれ時と処を異にして一連に称呼するときは、取引者、需要者をして全体の語調、語感が近似した印象、記憶、連想等を与えるものであって、称呼において互いに紛れるおそれのある類似するものである。

次に、外観について、本願商標の要部である「TORNADO」の欧文字と「トルネード」の片仮名文字を二段に横書きしたものと引用商標の「TORONADO」の欧文字を横書きしたものを比較すると、本願商標において片仮名文字の併記のある点で相違するほか、欧文字について引用商標の文字配列は、本願商標の「TORNADO」の配列文字の3文字目「R」と4文字目「N」の間に「O」の文字を挿入しただけのものである。そして、本願商標の片仮名文字部分は、「TORNADO」の欧文字部分のみから生ずる称呼をそのまま片仮名で記載しただけのものであり、欧文字との関連性が強いだけに、片仮名文字部分の印象がさほど強いとはいえないこと、欧文字については引用商標は特定の観念のある欧文字ではないため、印象の薄い中間に挿入されている「O」の文字について特段の注意を払うのは少ないこと、両者は、前記認定したとおり称呼が類似するものであることを併せ考慮すると、取引者、需要者が時と処を異にして両商標の外観に接する場合には、両商標について外観上誤認、混同するおそれを否定することはできない。

(4)してみると、本願商標と引用商標とは、引用商標が特定の意味を生じないので観念については比較することはできないが、外観及び称呼において出所の混同を生ずるおそれのある全体として類似する商標である。

そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に包含されるものである。

2 結び

以上のとおりであり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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