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Trademark Appeal Case

SWISS商標の品質誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900302(T2011−900302/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5412310号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5412310号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年8月21日に登録出願、第14類「スイス製の時計,スイス製の宝石,スイス製の宝飾品」を指定商品として、同23年3月18日に登録査定、同年5月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第16号について

スイス国は、時計についてスイス法令を定めており、「Switzerland」や「Swiss」等の表示を行うために当該時計が満たすべき3条件を規定し、スイス製を名乗ることができる時計の範囲を明確にしている(甲第3号証及び甲第4号証)。

スイス法令は、スイス国の国内法であり、日本その他の法域において直接的に効力を有する訳ではないが、日本国内の需要者の間においても広く認識されているものである(甲第4号証ないし甲第11号証)。

したがって、本件商標がスイス法令の定める条件を満たさない時計(非遵守スイス製時計)について使用された場合には、該時計がスイス法令の定める条件を満たす時計(遵守スイス製時計)であるかの如く、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。

(2)商標法第4条第1項第7号について

本件商標を非遵守スイス製時計について使用した場合、スイス法令が保護することを目的としたスイス国の国益を著しく害するばかりでなく、日本の需要者もスイス製時計の品質について強い信頼を有しており、非遵守スイス製時計について「SWISS」の表示を認めることは、日本の需要者がスイス製時計について有している強い信頼を害することにもなり兼ねないから、非遵守スイス製時計について「SWISS」の表示を認めないことが日本の国益にも沿うものである。

したがって、本件商標は、日本とスイス国との間の国際信義に反するものであり、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標というべきである

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第16号及び同第7号に該当し、商標登録を受けることができない商標に該当するから、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第16号について

本件商標は、別掲に示したとおり、その構成中に「SWISS」の文字を有しており、その指定商品中には「スイス製の時計」を含んでいるものである。

ところで、商標法第4条第1項第16号に規定されている「商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標」とは、指定商品に係る取引の実情の下で、取引者又は需要者において、当該商標が表示していると通常理解される品質と指定商品が有する品質とが異なるため、商標を付した商品の品質の誤認を

生じさせるおそれがある商標をいうものと解されており、実際に商標を使用した商品がどのような品質を有しているかは、商標法第4条第1項第16号該当性の有無に影響を及ぼすものではないと解されている(例えば、知財高裁平成20年(行ケ)第10086号判決参照)。

そうとすれば、本件商標は、構成中に「SWISS」の文字を有していることに対応して「スイス製の時計」等を指定商品としているものであるから、本件商標が表示していると通常理解される品質と指定商品が有する品質とは符合しているものというべきであり、本件商標をその指定商品中の「スイス製の時計」等について使用しても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

なお付言すれば、本件商標に係る審査段階で請求人(出願人)が提出した意見書(参照資料)によれば、当該商品は、スイス国ビエールビエンネン工房(工場)にて製造された製品であり、真正なるメイドインスイスであって、スイスをはじめ、北米やベルギー、ルクセンブルグ、アラブ首長国、サウジアラビア地域等において販売されているものとのことである。

そうであるとすれば、実際に、本件商標権者が本件商標を使用する「スイス製の時計」は、申立人が主張しているスイス法令の定める条件を満たす時計(遵守スイス製時計)であるとみるのが相当であるから、当該商標が表示していると通常理解される時計の品質を「スイス法令の定める条件を満たす時計(遵守スイス製時計)」とみても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第7号について

本件商標とその指定商品との関係は、上記のとおりに判断されるから、本件商標をその指定商品中の「スイス製の時計」について使用しても、日本とスイス国との間の国際信義に反するものではなく、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であるということはできない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものとはいえない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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