Trademark Appeal Case
米粉カフェの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−23576(T2011−23576/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「米粉カフェ」の文字を標準文字で表してなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成22年7月15日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『米をひいて粉状にしたもの。』(広辞苑第六版 岩波書店)を意味し、近年、国内米の消費拡大に向け、小麦粉に代わる原材料としてパンやケーキ等に利用されている『米粉』の文字と、『主としてコーヒーその他の飲料を供する店』(同上)を意味する『カフェ』の文字を一連に『米粉カフェ』と標準文字で表示してなるから、全体として『米粉を原材料とするパン等をコーヒー等の飲料と共に提供する店』ほどの意味合いを認識させるものである。また、本願商標の指定役務を取り扱う業界において、「カフェ」について、例えば、「オーガニックカフェ」「ベーカリーカフェ」「フルーツカフェ」等のように使用されており、「米粉カフェ」の文字が、上記意味合いを表すものとして普通に使用されている事実も認められる。そうとすると、本願商標をその指定役務中『米粉を原材料とするパンやコーヒー等の飲料を主とする飲食物の提供』に使用しても、これに接する需要者は、単に役務の質(内容)を表したものと認識するにとどまるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「米粉カフェ」の文字よりなるところ、その構成中「米粉」の文字は「米をひいて粉状にしたもの」を表す語として、また、「カフェ」の文字は「主としてコーヒーその他の飲料を供する店、喫茶店」程の意味を表す語として、いずれも、一般に広く認識され、親しまれた語であることから、本願商標は、「米粉」の文字と「カフェ」の文字とを連綴してなるものであると容易に認識、理解される。
ところで、本願商標の指定役務「飲食物の提供」との関係においては、飲食物を表す語とその営業形態や提供形態(形式)を表示する語とを一連に結合させて、当該役務の内容を表示することは普通に行われており、当業界における営業形態の一種である「カフェ」においても、「自然食カフェ」、「雑穀カフェ」、「有機野菜カフェ」のような「○○カフェ」の表示全体をもって提供に係る役務の内容を表示するものとして使用されているものである。
そして、米粉が食品の原材料として注目され、その独特の食感や風味が人気を集めている中、「米粉を使用した飲食物を提供することを特徴とするカフェ」を表すものとして「米粉カフェ」の語が使用されていることは、例えば、別掲の新聞記事やインターネットの記事からも、これを認め得るところである。
そうとすると、本願商標は「米粉カフェ」の文字を普通に用いられる方法で表示してなるにすぎないものであるから、これに接する取引者、需要者は、その指定役務との関係において「米粉を使用した飲食物を提供するカフェ」程の意味合いを容易に理解するというのが相当である。
してみると、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、単に役務の質、内容を表したものと理解させるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないといわざるを得ない。
なお、請求人(出願人)は、「本願商標は、直ちに特定の役務の質・提供の方法等を具体的に表示するものとして一般に理解され、あるいは、取引者・需要者間において、原審説示の意味合いをもって取引上普通に使用されている事実も認められないから、本願商標は、全体として特定の意味合いを看取し得ない一種の造語であって、自他役務の識別標識としての機能を有するものである。」と主張している。
しかしながら、本願商標の指定役務を取り扱う業界において、提供に係る役務の内容を表すために飲食物を表す語とその営業形態等を表す語を組み合わせて一体のものとして表示することが普通に行われている実情のもと、上述のとおり「米粉を使用した飲食物を提供することを特徴とするカフェ」を表すものとして「米粉カフェ」の語が使用されているものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成全体として上記意味合いを容易に認識、理解するというのが相当であり、これをその指定役務に使用するときは、単に役務の質を表示したものであり、自他役務を識別するための標識としての機能を有しないものといわざるを得ないから、請求人の上記主張は採用できない。
さらに、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、それらの登録例は、商標の構成等において本願とは事案を異にするものであり、また、商標が自他役務識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定役務の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであって、上記取引の実情からすれば、前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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