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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2011−300850(T2011−300850/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2627655号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2627655号商標(以下「本件商標」という。)は、「トリニティ」の片仮名を書してなり、昭和58年3月14日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成6年2月28日に設定登録され、同16年2月10日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

その後、指定商品については、同16年6月16日に第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,化粧品,歯磨き」を指定商品とする書換登録がなされたものである。

なお、本件審判の請求の登録は、同23年9月30日にされている。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その全指定商品について、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上に亘り日本国内において使用されている事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 第1答弁に対する弁駁

(1)本件商標の使用権について

被請求人は、同人とドクタープログラム株式会社(以下「ドクタープログラム社」という。)間で締結された商標の使用権設定契約書の写し(乙2)を提出し、ドクタープログラム社が独占的通常使用権者であると主張しているところ、該契約書の第1条第1項において、専用使用権であることが明記されており、その設定は、登録により効力を生ずるものであるが、該専用使用権は商標登録原簿(甲2)に記録はなく、被請求人自身も答弁書において該専用使用権が未登録であることを認めている。

したがって、ドクタープログラム社は、独占的通常使用権者ではなく、商標登録原簿に記録されていない以上、専用使用権者ともいえない。

(2)本件商標の使用について

ア 乙第1号証及び乙第3号証は、何れもドクタープログラム社が発行したとされる「トリニティ通信」、「TRNITYNOTE」と称する広告誌の写しであるが、それぞれの発行年が2002年、2006年であるから、そもそも本件取消審判請求の登録前3年という要証期間内における本件商標の使用を証明する証拠方法としては適切でない。

イ 乙第4号証は、2011年発行の広告誌「TRINITYNOTE」の写しであり、当該広告誌には、同種、同大、同間隔の文字で「TRINITYLINE」と一行で書した商標を付した洗顔料、美容液、日焼け止めクリーム等の化粧品が掲載されている。

しかして、「TRINITYLINE」は、本件商標「トリニティ」のローマ字表記「TRINITY」に別の文字「LINE」を付加したものと考えられるが、「LINE」の文字は、化粧品との関係において普通に用いられている文字とはいえず、識別力を発揮する文字と考えられ、また、各構成文字が一体的にまとまりよく構成されているから、「TRINITY」の文字のみを格別抽出し、称呼すべき理由はなく、当該商標は特定の語義を生じない一つの造語と考えるのが自然である。

この点、同号証中においても、「トリニティーラインの会報誌[トリニティーノート]」(表紙)、「トリニティーラインご愛用者様の肌悩み第1位はシミ・ソバカス」(第6頁)、「トリニティーラインの新しい日やけ止め『薬用ホワイトニングUVミルク』は、...」(第12頁)、「トリニティーライン コールセンター」(第20頁)等と分離されることなく一体的に記載されており、このことは、ドクタープログラム社自身が、「TRINITYLINE」を一つの造語と認識していることの証左であるといえる。

ウ ここで、本件商標「トリニティ」と使用商標「TRINITYLINE」又は「トリニティーライン」とを比較すると、構成文字数又は構成文字種において差異があり、外観上同一でないことは明らかである。また、本件商標は「三位一体」を意味するが(甲3)、使用商標は特定の語義を生じない造語であるから、観念上も同一でないことは明らかである。さらに、構成音数において本件商標は4音であるのに対して、使用商標は8音と差異があり、称呼上も同一でない。

したがって、本件商標と使用商標は、同一でなく、また、社会通念上の同一性も認められない。

エ なお、「TRINITYNOTE」は、広告誌の題号であり、化粧品の識別標識として使用されているということはできず、また、各構成文字が同種、同大、同間隔で一体的にまとまりよく構成されていることから、全体として一つの造語と考えるべきものであることは、上記「TRINITYLINE」と同様であるから、本件商標とは同一でなく、社会通念上の同一性も認められない。

(3)まとめ

以上述べたところにより、ドクタープログラム社は、本件商標の使用権者とは認められない。また、同社が化粧品について使用する「TRINITYLINE」は、本件商標と同一でなく、社会通念上の同一性も認められない。

したがって、被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に本件審判の請求に係る商品について使用した事実を証明していない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

1 第1答弁

(1)本件商標の使用事実

本件商標の独占的通常使用権者であるドクタープログラム社は、本件審判の請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定商品中「化粧品」について、本件商標を使用している。

ア 商標の使用者

(ア)乙第1号証「トリニティー通信(2002年秋の創刊号)写し」には、被請求人(商標権者)が通常使用権の許諾をした者「ドクタープログラム株式会社」、旧住所「東京都港区南青山2−7−26」が表示されている。

(イ)乙第2号証「商標の使用権設定契約書写し」には、同じく被請求人(商標権者)がドクタープログラム社に、本件商標の使用を商品「第3類 せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,化粧品,歯磨き」について専用使用権の設定又は独占的通常使用権の許諾を約定した旨の規定がされている。

なお、当該使用権設定契約は、通常使用権者であったドクタープログラム社の「トリニティー」ブランド及びそのライン−ナップ強化の一環として、特に「トリニティーライン」を中心とする通販事業拡大のため、本件商標について独占的な使用権に係るライセンスを2006年11月30日付けで約定したものであるところ、ドクタープログラム社は現時点において専用使用権の設定登録は行なっていないが、いわゆる「独占的通常使用権者」の地位にあることは明らかである。

(ウ)乙第3号証「TRINITYNOTE(2006年10月号 平成18年10月1日発行)写し」には、独占的通常使用権者「ドクタープログラム株式会社」とその住所「東京都港区南青山5丁目4番40号」が表示されている。

(エ)乙第4号証「TRINTYNOTE(Vol37 2011年5月25日発行)写し」には、現時点においても事業を継続している独占的通常使用権者「ドクタープログラム株式会社」とその住所「東京都港区南青山5丁目4番40号」が表示されている。

イ 使用に係る商品

乙第1号証、乙第3号証及び乙第4号証には、請求に係る商品中「化粧品」に係るライン−ナップが掲載されている。

ウ 使用に係る商標

乙第1号証、乙第3号証及び乙第4号証には、本件商標が記載されている。

(ア)その使用態様として、乙第1号証には、「トリニティー」ブランドの浸透を図るべく「トリニティー通信」と称して広告誌として使用し、「トリニティー」商品のライン−ナップ(トリニティーライン)や「トリニティー」ブランドのコンセプトについて、宣伝広告をしている。

なお、「TRINITY」及び「トリニティー」は、本件商標「トリニティ」と社会通念上同一のものとしての使用である。

(イ)乙第3号証は、広告誌を「トリニティー通信」から「TRINITYNOTE」と改名しているが、「NOTE」は一般的な使用範囲での「情報、知識」という観念を生じるものであり、識別標識としての商標の使用はあくまでも「TRINITY」部分(本件商標「トリニティ」と社会通念上同一の商標)である。この点は、独占的通常使用権者が、乙第3号証の第24頁表題のように意識して二段書きにして表示していることからも明らかである。

よって、「トリニティー」ブランドとしての商品ライン−ナップの周知を図るための広告誌として使用している点では乙第1号証における広告的使用と何ら相違するものでない。

(ウ)乙第4号証においても、「TRINITYNOTE」として、乙第3号証の使用と同様の広告を行なっているものであり、現在の「トリニティー」ブランドに係る商品ライン−ナップの浸透を図るための使用態様である。

そして、当該「TRINITYNOTE」における「TRINITY」部分は、商標使用権者が、少なくとも2002年10月から通販事業において販売している「トリニティー」ブランド(ライン−ナップ)のメイン商品「TRINITYLINE(「トリニティーライン」)」の「TRINITY(「トリニティー」)」部分についての広告的使用に相当するものである。

エ 使用時期

乙第1号証ないし第4号証から明らかなとおり、本件商標の使用権者であるドクタープログラム社が、少なくとも2002年10月の時点から現在に至るまで、上記「トリニティー」ブランド及びそのライン−ナップの一環として商品「トリニティーライン」を通信販売しその顧客に対して納品している。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において独占的通常使用権者により指定商品中「化粧品」について使用していることが明らかである。

2 第2答弁

(1)請求人は、本件商標「トリニティ」の使用権について、その主体適格性があたかも「専用使用権者」に限られるかのような主張をしている。

そもそも契約自由の大原則のもと、私的自治によって被請求人らが締結した「商標権の使用権設定契約書」(乙2)は、「被請求人の有する本件商標(トリニティ)について、ドクタープログラム社がその使用権者として自由に使用することを基本思想として被請求人が承諾したもの」であり、そこには「専用使用権」のみに限定して解釈する根拠が何ら存在しないことを先ず指摘しておかなければならない。

被請求人がドクタープログラム社以外の第三者には使用権を設定しないことの特約を規定し、本件商標についての独占的な使用の機会を担保しているところ、ドクタープログラム社が独占的通常使用権者であることは明らかである。

仮に、ドクタープログラム社が独占的通常使用権者として認められないとしても、通常使用権者であることは明らかであるから、本件商標「トリニティ」の使用権者としてその適格性を満たしているということができる。

よって、ドクタープログラム社が本件商標の使用権者として適格性を有しないという請求人の主張は不当であることは明らかである。

(2)請求人は、乙第1号証、乙第3号証及び乙第4号証に係る証拠方法の不備を指摘し、さらに本件商標「トリニティ」が使用された事実がないことを指摘して、本件商標が取り消されるべきとの主張を行なっている。

しかし、本件商標「トリニティ」の使用について、商標は商品等の出所識別標識であることから、その本質的使用は識別標識としての使用であるかどうかで判断されるべきである。

すなわち、使用権者のドクタープログラム社が長年の広告によって「トリニティ」(「TRINITY」)ブランドの浸透を図り、識別標識としての機能を獲得しつつ、その商品ラインーアップである「TRINITYLTNE」(「トリニティーライン」)において「トリニティ」の実質的な使用を継続するものである。

「トリニティ」の識別標識の獲得は、通常使用権の使用開始の2002年秋頃からスタートしている。乙第1号証には、スキンケア商品と不可分に「トリニティ」ブランドとしての理論、効果を告知しながら、浸透を図った事実が記載されており、その後のさらなるブランドの深化を図るべくドクタープログラム社の希望により、被読求人は同社の独占的な使用を約定した(乙2)。途中、広告誌は「TRINITYNOTE」と改名されているが、当該広告誌発行の目的は何ら変わっておらず、「トリニティ」(「TRINITY」)ブランドの浸透化とその不可分の商品ライン−アップの中心とされた「トリニティーライン」(「TRINITYLINE」)での識別標識としての本件商標の使用である。

なお、請求人は「TRINITYLINE」における「LINE」の識別力について言及しているが、上述のとおり、化粧品で一般に想起される「化粧品アイテムのライン−アップ」という識別性のない観念はもとより、「TRINITYLINE通信」や「TRINITYLINENOTE」として広告した実績がないことなどを加味すると、「LINE」に識別力が発揮されるということはできず、請求人の主張は不当である。

また一連称呼されるという主張に関しても、「TRINITY」に識別標識としての要部がある以上、不当である。

すなわち、独占的な商標権使用の約定のもと、会報誌等による広告の努力によって「TRINITY」ブランドの浸透化が図られ、取引者や会員等の需要者は、「TRINITYLINEはあのドクタープログラム社のTRINITYブランドのラインアップとしてのTRINITYLINEである」と想起するものであるから、「LINE」に識別性を有する特別な観念は生じ得ないということができる。

さらに請求人は、「TRINITYNOTE」の不可分性について付言するも、例えば、ドクタープログラム社は乙第3号証の第4頁の目次には「Trinity Line News」と意識して分断表示を行い、さらに第24頁においては、「TRINITY」と「NOTE」とを二段書きの表示をして「TRINITY」のブランドにおける商品ラインアップ紹介としての記載を行なっている。

ということは、単に広告誌の題号であるばかりでなく、その機能としては「TRINITY」ブランドの識別標識の浸透を広く図りつつ、ラインアップ商品において使用をするというドクタープログラム社の意思の表れであって、これを一体不可分性の「TRINITYLINE」あるいは「TRINITYNOTE」のみに限定して解釈する請求人の主張は認められないものである。

以上より、本件商標の使用について、請求人の乙第2号証ないし乙第4号証を用いた証拠方法が不備であり認められないとの被請求人の論理は不当である。

(3)考慮されるべき取引の実情

近年の特徴的な事業形態として通信販売があるが、当該事業では会員誌を発行してコアブランドの浸透化、周知化を図りつつ、そのカテゴリー下でライン−アップされた商品を会員に届ける手法は広く行なわれているところ、ブランドの浸透スピードは迅速で、浸透度合いも深いのが一般的である。

そのような手法により、コアブランドの識別標識が短期間に獲得され、維持されると、特に通販の会員(需要者)はその識別性のあるコアブランドに識別力のない文字が付加されたとしても、当該コアブランドを頼りに商品を買い求め続けるのが実情である。

したがって、本件商標「TRTNITY」のようにコアブランドが需要者に一旦浸透して認知度が高まった状況において、万が一「TRINITY」が取り消され、請求認容の審決が確定した後に、それが使用権者(ドクタープログラム社)以外の他人によって使用された場合、出所の混同が生じるのは明らかであり、使用権者の営む現在の通信販売事業に多大な混乱が生じるのは自明の理である。

このことは、需要者の保護をも目的とする商標法(第1条)の趣旨からしても著しく妥当性を欠くものといえる。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証及び乙第3号証について

ア 乙第1号証は、ドクタープログラム社発行の「トリニティー通信」であって、2002年秋の「Vol.1 創刊号」である。

そして、これは、化粧品に係る広告用の冊子と認められるところ、これには、「Trinty Line」、「TRINITY」、「トリニティー」の文字が「化粧品について使用されている。また、その1枚目には、「Autumn,2002」の記載がある。

イ 乙第3号証は、ドクタープログラム社発行の「TRINITYNOTE」であって、「2006年10月号」である。

そして、これも、化粧品に係る広告用の冊子と認められるところ、これには、「TRNITYLINE」及び「トリニティーライン」の文字が「化粧品について使用されている。また、その1枚目には、「10/2006」の記載がある。

(2)乙第2号証について

乙第2号証は、「商標の使用権設定契約書」の写しである。そして、これは、2006年11月30日付けの契約書であって、商標権者とドクタープログラム社との間における本商標権についての専用使用権に関するものであって、その「第1条(使用権の内容)」には、「5 甲は、乙が本商標権の使用態様として『TRINITY』および『トリニティー』と表記することについて、本商標権の権利を行使しないことを乙に約する。」の記載、及び「第2条(有効期間)」には、「1 本契約は、締結の日から10年間有効に存続する。・・・」の記載などがある。

(3)乙第4号証について

乙第4号証は、ドクタープログラム社発行の「TRINTYNOTE(Vol.37)」であって、2011年5月25日発行(最終頁)である。

そして、これも、化粧品に係る広告用の冊子と認められるところ、これには、「TRNITYLINE」及び「トリニティーライン」の文字が「化粧品について使用されている。

2 上記1で認定した事実よりすれば、次のように判断できる。

(1)乙第1号証及び乙第3号証について

「トリニティー通信(創刊号) 2002年 秋号」(乙1)及び「TRINITYNOTE 2006年10月号」(乙3)は、作成後直ちに商品の宣伝、広告のため頒布されたものと推認できるものであり、その発行ないし頒布は、本件審判の請求の登録日前3年以内(平成20(2008)年9月30日から平成23(2011)年9月29日)の要証期間より前に頒布されたものである。

そうすると、乙第1号証及び乙第3号証は、要証期間内に頒布されたことが確認できないから、本件商標を使用していた事実を証明するものとして採用できず、その使用を認めることはできない。

(2)乙第4号証における本件商標の使用について

ア 化粧品に係る広告用の冊子(乙4)に掲載されている「TRINITYLINE/INNER WHITE/LOTION」、「TRINITYLINE/GELCREAM PREMIUM」及び「TRINITYLINE/UV/WHITENING/UV MILK」などの各商品パッケージの表示において、「TRINITYLINE」以外の文字部分は、化粧品名やその品質などを表すものとして容易に認識できるものであり、これが附記的な部分として看取される場合も少なくないから、各化粧品に統一的に表示された「TRINITYLINE」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たしているものである。

また、「トリニティーライン」と称し、その片仮名についても各化粧品を表すものとして使用されていることが認められる。

そして、当該「TRINITYLINE」及び「トリニティーライン」の各表示は、それぞれ、同じ書体、同じ大きさで一連に書してなり、外観において構成文字全体をもって一体的に表現したものと看取されるものであって、これよりは「トリニティーライン」の一連の称呼が生じ、かつ、全体としては特定の意味合いが生じない造語商標というのが相当である。

また、その構成中語末の「LINE」又は「ライン」の文字部分が商標の要部でない附記的な部分として捨象されるような取引の事情も認められない。

イ なお、被請求人は、題号として使用されている「TRINTYNOTE」及び「トリニティーノート」の文字について、現在の「トリニティー」ブランドに係る商品ライン−ナップの浸透を図るための使用態様であり、そのメイン商品「TRINITYLINE(トリニティーライン)」の「TRINITY(トリニティー)」部分についての広告的使用に相当するものである旨述べている。

しかし、当該「TRINTYNOTE」及び「トリニティーノート」の表示が冊子題号として使用されているとしても、各表示は、それぞれ、同じ書体、同じ大きさで一連に書してなり、外観において構成文字全体をもって一体的に表現したものと看取されるものであって、被請求人が述べるような、「NOTE」は一般的な使用範囲での「情報、知識」という観念を生じるものであり、識別標識としての商標の使用はあくまでも「TRINITY」部分である旨の主張には、これを確証付けるような証拠は見当たらず、その主張は妥当でないというほかない。

そうすると、当該題号よりは「トリニティーノート」の一連の称呼が生じ、かつ、全体としては特定の意味合いが生じない造語というべきものである。

(3)本件商標と使用している商標について

本件商標は、前記のとおり「トリニティ」の片仮名よりなるところ、これよりは、「トリニティ」の称呼が生ずるものであり、また、広辞苑(甲第3号証)の見出し語「トリニティー【Trinity】」には、「三位一体」の意味が記載がされていることが認められるから、本件商標は「トリニティ」の称呼、及び見出し語とは長音記号の有無において相違するが、このような相違は、外来語を片仮名表記する上でのものであって、実質的には同一の外来語というのが相当であるから、「三位一体」との観念が生じるということができる。

そうすると、本件商標とドクタープログラム社が各化粧品に使用している商標「TRINITYLINE」及び「トリニティーライン」とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相違するものであって、両者は、別異の商標であり、社会通念上同一の商標と認めることはできない。その他、両者が社会通念上同一の商標と認めるべき事情は見出せない。

また、冊子の題号として使用されている「TRINTYNOTE」ないし「トリニティーノート」が当該化粧品に係る商標ということができるとしても、上記と同様に本件商標とは別異の商標というべきものであるから、両者を社会通念上同一の商標と認めることはできない。

3 まとめ

以上のとおり、乙第1号証ないし乙第4号証によって、たとえ、本件審判の請求の登録前3年以内において、「ドクタープログラム社」を当該商標権に係る独占的通常使用権者とみなし、かつ、「化粧品」について、商標「TRINITYLINE」及び「トリニティーライン」などについての使用事実があるとしても、その使用に係る商標が本件商標と同一若しくは社会通念上同一と認められない以上、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標がその使用権者により使用されていたということはできない。

したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者が本件商標をその指定商品について使用していることを証明したものとは認めることができないし、また、本件商標を使用していないことについて正当な理由があるものとも認められないから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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