Trademark Appeal Case
HYDROの品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−4042(T2011−4042/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「HYDRO」の文字を標準文字で表してなり、第3類に属する出願時の願書に記載のとおりの商品を指定商品として平成21年3月26日に登録出願され、その後、指定商品については、同23年12月27日受付けの手続補正書をもって、第3類「シェービングソープ,シェービング用発泡性化粧品,シェービングローション,シェービング用クリーム,シェービングムース,シェービングバーム,アフターシェーブ用剤,その他のひげそり用化粧品」と補正されたものである。
2 原審における拒絶の理由の要旨
(1)本願商標は、「水の」の意味で複合語をつくることで知られ、本願の指定商品との関係では、その商品が液状であることを直感させるほど液状の商品に多用されている「HYDRO」の文字よりなるから、これをその指定商品中液状の商品に使用しても、商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は、国際登録第970893号の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)原査定は、本願商標は上記(2)の拒絶の理由に該当する旨判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審において通知した審尋
当審において請求人に対して、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとして、平成23年10月24日付けで通知した審尋の内容は、別掲のとおりである。
4 審尋に対する請求人の意見
請求人は、上記3の審尋に対して、要旨次のように意見を述べている。
(1)審尋で示された使用例のうち、別記1ないし3の使用例は本願商標が自他商品識別標識としての機能を有しないものとする根拠にはなり得ないこと、「HYDRO」の文字(語)は保湿効果という商品の性質を暗示的に表現している可能性は否定できないが直接的に表現しているとは言えないこと、同文字は複数の意味合いが連想できるため該文字から連想できる意味合いは「保湿効果のある商品であること」には限定されないこと、及び「保湿効果のある商品」であることを表すものとして「保湿、しっとり、うるおい、moisture」等実際に頻繁に使用されている文字(語)が存在するので、流通過程又は取引過程に置く場合に何人も使用をする必要があるとはいえないことから、本願商標は自他商品識別標識としての機能を果たすものであり、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(2)本願商標は、仮に商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、商標法第3条第2項により登録が認められるべきである。
5 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり「HYDRO」の文字からなるものである。
そして、前記3の審尋のとおり、「HYDRO」の文字(語)は、本願指定商品を取り扱う業界において、商品の普通名称などの語と結合して「保湿効果のある商品」であることを表すものとして使用されていることからすれば、商品の品質を表示するものとして一般に使用され、認識されているというのが相当である。
そうすると、「HYDRO」の文字からなる本願商標は、これをその補正後の指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、該文字を「保湿効果のある商品」であることを表したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)請求人の意見について
請求人は、前記4のとおり、本願商標は自他商品識別標識としての機能を果たすものであり商標法第3条第1項第3号に該当しない旨、及び本願商標は仮に商標法第3条第1項第3号に該当するとしても商標法第3条第2項により登録が認められるべきである旨主張しているが、「HYDRO(ハイドロ)」の文字(語)は、審尋で示したとおり使用されている事実(別記1は除く。)があることからすれば、該文字(語)は、複数の意味合いを想起させるとしても、補正後の本願指定商品に係る取引者、需要者に「保湿効果のある商品」であること、すなわち商品の品質を表示するものとして一般に使用され、認識されているものであって、取引上何人もその使用を欲し独占適応性を欠くものと判断するのが相当である。
してみれば、前述のとおり、本願商標は自他商品識別標識としての機能を有しないものと判断するのが相当である。
また、請求人提出の証拠(証拠9ないし証拠13)及び同人の主張によっては、本願商標の使用の実績((シェービングジェル以外の実際に)使用している商品、補正後の指定商品についての使用開始時期、商品の売上高、広告宣伝の方法・回数など)が確認できず、また、審尋で示したとおり請求人以外の者によって「HYDRO(ハイドロ)」の文字(語)が商品の品質を表示するものとして使用されているから、本願商標は商標法第3条第2項に該当するものということはできない。
以上のとおりであるから、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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