結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300315(T2011−300315/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4190446号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成8年10月28日に登録出願、第29類「豆,乳製品,食用油脂,食用たんぱく」を指定商品として、同10年9月25日に設定登録、その後、同20年9月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成23年4月25日にされた。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証(本件商標に係る商標登録原簿の写し)を提出した。
本件商標は、その指定商品について、過去3年間、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。
よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第4号証を提出した。
被請求人は、平成6年6月に、そごう千葉店に北海道の一酪農家の製品を直接消費者に届けるという目的を掲げ、「ノースプレインファーム」という店名で、乳製品を主力とした産直ショップを出店した(平成18年4月そごう千葉店改装により閉店)。この出店に際し、酪農家と共同開発した牛乳と砂糖のみで作ったミルクソフトクリームが大変な人気を博した。
現在、該ミルクソフトクリームを始めとする乳製品は、下記の店舗において販売されている。
(1)溜屋飯田橋店(平成8年8月出店)
平成19年1月より、暦で末尾に「1」のつく日は、「溜屋デー」として、ミルクソフトクリームを100円で販売している。告知ポスターを乙第1号証として提出する。
(2)溜屋そごう千葉店(平成21年3月出店)
ミルクソフトクリームを始めとした乳製品等を販売している。出店に際して、そごう千葉店に提出した営業企画書の写しを乙第2号証として提出する。
(3)ノースプレインファームbyTAMARIYAそごう八王子店(平成13年11月出店)
ミルクスタンド形式の店舗で、ミルクソフトクリーム、牛乳、ヨーグルト等の乳製品を中心に販売している。店舗写真を乙第3号証として提出する。
なお、「溜屋」のロゴシールは、平成8年8月より使用を開始している(乙第4号証)。
以上のとおり、本件商標は、平成8年8月より現在に至るまで、ミルクソフトクリーム等の乳製品について使用されているものであるから、本件取消審判の請求は、理由がないものである。
被請求人の答弁及びその提出に係る証拠のみによっては、以下の理由により、本件審判の請求の登録前3年以内(平成20年4月25日から平成23年4月24日まで。以下「要証期間」という。)において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品のいずれかについて本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。
(1)乙第1号証の告知ポスターには、暦で末尾に「1」のつく日を「溜屋デー」として、ミルクソフトクリームを100円で販売している等の記載のあることは認められる。
しかしながら、該ポスターには本件商標の表示はなく、また、被請求人は、該ポスターを溜屋飯田橋店において平成19年1月より使用している旨主張しているが、乙第1号証にはその事実を認め得るに足る記載はなく、他にその事実を裏付ける証拠も提出されていない。
(2)乙第2号証は、被請求人が、平成21年3月の溜屋そごう千葉店の出店に際して、そごう千葉店に提出した営業企画書(写し)とのことであるが、営業企画書とは、新規プロジェクトなどの企画を提案・上申するためにわかりやすい文書の形式でまとめた書類のことであり、取引者・需要者に対する商品についての宣伝・広告の性質を有する書類ではなく、商品の製造・販売に伴う取引書類でもない。加えて、該営業企画書には作成年月日や印刷年月日の記載もない。
そうとすれば、該営業企画書中に本件商標と社会通念上同一と認められる商標やミルクソフトクリーム等の乳商品が記載されているとしても、商品についての広告や取引書類とはいえない営業企画書をもってしては、使用されていた事実を証明したものということはできない。
(3)乙第3号証は、被請求人の主張によれば、ノースプレインファームbyTAMARIYAそごう八王子店の店舗写真とのことであり、4枚構成の写真の左上部分に「039 八王子そごう」なる数字と文字がゴム版で押したかのように表示されているが、「039」が何を表しているのかは明らかではなく、写真自体からは、該店舗がノースプレインファームbyTAMARIYAそごう八王子店であることを確認し得る表示もなく、また、各写真の撮影年月日も写し込まれていないから、これらの写真が何時の時点において撮影されたものであるかが確認できない。
そうすると、会計カウンターの上段部分やカウンターの下段部分に本件商標と社会通念上同一と認められる商標(以下「使用商標」という。)が表示されており、メニューには各種の「ソフトクリーム」が表示され、かつ、商品陳列棚の中には牛乳などの商品が陳列されていることは認められるとしても、これらの商品を誰が、何時、何処で販売していたのかを確認することができない。
(4)乙第4号証によれば、1996年7月11日付けで、新英産業株式会社が株式会社三友フレッシュフーズへあてて、本件商標と社会社会通念上同一と認められる商標の構成からなるラベル3万枚等を納品していた事実が認められるとしても、該納品書は、本件審判についての要証期間内のものでないばかりでなく、仮に、該ラベルの枚数が3万枚であることから、その当時から今日まで引き続き使用されていたものであるとしても、乙第1号証ないし乙第3号証によるも、該ラベルがミルクソフトクリームや牛乳等の商品の容器等に貼付され、使用されていた状態を示す証拠は見当たらない。
そうとすれば、どのような状態で商品に使用されていたかを把握することのできない「ラベル」及びその納品書のみをもってしては、本件審判についての要証期間内に、本件商標がソフトクリーム等の乳製品に使用されていた事実を証明したものということはできない。
被請求人は、要証期間において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していたとして、新たに乙第1号証ないし乙第4号証(以下、回答書に添付の乙第1号証を「乙第5号証」と表示することとし、同様に、乙第2号証ないし乙第4号証を「乙第6号証」ないし「乙第8号証」と表示することとする。)を提出した。
(1)ノースプレインファームbyTAMARIYAそごう八王子店における3種類の営業許可書
営業の種類として、飲食店営業、アイスクリーム類製造業、乳類販売業をもち、それぞれの営業許可書を取得した意図として、飲食店営業は、牛乳、ヨーグルト、ソフトクリームを使用したパフェやフロートを販売するために取得。アイスクリーム類製造業は、ソフトクリームを販売するために取得。乳類販売業は、乳製品を販売するために取得。それぞれの営業許可書の効力は、平成20年12月1日から同26年1月30日までであり、要証期間に係るものである(乙第5号証)。
(2)溜屋そごう千葉店における3種類の営業許可書
それぞれの営業許可取得の意図は、上記(1)と同じであり、また、その有効期限は、平成21年3月2日から同27年3月31日までであり、要証期間に係るものである(乙第6号証)。
(3)ノースプレインファームbyTAMARIYAそごう八王子店においては、平成18年より毎年正月に福袋を販売しており、その中身に牛乳、ドリンクヨーグルト、ソフトクリームを含んでおり、また、その期間も要証期間に係るものである(乙第7号証)。
(4)ノースプレインファームbyTAMARIYAそごう八王子店の福袋の中身であるピュアミルクソフトクリーム無料券の有効期限が毎年12月31日であり、要証期間に係るものである(乙第8号証)。
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
乙第3号証は、被請求人の主張によれば、ノースプレインファームbyTAMARIYAそごう八王子店の店舗写真とのことであり、4枚の写真構成からなるものであって、左上部分に「039 八王子そごう」なる数字と文字がゴム版で押したかのように表示されている。そして、各写真をみれば、店舗の会計カウンターの上方の天井吊り下げ式の看板部分やカウンターの下段部分と思しきところに、別掲(2)の構成からなる使用商標が表示されており、商品陳列棚の中には、牛乳などの商品が陳列されていることが認められる。
乙第5号証の3葉目は、営業者氏名を商標権者とし、営業所の所在地を「(株)そごう八王子店地下1階」、営業の種類を「乳類販売業」、営業所の名称を「ノースプレインファームbyTAMARIYA」、本許可の効力を「平成20年12月1日から平成26年11月30日までとする」とする平成20年11月11日付けの八王子市保健所長による営業許可書である。
乙第7号証は、2009年、2010年及び2011年の「NORTH PLAIN FARM 溜屋の福袋」に係るポスターであり、福袋の中身として「おこっぺ牛乳」、「ドリンクヨーグルト」及び「ピュアミルクソフトクリーム無料券3枚」等の記載がある。
乙第8号証は、「North Plain Farm 八王子そごう店」発行のミルクソフトクリーム無料チケット(写し)であり、「有効期限2010.12.31」の記載がある。
(2)以上によれば、商標権者は、「平成20年12月1日から平成26年11月30日まで」の期間、(株)そごう八王子店地下1階に所在する「ノースプレインファームbyTAMARIYA」営業所における乳類販売業の許可を得ており、該営業所において2009年ないし2011年に福袋に入れた「牛乳,ヨーグルトドリンク」等を販売したといえ、また、該営業所の店舗には、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標の表示があり、また、福袋のポスターには「溜屋」の文字が表示されているものである。
そうすると、商標権者は、本件審判の請求の登録(平成23年4月25日)前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中の乳製品に含まれる「牛乳,ドリンクヨーグルト」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して商品の広告をしたといえる。
(3)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件審判の請求に係る指定商品中の「牛乳,ドリンクヨーグルト」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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