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Trademark Appeal Case

効能表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−1480(T2012−1480/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「レスベラトロールのちから」の文字を標準文字で表してなり、第29類、第30類及び第32類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として平成22年12月16日に登録出願され、その後、指定商品については、同23年7月4日付けの手続補正書をもって、第29類「赤ワインポリフェノール又はレスベラトロールを主原料とする固形状・液状・カプセル状・錠剤状・顆粒状・粉末状の加工食品」、第30類「レスベラトロールを含有した菓子及びパン,レスベラトロールを含有した茶,レスベラトロールを含有したコーヒー及びココア,レスベラトロールを含有した食酢,レスベラトロールを含有した角砂糖,レスベラトロールを含有した果糖,レスベラトロールを含有した氷砂糖,レスベラトロールを含有した砂糖,レスベラトロールを含有した麦芽糖,レスベラトロールを含有したはちみつ,レスベラトロールを含有したぶどう糖,レスベラトロールを含有した粉末あめ,レスベラトロールを含有した水あめ,レスベラトロールを含有した調味料,レスベラトロールを含有したアイスクリームのもと,レスベラトロールを含有したシャーベットのもと,レスベラトロールを含有した穀物の加工品」及び第32類「レスベラトロールを含有した清涼飲料,レスベラトロールを含有した乳清飲料,レスベラトロールを含有した果実飲料,レスベラトロールを含有した飲料用野菜ジュース」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、『レスベラトロールのちから』の文字を標準文字で表してなり、その構成中『レスベラトロール』の文字は、『抗酸化作用の働きをもつポリフェノールの一種』等の意味合いを表し、『ちから』の文字は『効能』等の意味合いを表すから、全体として『レスベラトロールの効能』程の意味合いを容易に認識されるものである。そして、本願に係る指定商品を取り扱う健康食品業界等においては、『レスベラトロール』が、抗酸化作用を有する成分として一般に知られているものであり、また、主原料名又は主成分名に『の力』、『のちから』の文字を付した『○○の力』、『○○のちから』の文字が、商品の品質、効能等を表すものとして、商品の宣伝・広告等に普通に使用されている。そうとすると、本願商標をその補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者に『レスベラトロールの効能を有する商品』程の意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質、効能を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、前記1のとおり「レスベラトロールのちから」の文字よりなるところ、その構成中「レスベラトロール」の文字は、別掲1のインターネット記事によれば、「『ポリフェノール』と呼ばれる抗酸化物質の一種」を意味するものである。また、「ちから」の文字は、「効能」等を意味する語(広辞苑第六版)である「力」を平仮名で表記したものと容易に認識させるものである。

ところで、本願の指定商品を含む食品を取り扱う業界においては、健康維持・増進等に効果があるとされる成分を原材料とする商品について、当該商品がその効果を有するものであることを表す表示として、その成分名と「ちから(「力」又は「チカラ」)」の語を組み合わせて「○○(成分名)のちから(「力」又は「チカラ」)」のように使用することが一般的に行われているところである。

一方、「レスベラトロール」は、活性酸素を除去する抗酸化作用があり、老化防止等の効果がある成分として加工食品等の原材料として使用され、また、サプリメントを取り扱う業界においても、「レスベラトロールのちから(力)」の文字が、「レスベラトロールの効能」程の意味合いで使用されており、その使用の実情は、例えば、別掲2のインターネットの記事からも裏付けられるものである。

そうとすれば、本願商標は、その指定商品との関係において、構成中の「レスベラトロール」の文字が「抗酸化物質の一種」を意味し商品の原材料を表すものであるから、構成全体として「抗酸化物質の一種であるレスベラトロールの効果を有する商品」であることを表示したものと認識させると判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして商品の原材料、効能、品質を表示したものと認識させるにすぎないものといわなければならない。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標は「レスベラトロールの効能」の如き意味合いを認識させる場合があるとしても、これが直ちに、特定の商品の品質等を直接的かつ具体的に表示したものとはいえないものである。すなわち、「レスベラトロール」なる物質は、未だ解明されていないことの多いものであり、その効能といっても定まったものはない。また、「レスベラトロールのちから」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして、取引上、一般に使用されている事実は発見できない。このような状況において、請求人が本願商標を指定商品について使用すれば、出願人の商品であることを表示する独自の標識としての機能を発揮することは明らかである旨主張している。

しかしながら、「レスベラトロール」は、前述のとおり、ポリフェノールの一種であり、サプリメントを取り扱う業界において、「活性酸素を除去する抗酸化作用があり、老化防止等の効果がある成分」として、一般に宣伝、広告されているものであることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、前述の「レスベラトロール」の有する機能・効能を有する商品であることを記述したものと理解・認識するというべきである。また、別掲2のとおり、「レスベラトロールのちから(力)」の文字が、サプリメントを取り扱う業界において、「レスベラトロールの効能」程の意味合いで使用されているものである。

イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張している。

しかしながら、商標が自他商品識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に個別具体的に判断されるべきものであるから、他の登録例の存在によって前記判断は何ら左右されるものではない。

したがって、請求人の主張は、何れも採用することができない。

(3)むすび

してみれば、本願商標は、これをその補正後の指定商品について使用するときは、商品の原材料、効能、品質を表示するにすぎないものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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