sokuhyo

Trademark Appeal Case

地域名と商品名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−338(T2012−338/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「赤城山麓そば」の文字を標準文字で表してなり、第30類「そば粉,そばのめん」、第31類「そば」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成22年11月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『赤城山麓そば』の文字を標準文字で書してなるところ、構成中の『赤城山麓』の文字は『群馬県前橋市北方の複式火山付近』を認識させる語である。そして、赤城山麓周辺では、そばが製造、販売され、数多くのそば店がある事情を伺い知ることができる。そうとすれば、これを本願指定商品及び指定役務に使用しても、全体として『赤城山麓周辺産のそば粉,赤城山麓周辺産のそば,赤城山麓周辺産のそばを主とする飲食物の提供』程の意味合いが容易に理解、認識されるから、単に商品の産地、販売地、品質、役務の提供の場所、質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品及び役務の品質及び質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「群馬県前橋市北方の複式火山」(広辞苑)である「赤城山」の山麓を理解、認識させる「赤城山麓」の文字と商品名を表す「そば」の文字とを一連に「赤城山麓そば」と書してなるものである。

そして、「赤城山麓」の文字が、「赤城山の山麓」を表す地域名として一般に使用され、また、食品を取り扱う業界においても、該文字が商品の産地を表すものとして使用されていることは、例えば別掲1及び2のとおりである。

さらに、例えば「群馬県・赤城山広域振興協議会」が設置しているウェブサイト「群馬県赤城山ポータルサイト」には、「群馬の蕎麦の名産地、赤城山麓」と題する記事、及び赤城山麓を横断する国道353号及び122号沿線の蕎麦屋を紹介したパンフレット(あかぎ・風ラインそば街道)が掲載され、地域全体で「赤城山麓で製造・販売されたそば」を観光資源として活用し、宣伝・広報していることが認められ、「赤城山麓」では、そばが生産、販売され、数多くのそば店が存在していることは、前審で示した使用例のほか、別掲3の新聞記事やインターネットの記事からも裏付けられるものである。

そうとすれば、「赤城山麓そば」の文字に接する取引者、需要者は、その構成文字全体からその商品及び役務が「赤城山麓で生産・製造されたそば粉・そば・そばのめん」または「赤城山麓で製造されたそばの提供」を表示したものと容易に認識するというのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者がこれを商品の産地、品質及び役務の質を表示したものと認識するにすぎないものといわなければならない。

(2)請求人の主張について

請求人は、「赤城山麓」という文字は、商品の産地、販売地等を直接的に表すものではなく、赤城山の周辺の業者が「赤城山麓」という文字を、各種商品の生産地又は販売地を表示するものとして実際に使用しているという事実は見当たらず、赤城山の周辺の業者等に対し「赤城山麓」という文字を産地表示、或いは販売地表示として自由に使用させる必要があると考えるべき合理的な理由が存在しているとは考えられないものであり、赤城山の周辺の業者が自ら取り扱う商品の産地或いは販売地を表示する方法として「赤城山麓産」というような表示を使用することがあるとは考えられない旨主張している。また、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張している。

しかしながら、商標が自他商品及び役務の識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品及び指定役務の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであり、判断時期や構成態様等が相違する登録例を本願商標の登録の適否の判断基準とすることは適切とはいえず、また、前記のとおり、「赤城山麓」の文字が食品を取り扱う業界において商品の産地を表すものとして使用されていること、及び「赤城山麓」において、そばが生産、販売され、数多くのそば店が存在していることなどの実情からすれば、「赤城山麓そば」の文字は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであって、特定人による独占使用を認めるのは妥当なものとはいえないというべきであるから、前記のとおり判断するのが相当である。したがって、請求人の主張は何れも採用することができない。

(3)むすび

してみれば、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中「赤城山麓で生産・製造されたそば粉・そば・そばのめん」又は「赤城山麓で製造されたそばの提供」について使用するときは、商品の産地、品質及び役務の質を表示するにすぎないものであるから、自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるをえず、また、上記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、その商品又は役務が「赤城山麓で生産・製造されたそば粉・そば・そばのめん」又は「赤城山麓で製造されたそばの提供」であるかのように商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。