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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第16号・第3条第1項第3号「Expertの識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:平成8年審判第8886号|請求不成立)

審判番号
平成8年審判第8886号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
Expertの識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成8年審判第8886号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「Expertの識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲の構成よりなり、平成3年10月16日に登録出願、その指定商品については、平成8年6月17日付け手続補正書により、第11類「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

登録異議の申立があった結果、原査定は、「電子応用機械器具に属するコンピュータシステムの分野にあっては、『科学、医学などの専門分野における、複雑で高度の問題の解決の手助けをするために、各分野の専門家がもつ専門知識である事象や手続き、あるいは発見的手法等を集積し、利用する計算機システム、すなわち、知識および推論の手続きによって、特定の領域の専門家のように高度な問題を解くことができるシステム」あるいは「知識やノウハウをコンピュータに組み込み、通常は人間の専門家が行う高度な業務を支援しようとするシステム』を『エキスパート・システム』あるいは『expert system』と称している事実があることは申立人の提出に係る証拠によって認められるところである。本願商標は別掲のとおり、やや字様を変えてなるとしても、容易に『専門家』を意味する『Expert』の英語よりなるものと理解されるものである。してみると、本願商標は、『専門家』の意を有する『Expert』の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、これをその指定商品中エキスパートシステムに関連する商品に使用するときは、単に商品の品質、機能あるいは用途を表示するにすぎず、前記コンピュータシステム以外のコンピュータシステムについて使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張の要旨

「エキスパートシステム」、「expert system」ではない単なる「Expert」が「エキスパートシステム」の品質表示にすぎないなどということはない。

「エキスパートシステム」を「エキスパート」と略した例はただの一例もなく、これを略する時は「ES」と略されている。

そして、この略し方は、コンピュータ業界の通例にしたがったものであり、将来においても「エキスパート」と略する事は考えられない。即ち、当業界において「エキスパート/Expert」は、現在も将来も単なる「専門家」の意を表す語であって、「エキスパートシステム」に関連した語として受けとめられることは絶対にないのである。

本願商標を構成する「Expert」の文字は特殊な毛筆体で書されており、客観的にみて商品の名前たる商標であり、品質表示語としての用い方ではない。

4 当審の判断

本願商標は、別掲の構成よりなるところ、毛筆タッチで表されてはいるものの、明らかに「Expert」の文字を表わしてなるものである。

そして、「専門家の知識をコンピュータのデータとして蓄積し、そのデータをもとに推論して専門的な問題の解決を図るシステム」を「エキスパートシステム(expert system)」といっていることは原審で説示したとおりであり、エキスパートシステムが近年、建設・不動産関係、為替・相場の予測、投資相談、医療関係、列車のダイヤ復旧等に導入されていて、広範囲に渡り導入されているものである。

また、登録異議申立人シャープ株式会社の提出に係る甲第6号証ないし甲第9号証をみると各社が多様な「エキスパートシステム構築用ソフトウェア」を販売していることも窺いしれる。

以上を総合すると、「Expert」を表してなる本願商標を、例えば、いわゆる「エキスパートシステム構築用ソフトウェアを記録した磁気ディスク」について使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、「エキスパート情報を搭載してあるもの」 あるいは「エキスパートシステム用のもの」という商品の機能、用途を表示したものと理解するに止まり、格別自他商品の識別標識とは把握し得ないものであり、商品の品質を表示するにすぎないものといわざるを得ず、前記商品を含むコンピュータシステム以外のコンピュータシステムについて使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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