1 本願商標
本願商標は、「AppCloud」の文字を表してなり、第35類「Online barter exchange services,namely,commercial barter and trade exchange of subscriptions to third party software applications.」及び第42類「Application service provider (ASP) featuring software for use in providing computer software application exchanges via a global computer information network.」を指定役務として、2009年(平成21年)12月7日に国際商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は『AppCloud』の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、構成中『App』、『Cloud』の文字は、それぞれ、『Application Program(アプリケーションプログラム)』、『Cloud Computing(クラウドコンピューティング)』を表す略語として、各種辞書に掲載されているものであって、本願指定役務の分野において、クラウドコンピューティングのためのアプリケーションプログラム(ソフトウェア)が提供されている事実がある。そうとすれば、これらを結合した本願商標は、『クラウドコンピューティングのためのアプリケーションプログラム』であることを理解させるにとどまり、これをその指定役務中、クラウドコンピューティングのためのアプリケーションプログラムに関係する役務に使用しても、単に役務の質(内容)を表示するにすぎず、上記役務のような本願商標に照応する役務以外の役務に使用した時は、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「AppCloud」の文字を表してなるところ、それぞれの各文字は、同じ書体、等間隔をもって、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
そして、その構成中の「App」の文字が、「Application Program(アプリケーションプログラム)」を意味する略語であり、また、「Cloud」の文字が、「Cloud Computing(クラウドコンピューティング)」を意味する略語であるとしても、これらの文字を結合した「AppCloud」の文字から、原審説示のような「クラウドコンピューティングのためのアプリケーションプログラム」の意味合いを直ちに認識させるとはいい難いものであり、また、本願商標がその指定役務との関係において、特定の役務の質等を直接的、かつ、具体的に表したものと理解、認識させるものともいえないものである。
さらに、当審において職権により調査するも、「AppCloud」の文字が、その指定役務の質等を表示するものとして、取引上普通一般に使用されている事実も見いだせなかった。
そうとすれば、本願商標は、全体をもって、特定の語義を有しない一種の造語と認識されるとみるのが相当であって、これをその指定役務に使用しても、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、かつ、何ら役務の質について誤認を生じさせるおそれもないものである。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。