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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2011−890104(T2011−890104/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5337021号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり「アミノリーゼ」の片仮名と「Aminorize」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成21年11月24日に登録出願、第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,歯磨き」を指定商品として、同22年5月21日に登録査定、同年7月9日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する商標は、以下の1ないし3のとおりであって、いずれも現に有効に存続しているものである。また、これらをまとめていうときは「引用各商標」という。

1 登録第2057991号商標(以下「引用商標1」という。)は、「リーゼ」の片仮名と「LIESE」の欧文字とを上下二段に書してなり、昭和60年1月28日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年6月24日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。そして、指定商品については、平成6年1月17日に一部放棄の登録がされ、さらに、同20年11月12日に第3類「シャンプー,頭髪用化粧品」を指定商品とする書換登録がされたものである。

2 引用登録第4811708号商標(以下「引用商標2」という。)は、「LIESE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年3月4日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同年10月22日に設定登録されたものである。

3 引用登録第5212745号商標(以下「引用商標3」という。)は、「Liese」の欧文字と「リーゼ」の片仮名とを上下二段に書してなり、平成20年6月5日に登録出願、第3類「せっけん類,薫料,化粧品,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同21年3月13日に設定登録されたものである。

第3 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第46号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 請求の理由

(1)引用各商標が指定商品について広く知られていることについて

請求人は、甲第12号証から明らかなように、「リーゼ」「Liese」を本件商標の出願以前からリーゼシリーズアイテムに使用し、継続して販売しており、今日まで主としてテレビ、雑誌の広告媒体を利用して広告宣伝に努めている。

その広告費は、2005年ないし2008年においては5億円前後、2009年には約4億円、2010年1月から8月は約3.3億円であり、この5年8月間で27億円強の広告費である(甲13ないし甲18)。

また、同期間に広告した雑誌名は「ar」「BAILA」「美的」「CanCam」「non・no」「with」「Oggi」「AneCan」及び「mina」等であって、その一回の発行部数(2009年7月ないし12月平均)は、多いときで49万部、少ないときで6〜7万部である(甲20)。

その結果、「リーゼ」は広く知られるようになり、その売上高は、2005年には47.5億円、2007年には56.4億円、2009年には54.1億円となっている(甲26)。

直近では、2010年3月8日付け新聞「ドラッグトピックス」のヒット商品賞に選定されたり(甲27)、雑誌「国際商業」(2010年6月1日発行、2010年6月号)では、アウトバスヘアケアのカテゴリにおいて、「トップは『ケープ』『リーゼ』『エッセンシャル』など売れ筋を多く擁する花王」、ヘアスタイリング剤・ヘアワックスのカテゴリにおいては、「リーゼの圧倒的地位は変っていない。」(甲28)などと紹介されたりしている(上記カテゴリは、請求書本文には、具体的記載がないが、証拠より推認記載)。

そして、「リーゼ」は、年に2回の調査会社による調査結果において、首都圏女性の70%前後が「リーゼ」を知っていると答えていることからもわかるように、本願商標出願前から登録査定時まで、使用商品(請求書本文には、具体的記載がないが、証拠より、ヘアケア関連商品と推認)において、需要者、取引者の間に広く知られていることは、明白である(甲30ないし甲44)。

(2)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標は、「網野」に通じる氏姓、又は「アミノ酸」に通じる化学用語である「アミノ」と、需要者の間に広く知られている商標と同一性を有する「リーゼ」とを結合してなるところ、一般に2つ以上の語の結合から構成される商標は、一連の称呼のみを生ずるのではなく、その結合度の弱い場合には、それぞれ一方の称呼も生ずるとされている(甲7)。

そうすると、「網野」又は「アミノ酸」に通ずる「アミノ」は、本件商標の指定商品との関係においては、識別力が薄く、「アミノ」と「リーゼ」の結合は非常に弱いものということができるから、本件商標からは「リーゼ」のみの称呼も生じる。

イ 本件商標と引用各商標との類否判断をするにあたっては、上述ほか、引用各商標が需要者の間に広く知られていることの格別な理由が存することを強調しておく。

してみると、指定商品との関係において、需要者の間に広く知られた引用各商標と同一性を有する文字及び称呼を含む本件商標は、「リーゼ」の称呼を生ずる引用各商標と称呼において類似の商標といわなければならない。

ウ 小括

本件商標は引用各商標に類似し、かつ、引用各商標の指定商品と同一又は類似であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号について

ア 広く知られている商標は、強い指標力を有するため、本件商標のように一部構成であったとしても、商標同士が類似の関係にないときでもそれ自身の強い出所表示力で独自の出所表示機能を果たし、すでに馴染み親しんでいると誤認する。

このようなとき、本件商標を付した引用各商標に係る指定商品と同一又は類似の商品が市場に提供されたら、需要者や取引者は、馴染み親しんでいる「リーゼ」の文字や「リーゼ」の称呼に注意が惹かれ、その商品は、請求人か請求人と何らかの関係にある者を出所とすると誤認・混同をするおそれがあり、このことは、これまでの審決例(甲45)によっても裏付けられている。

イ 小括

してみると、本件商標は、その指定商品に使用すると他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であることは明らかであるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

2 答弁に対する弁駁

(1) 商標法第4条第1項第11号について

ア 商標の類否判断について

被請求人は、最高裁昭和38年12月5日判決(昭和37年(オ)第953号審決取消請求事件(「リラ宝塚事件」)を引用して、「各構成部分がそれぞれ分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められないなど特段の理由がある場合を除いて、みだりに商標構成部分の一部を抽出して他の商標との類否を判断すべきではないとの判断基準、即ち商標の類否判断を全体観察に基づいて行うことの重要性が判示されている。」と述べるとともに、「全体観察に基づく類否判断が踏襲され、現在ではかかる全体観察(場合によってはさらに商品の取引の実情をも考慮した総合的考察)により商標類否の判断を行うことが基本的な判断基準となっていることは周知の事実である。」と述べている。

そのうえで、本件商標を「アミノ」と「リーゼ」に分離して捉える必然性は何ら存在しない・・・」と述べている。

確かに一般論としては、全体観察を基本とするが、被請求人の引用する上記最高裁判決が、「みだりに商標構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判定するがごときは許されない」と判示しているところ、「特段の理由」があれば、分離した部分と他の商標とを比較することは当然に許されているのであって、すべての商標において分離観察が否定されているわけではない。

イ 特段の理由について

「アミノリーゼ」は、いわゆる造語であるとしても、後半部の「リーゼ」は請求人の製造・販売に係る頭髪用化粧品等の商標として、取引者や需要者の間に広く知られており、当該部分が、請求人の「リーゼ」と比較される格別の理由が存し、この理が、被請求人の引用した最高裁判決にいう「みだりに」ではなく、また、被請求人の認めている「特段の理由がある場合」に相当する。

請求人は、「リーゼ」が取引者や需要者の間に広く知られていることは、充分に説明しており、また、取引者や需要者の間に広く知られた商標を含む商標の構成中、該部分と広く知られた商標とを比較して類否判断することの相当であることも提出した多数の証拠により疑う余地のないところである。

ウ 小括

してみると、既述した理により、本件商標は、請求人が、引用各商標を根拠として本件商標に係る指定商品と同一又は類似の商品に使用した結果、広く知られるようになった「リーゼ」を含むが故に引用商標に類似する商標であること明らかである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

ア 同号が適用される場合について

被請求人は、「本件商標は、これに接したときその全体が一体不可分のものとして把握され、認識されるとするのが相当かつ自然のものであって、仮名文字6字また欧文字全体9字の全体として特徴的かつ流麗な称呼及び外観を生み出すこととなっていることから、本件商標をその指定商品に付したとしても、本件商標から『リーゼ』の部分のみを分離して認識することは到底想起し得ず、商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないとすべきものであること明らかである。」と述べている。

しかしながら、本件商標が、請求人の業務に係る商品との間で出所の混同を生ずるおそれがあるとする請求人の主張は、本件商標が「リーゼ」の部分のみが分離されて観察されたり、請求人の商標と類似するからということによるのではない。

広く知られている商標は、強い指標力を有するため、本件商標のように商標の一部構成であったとしても、商標同士が類似であるときはもちろん類似の関係にないときでもそれ自身の強い出所表示力で、すでに馴染み親しんでいる部分が出所表示機能を果すものと誤認すると述べているのである。

換言すると、特に、本件商標を構成する「リーゼ」の部分は、請求人が引用各商標を根拠として化粧品に使用した結果、一般の需要者や取引者に広く知られている「リーゼ」と同一であるところから、「リーゼ」の文字を結合した本件商標は、一連に称呼され、看取されるものであったとしても、需要者や取引者は、請求人の使用に係る引用商標を基礎とする「リーゼ」に係る商品と誤認・混同するおそれがあると述べているのである。

商標法第4条第1項第15号は、互いに比較されるべき商標同士が同一又は類似ではなく、また、それらの商標が使用される商品同士が同一又は類似でない場合をも想定しての規定であるから、本件商標が「リーゼ」の部分のみを「分離して認識するようなことは想定」されている必要はないのである。

イ 小括

本件商標は、取引者や需要者に広く知られた「リーゼ」をその構成中に含み、先に提出の甲第45号証として提出した異議決定においてその登録を取り消された商品と同一又は類似の商品に使用するものであるが故に、商品についての出所の誤認、混同を生ずるおそれのある商標であること明らかである。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、引用各商標と称呼上類似し、互いの指定商品も同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するか、又は他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのある商標であるから、同第15号に該当するので、その登録は、同法第46条第1項第1号により無効とされるべきものである。

第4 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)商標の類否判断について

商標の類否判断については、全体観察(場合によってはさらに商品の取引の実状をも考慮した総合的考察)により商標類否の判断を行うことが基本的な判断基準となっていることは周知の事実である(昭和37年(オ)第953号審決取消請求事件、平成3年(行ツ)第103号審決取消請求事件、平成19年(行ヒ)第223号審決取消請求事件)。

(2)本件商標の場合について

かかる観点から本件商標を見たとき、本件商標は、片仮名及び欧文字をそれぞれ等間隔で横一列に整然と配してなるものであって、語の構成上、或いは外観上これを「アミノ」と「リーゼ」に分離して捉える必然性は何ら存しないだけでなく、その称呼においてもよどみなく一連に称呼でき、語感、語調上一体のものとして聴覚できるものであることから、その全体を一体不可分のものとして観察し、認識すべきものであることが明らかである。

そうであれば、本件商標からは「アミノリーゼ」の称呼のみが生ずるとするのが相当であり、さらに本件商標と引用各商標とはいずれも造語であって観念において同一でも類似のものでもなく、また外観において両者が相違することは明らかであるから、本件商標は引用各商標に類似しないものといわなければならない。

(3)小括

上述のとおり、本件商標は、これに接した取引者や需要者によって、その全体が一体不可分(一体的な構成)の一連の造語として把握・認識されるとするのが相当のものであり、外観、称呼及び観念のいずれからみても引用各商標とは類似しないことが明らかであるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について

(1)本件商標が一体不可分であることについて

上記のとおり、本件商標は、これに接したときその全体が一体不可分のものとして把握・認識されるものであって、「リーゼ」の部分にしても、「アミノ」と渾然一体となって、片仮名6字、また欧文字9字の全体として、称呼及び外観を生みだしていることから、本件商標をその指定商品に使用しても、本件商標から「リーゼ」の部分のみを分離して認識するようなことは到底想起し得ず、したがって、当該商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはない。

(2)引用各商標の周知性について

請求人は、引用各商標が本件商標の指定商品に関して周知のものになっていることを、多数の販売・広告書証を挙げて主張しているが、引用各商標の周知性の当否については、被請求人は不知であるし、又当否のいずれであるにせよ上記の結論が些かも変わるものでない。

そうであれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しないものである。

3 むすび

以上のとおり、本件商標は引用各商標と類似せず、またこれを指定商品に使用しても他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがないから、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当しない。

第5 当審の判断

1 請求人提出に係る各証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。(1)1998年7月請求人発行の「花王製品ニュース/8月」によれば、本件商標出願前から頭髪用化粧品の容器に「Liese」の欧文字が表示された各種の頭髪用化粧品が掲載され、その説明中、「リーゼ」の片仮名が使用されている(甲12)こと。

(2)「Liese」の欧文字が表示された頭髪用化粧品の広告費が2005年1月からの5年8月間で27億円強(甲13ないし甲18)であること。

(3)各種女性雑誌「MORE」2009年4月号、「ViVi」2009年6月号、「AneCan」2009年1月号及び2010年11月号のほか、「MORE」2009年10月号(順に甲21ないし甲25)によれば、他社製品と共に「Liese」の商標が単独で、若しくは、「Liese」の商標とともにその商品説明中に「リーゼ」の表示が記載された頭髪用化粧品が紹介されていること。

(4)2010年3月8日付け新聞「ドラッグトピックス」(甲27)、雑誌「国際商業」(2010年6月号)(甲28)、及び2010年9月6日付け新聞「日経MJ」(甲29)によれば、頭髪用化粧品として「Liese」及び「リーゼ」が紹介されていること。

(5)上記(2)の雑誌を含む「雑誌発行部数表」(甲20)及び調査期間による「調査報告」(甲30ないし甲44)によれば、当該「雑誌」の1回発行部数(2009年7月ないし12月)が、多いときで49万部、少ないときで6〜7万部であり、また、当該「調査報告」においては、首都圏女性の7割前後が「リーゼ」を知っていると回答していること。

2 以上の認定事実よりすれば、以下を認めることができる。

上記1を総合して判断すれば、請求人の頭髪用化粧品の容器には、「Liese」の欧文字の商標の使用が認められる(甲12においては、「リーゼ」の片仮名よりなる商標の使用も認められるが、そのほかの号証の容器には、「リーゼ」の片仮名の表記が確認できない。)とともに、請求人の業務に係る女性向けの各種頭髪用化粧品のシリーズ商標として使用された結果、少なくとも本件商標の出願時ないし登録査定時には、女性を主たる需要者として、その間においては広く認識されていたものと認めて差し支えない。

そして、「リーゼ」の片仮名は、「Liese」の欧文字に比して、かなり使用頻度が少なく、各種雑誌における請求人商品である頭髪用化粧品の説明として、或いは、新聞等における同商品の商標として使用されていることから、広く認識されている「Liese」の欧文字商標の片仮名表記として「Liese」程ではないが、それなりに広く認識されているものというのが相当である。

3 上記2を前提に以下、判断する。

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標は、上記第1及び別掲のとおり、「アミノリーゼ」の片仮名と「Aminorize」の欧文字とにより構成されてなるところ、該両文字は、それぞれが同書、同大、等間隔をもってまとまりよく表されており、また、これらの構成文字より生ずる「アミノリーゼ」の称呼は格別冗長なものではなく、一連によどみなく称呼し得るものである。

そして、構成中の「アミノ」及び「Amino」の文字が、たとえ、氏姓としての「網野」又は化学用語としての「アミノ酸」の語に通じ、これらを想起する場合があるとしても、片仮名及び欧文字のそれぞれが同書、同大、等間隔をもってまとまりよく表されている本件商標の構成においては、特定の意味合いや商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものではなく、かつ「アミノ」と「リーゼ」、また「Amino」と「rize」の各文字間には格別な主従・軽重の差があるともいい難いものであるから、その構成全体をもって一体不可分の造語商標として認識し把握されるとみるのが自然である。

また、たとえ「Liese」の欧文字商標、及び「リーゼ」の片仮名の表記が上記2のとおり、請求人の業務に係る女性向けの各種頭髪用化粧品のシリーズ商標として広く認識されているとしても、本件商標の欧文字の後半部分「rize」とは、その綴りを大きく異にしているものであって、需要者においては、特に請求人の頭髪用化粧品に係る商標「Liese」として広く認識されているが故に本件商標の欧文字部分の後半部である「rize」との相違を容易に認識し得るものである。

したがって、本件商標の欧文字の後半部の「rize」を殊更に分離・抽出すべき特段の事情とすることはできない。その他、その構成中の「リーゼ」及び「rize」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「アミノリーゼ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、特定の観念を生じないものである。

イ 他方、引用各商標の構成は前記第2のとおりであり、引用商標1は、「リーゼ」の片仮名と「LIESE」の欧文字よりなり、引用商標2は、「LIESE」の欧文字よりなり、引用商標3は、「Liese」の欧文字と「リーゼ」の片仮名よりなるものである。

そして、これらの各文字は、いずれも特定の意味合いを有しない造語である。

そうすると、引用各商標は、いずれも、「リーゼ」、「LIESE」又は「Liese」の各文字をその構成文字とするものであるから、該構成文字に相応して「リーゼ」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を生じないものである。

ウ そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、外観においては、本件商標の欧文字部語末の「rize」と、引用各商標の「LIESE」又は「Liese」の欧文字部分との綴りの相違のみならず、両商標は、「アミノ」及び「Amino」の有無により全体の外観においては明らかな差異を有し、また、称呼においても、本件商標より生ずる「アミノリーゼ」の称呼と引用各商標より生ずる「リーゼ」の称呼とは、「アミノ」の音の有無により、その音構成、構成音数において著しい差異が認められるものであるから、本件商標と引用各商標とは称呼上相紛れるおそれはないものである。

そして、本件商標と引用各商標とは、共に特定の意味合いが生じない造語と認められるものであるから、両者の観念については比較すべくもないものである。

してみれば、本件商標は、引用各商標と外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れることのない十分に区別し得る非類似の商標といわなければならない。ほかに両者がその出所について紛れ得るとする事由は見出せない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

ア 本件商標と上記2で認定した請求人に係る女性向けの各種頭髪用化粧品の商標「Liese」及び「リーゼ」とは、その称呼、外観及び観念のいずれよりしても判然と区別し得る非類似の別異の商標であり、また、本件商標は、その構成中の「リーゼ」及び「rize」の文字部分のみが独立して認識されるべき事情もなく、ほかに両者がその出所について紛れ得るとする事情が見出せない別異の商標と判断されるべきものであることは、上記(1)の認定のとおりである。

イ そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、この種商品の需要者一般の注意力等取引の実情に照らし、商標「Liese」及び「リーゼ」が本件商標の出願時ないしその登録査定時には請求人に係る女性向けの各種頭髪用化粧品の商標として、その需要者間において広く認識されていたことを考慮しても、これに接する需要者、取引者が直ちに請求人に係る商標「Liese」及び「リーゼ」を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が請求人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではないといわなければならない。

4 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではなく、その登録は同法第46条第1項第1号により無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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