結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300601(T2011−300601/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4651003号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成14年7月11日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同15年3月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成23年7月26日にされた。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
請求人の調査によれば、本件商標は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上日本国内において、使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、本件商標「RECOVER」を商標法上の商標として使用しておらず、また、本件商標を指定商品「清涼飲料」に関して使用していない。
(1)「商標としての使用」について
被請求人は、通常使用権者である味の素株式会社が、商品に関する広告に本件標章を付して展示し、若しくは頒布することを通じ、本件商標を使用していると主張し、乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。
しかしながら、下記に詳述するとおり、「RECOVER」の文字は、商標法上の商標として使用されているものではない。したがって、商標法第50条における「商標の使用」を立証していない。
ア 商標法上、「商標の使用」とは、通常「商品との関係において直接又は間接的に商標をその機能を発揮する状態におく行為」とされ(甲第1号証)、商標法第50条における「商標の使用」に該当するか否かは「商標の機能(出所表示機能等)を発揮する状態で使用されているか」を基準に判断すべきものである(甲第2号証)。
かかる基準に鑑み、通常使用権者の「RECOVER」の使用が、商標法上の「商標の使用」に該当するか否かを下記のとおり検討する。
イ 第1に、本件商品には「amino vital/アミノバイタル」という商標が用いられており、これが被請求人に係る商品の出所を識別する標識として使用されている。その使用態様から、「RECOVER」の文字は、「amino vital/アミノバイタル」とは別個独立した出所表示としての機能を果たしてはいない。
ウ 第2に、「RECOVER」の文字は、「forRECOVER」として一体的に使用されており、「回復系のサプリメント」を示す表示として使われていることが明らかである。してみれば、「RECOVER」の語は、出所表示機能等を発揮する状態で使用されているものとはいえず、商標法上の「商標の使用」には該当しない。
エ 第3に、サプリメント(栄養補助食品)は、通常、目的別(例えば、エネルギー補給用、ビタミン補給用、ダイエット用、疲労回復用など)に商品が作られ、その商品の種類がすぐに分かるように商品の前面に大きくそのサプリメントの種類を表記するのが一般的である。してみれば、本件商標「amino vital/アミノバイタル」の下部に表記された「forRECOVER/フォーリカバー」の文字は、まさにサプリメントの種類(回復系サプリメント)を表しているにすぎず、出所表示機能等を発揮する状態で使用されているものではない。したがって、商標法上の「商標の使用」には該当しない。
なお、被請求人提出に係る乙第2号証が示すとおり、本件サプリメントと同じ種類の商品(アミノバイタルゼリードリンクシリーズ)に、「forENERGY/フォーエネルギー」、「forDIET/フォーダイエット」などの記述がなされている。これらの表記は、明らかに「商品の種類を表す記述」であることに鑑みれば、「forRECOVER/フォーリカバー」が、単にサプリメントの種類を表す態様で用いられ、商標として使用されていないことは明らかである。
オ 本件商品のようなサプリメントは、通常、商品の裏面に、その商品の商標を表記するのが一般的である。
被請求人提出に係る乙第4号証に鑑みると、通常、商標が表記される商品の裏側の個所に「アミノバイタル ゼリー ボディリフレッシュ」の記載がある。かかる記載に鑑みれば、通常使用権者(味の素株式会社)自身、本件商品に係る商標は「アミノバイタル ゼリー ボディリフレッシュ」(ないし「アミノバイタル」)であると考えており、「RECOVER/リカバー」の文字を商標法上の商標として使用しているとは考えられない。このことは、乙第2号証のカタログに「RECOVER」の文字が商品名を表すものとして表示されていないことからも明らかであり、さらに、需要者も同様の認識をするはずである。
カ 本件商品には、クエン酸が配合されており、このクエン酸はまさに「回復系サプリメント」に使われる成分である。してみれば、本件商標中の「forRECOVER」が「回復系のサプリメント」であることを示す表示として使用されていることは明らかであり、出所表示機能等を発揮する状態で使用されているとはいえない。
キ この点に関し、判決例(甲第3号証ないし甲第5号証)においても、商標としての機能を発揮しない状態における使用は商標としての使用ではないと判断している。
これらの判決例の趣旨に鑑みれば、「RECOVER」の語は、商標としての機能を発揮しない状態における使用であり、商標法上の商標としての使用ではない。
ク なお、被請求人は、答弁書において、「『RECOVER』が『for』に比べて明らかに大きく目立つ態様で表されていることから、需要者の注意を惹くのは『RECOVER』の部分である」こと、「一つの商品に複数の商標が使用されることはごく普通のことである」こと、「RECOVERの文字が品質表示として普通に用いられているという業界・取引実情が存在しない」ことなどを理由に、「使用商品の商標として機能する」と主張している。
しかしながら、「RECOVER」が「for」に比べて大きな態様で表されているとしても、本件では「forRECOVER/フォーリカバー」といった態様で一体的に表記され、商標としての機能を発揮しない状態で使用されている。よって、商標法上の商標として使用しているとはいえない。
また、仮に「一つの商品に複数の商標が使用されることはごく普通のことである」としても、かかる事実のみをもって、本件において「RECOVERが自他商品役務を識別する標識(商標の機能を発揮する態様)として使用されている」ことを立証することはできない。
さらに、「RECOVERの文字が品質表示として普通に用いられているという業界・取引実情が存在しない」という事実と、「RECOVERが自他商品役務を識別する標識(商標の機能を発揮する態様)として使用されている」こととは直接的に関係がない。
ケ したがって、上記のとおり、「RECOVER」の文字は商標法上の商標として使用されているものではなく、被請求人は、商標法第50条における「商標の使用」を立証していない。
(2)指定商品「清涼飲料」についての使用
被請求人は、通常使用権者は、本件商標を「清涼飲料」に使用していると主張する。
この点に関し、被請求人は、商品パッケージの裏側(乙第4号証)に、「清涼飲料水(ゼリー飲料)」との記載があることをもって、本件商品が第32類「清涼飲料」に該当すると主張していると思料される。
しかしながら、そもそも「商品パッケージの記載」と、「商標法上の商品分類」は異なる概念であり、商品パッケージの記載のみをもって、商標法上の商品分類を決定することはできない。商品の分類は、商品の本質的な内容(例えば、原材料、流通経路、生産者、販売人)などを総合勘案して決定すべきものである。
してみれば、下記の理由により、本件商品はむしろ「アミノ酸を主成分とするゼリー状・液体状の加工食品」(第29類)であり、「清涼飲料」(第32類)ではない。
すなわち、第29類に属する「アミノ酸を主成分とするゼリー状・液体状の加工食品」は栄養を補給する「サプリメント」として製造・販売される商品と考えられている。一方、第32類に属する「清涼飲料」は、味や香り、炭酸効果のある飲料水として製造・販売される商品と考えられている(「アミノ酸を含有した清涼飲料」(第32類)なども存在するが、これらの商品は「栄養(アミノ酸)補給」を主たる目的にした商品ではなく、清涼感を求めて飲むことを主たる目的とした商品であると解される。)。
上記の「アミノ酸を主成分とするゼリー状・液体状の加工食品」(第29類)と「清涼飲料」(第32類)の商品概念に鑑みて、本件商品(アミノバイタル)の属性を検討するに、本件商品は、まさに「栄養を補給するサプリメント」である。すなわち、味の素株式会社の「アミノバイタル」は、医療領域でも使われていたアミノ酸を使って、アスリートの「栄養補給用」に開発された商品であり(甲第6号証)、まさに「栄養を補給するサプリメント」である。すなわち、本件商品(アミノバイタル)は、商標法でいうところの「アミノ酸を主成分とするゼリー状・液体状の加工食品」(第29類)であり、単なる「清涼飲料」ではない(実際に、多くの「amino vital」登録商標(登録第4339802号商標など)(甲第7号証)が、「アミノ酸を主成分とするゼリー状・液体状等の加工食品」(第29類)などを指定商品として登録されている。)。
以上のとおり、被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第4号証よっては、本件商標が商品「清涼飲料」について使用されていたことを立証していない。
以上のとおり、被請求人に係る通常使用権者は、商品との関係において商標がその機能を発揮する状態で本件商標を使用しておらず、商標法上の「商標としての使用」をしていない。また、本件商標は、「アミノ酸を主成分とするゼリー状等の加工食品」等(第29類)に使用するものであり、「清涼飲料」(第32類)に関して使用するものではない。したがって、被請求人提出に係る乙第1号証ないし乙第4号証のいずれにおいても本件商標が請求に係る指定商品について審判の請求の登録前3年の間に使用されたことを立証しておらず、被請求人は、立証責任を果たしていない。
よって、本件商標については、その登録を取り消すべきものである。
被請求人は、「審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
被請求人である日清食品ホールディングス株式会社が所有する本件商標の商標権に係る通常使用権者である味の素株式会社は、本件商標をその指定商品中の「清涼飲料」について、本件審判の請求の登録日である2011年7月26日より前3年以内に現実に使用している(乙第1号証ないし乙第4号証)。
(1)通常使用権の許諾
被請求人は、味の素株式会社との間で、日本国内における本件商品に係る本件商標の使用を許諾することを内容とする商標使用許諾契約(乙第1号証)を2008年12月18日に締結した。同契約は、第6条に規定されるとおり、少なくとも2010年3月31日まで有効である。
(2)標章「RECOVER」(以下「使用標章」という。)の使用
通常使用権者は、2009年7月頃に使用標章を付した商品「ゼリードリンク」(以下「使用商品」という。)の写真を掲載した商品カタログ(乙第2号証)を作成し、配布した(カタログの表紙の表示「2009.7」及び「’09 AUTUMUN」は、このカタログが、2009年7月頃に作成され、同年秋季に配布されたことを示している。)。通常使用権者のかかる行為は、商品に関する広告に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)に当たり、使用商品についての使用標章の「使用」に該当する(同項柱書き)。
また、通常使用権者は、2010年1月頃に使用標章を付した使用商品の写真を自らのウェブサイト(http://www.aminovital.com/products/jelly.html、乙第3号証)に掲載し、同ウェブサイトから当該商品の購入が可能な状態にしていた(ウェブサイトの打ち出しの右下の日付は、ウェブサイトが2010年1月18日に打ち出されたことを示している。また、ウェブサイト中の商品写真の右側の「購入」部分をクリックすることによって、インターネット上で商品の注文・購入が可能となっている。)。通常使用権者のかかる行為は、商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為(商標法第2条第3項第8号)に当たり、使用商品についての使用標章の「使用」に該当する(同項柱書き)。
(3)使用標章と本件商標の同一性及び使用商品と本件商品の同一性
使用標章は、ローマ字「RECOVER」を白色ゴシック体で書してなる標章であり、本件商標は、ローマ字「RECOVER」と片仮名「リカバー」をゴシック体で二段に併記してなる商標である。ここで、特許庁の審判便覧において、「登録商標が二段併記等の構成からなる場合であって、上段及び下段等の各部が観念を同一とするときに、その一方の使用」は、「その他の登録商標と社会通念上同一と認められる商標」(商標法第50条第1項括弧書き)の使用に当たる旨記載されている。本件において、本件商標中の「リカバー」は「RECOVER」の音を片仮名で表したものであり、両者は一対一の対応関係にあり、いずれも「取り戻す、回復する」等の意味合いを有するものである。よって、使用標章「RECOVER」は、本件商標「RECOVER/リカバー」と社会通念上同一と認められる商標に該当する。
なお、使用商品において、使用標章「RECOVER」の前には、「for」の文字が付加されているが、「for」がローマ字小文字で表されているのに対し、「RECOVER」はローマ字大文字で表されており、かつ、「RECOVER」が「for」に比べて明らかに大きく目立つ態様で表されていることから、需要者の注意を惹くのは、「RECOVER」の部分であるといえる。また、主たる商標と従たる商標等、一つの商品に複数の商標が使用されることはごく普通のことであり(取消2005−31045審決参照)、使用商品における「amino/VITAL」の文字と使用標章「RECOVER」とは、前者が後者よりも若干大きく表されてはいるものの、いずれも使用商品において目立つ表示であることから、共に、使用商品の商標たり得るものである。さらに、通常使用権者が認識する限りにおいて、使用商品との関係において、「RECOVER」の文字が品質表示として普通に用いられているという業界・取引実情も存在しない。以上より、使用標章は、使用商品の商標として機能するものであるといえる。
請求人は、商品パッケージの裏側に「アミノバイタル ゼリー ボディリフレッシュ」との記載があることを理由に、通常使用権者は、本件商品に係る商標は「アミノバイタル ゼリー ボディリフレッシュ」(又は「アミノバイタル」)であると考えており、使用標章を商標法上の商標として使用していない旨主張しているが、現に、使用標章を商標法上の商標として使用する意図があったからこそ、通常使用権者は、被請求人より本件商標に係る使用許諾を受けたという背景がある。また、そもそも、商標を使用する者の意図とその商標が出所表示機能等を発揮するか否かとは、必ずしも直結するものではなく、重要なのは、あくまで需要者がその商標をどのように認識するかである。本件の場合、使用商品において、「amino/VITAL」、使用標章及び「アミノバイタル ゼリー ボディリフレッシュ」の3つの表示のいずれもが出所表示機能等を発揮し、商標法上の商標として併存している。
他方、商品についてみるに、使用商品「ゼリードリンク」は、商品パッケージの裏側(乙第4号証)に表示されているとおり、分岐鎖アミノ酸(BCAA)を配合した「清涼飲料水(ゼリー)」であり、「ゼリー状の清涼飲料」(第32類、類似群コード29C01。IPDL特許電子図書館の商品・役務名リストに記載。)に該当するものである。よって、使用商品が本件商品に包含されるものであることは、明らかである。
(4)小括
以上より、通常使用権者がカタログを配布する上記行為及び使用商品をウェブサイトに掲載する上記行為は、要証期間内(2008年7月26日から2011年7月25日までの間)において、本件商品に関する広告に本件商標を付して展示し、若しくは頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)及び本件商品に関する広告を内容とする情報に本件商標を付して電磁的方法により提供する行為(同)に当たり、要証期間内における本件商品についての本件商標の使用に該当する(商標法第2条第3項柱書き)。
以上のとおり、本件商標は、通常使用権者により、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商品について現実に使用されていたものであり、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。
(1)商標の使用許諾契約書(乙第1号証)について
乙第1号証は、2008年12月18日付けの被請求人「日清食品ホールディングス株式会社」と「味の素株式会社」との間で取り交わされた商標使用許諾契約書であるところ、この契約書には、「日清食品ホールディングス株式会社(以下「甲」という。)と味の素株式会社(以下「乙」という。)とは、甲の所有する商標(以下「本商標」という。)を乙に使用許諾することにつき、次の通り契約を締結する。」の記載、その下に「第1条(使用許諾)/(1)本商標:「RECOVER/リカバー」/登録番号:第4651003号」、/(2)許諾の範囲/使用商品:清涼飲料(ゼリー飲料を含む)/地域:日本国」、「第6条(有効期間)/本契約の有効期間は、本契約締結の日から2010年3月31日までとする。・・・」と記載されている。
(2)商品カタログ(乙第2号証)について
乙第2号証は、「味の素株式会社」の商品カタログであるところ、表紙の下部に「’09 /味の素KK 健康アミノ酸プロジェクト/AUTUMN 商品のご案内」、右下角部に「2009.7」の各記載がなされている。
また、この商品カタログの3枚目中央の「アミノバイタル ゼリードリンクシリーズ」(「アミノバイタル」の文字の語尾の右斜め下に極めて小さく○内に「R」の登録商標である旨の表示がなされている。)の見出しの下、上部に突起状の飲み口を設けてなる袋状の商品(4種)の写真が掲載されており、そのうちの右端の商品(以下「本件使用商品」という。)の表面部分において、左上方に「AJINOMOTO」の文字、そして、中央部にかけて「amino」、「VITAL」、「アミノバイタル ゼリー」、「1500」、「ボディリフレッシュ」、「forRECOVER」、「フォーリカバー」の各文字が表示されており、本件使用商品の下方には、該商品の説明として、「ボディリフレッシュ」の見出しの下、「カラダを元気に保つために必須な栄養素・エネルギー源となる分岐鎖アミノ酸(BCAA)を配合したゼリードリンク。」と記載されている。
さらに、この商品カタログの6枚目左下角部の「ボディリフレッシュ 180g/6×5中箱(30袋/ケース)」の記載、その下にバーコード表示、その右横に本件使用商品の写真が掲載されている。
(3)「味の素株式会社」のウェブサイト(乙第3号証)について
乙第3号証は、「味の素株式会社」の2010/01/18付け打出しのウェブサイト(http://www.aminovital.com/products/jelly.html)の写しであるところ、中央部分に上記商品カタログに掲載されている本件使用商品の写真が上記(2)と同様の商品説明とともに掲載されている。
(4)本件使用商品の現物写真(乙第4号証)について
乙第4号証は、本件使用商品の現物写真4葉で、1枚目の下段の写真は、商品の裏面部分で、その中央部分に「●品名:清涼飲料水(ゼリー飲料)●原材料名:エリスリトール、ショ糖、レモン果汁、寒天、・・・」と記載されている。
また、2枚目は、上記商品の裏面部分の拡大写真2葉で、下段部に「●カラダを元気に保つ上で必須な栄養素・エネルギー源となる分岐鎖アミノ酸(BCAA)を配合したゼリードリンク。/●もうひと頑張りしたいときのクエン酸配合。/●さわやかなレモン味。」と記載されている。
(5)被請求人の通常使用権者以外の販売者の販売に係る、本件使用商品と同様の商品の写真(乙第6号証)について
乙第6号証は、上部に突起状の飲み口を設けてなる袋状の商品の裏面部分の現物写真3葉で、左上の写真は、その中央部分に「●品名清涼飲料水(ゼリー飲料)●原材料名マルトデキストリン、砂糖、バナナ果汁、脱脂粉乳、発酵乳、寒天、・・・●販売者コカ・コーラカスタマーマーケティング(株)・・・」と記載されている。同じく、右上の写真は、その中央部分に「●名称:清涼飲料水(ゼリー飲料)●原材料名:異性化液糖、寒天、ローヤルゼリー、クエン酸、・・・●販売者:株式会社明治・・・」と記載されている。同じく、左下の写真は、その下方部分に「●名称:清涼飲料水(ゼリー飲料)●原材料名:マルトデキストリン、果糖ぶどう糖液糖、マスカット果汁、・・・●製造者:森永製菓株式会社・・・」と記載されている。
(1)本件商標に係る通常使用権者について
上記1(1)の商標の使用許諾契約書(乙第1号証)によれば、被請求人「日清食品ホールディングス株式会社」と「味の素株式会社」との間において、本件商標(登録第4651003号商標)の通常使用権を2008年(平成20年)12月18日より2010年(平成22年)3月31日まで許諾する旨の契約がなされており、「味の素株式会社」が本件商標に係る通常使用権者であると認められる。
(2)本件使用商品が本件商標の指定商品中の「清涼飲料」に属するものか否かについて
ア 本件使用商品は、乙第4号証によれば、「品名:清涼飲料水(ゼリー飲料)」、「原材料名:エリスリトール、ショ糖、レモン果汁、寒天、・・・」と記載されているものである。
イ 一般に、「清涼飲料」は、「喉の渇きをいやし、清涼感をおぼえさせる非アルコール性飲料の総称。清涼飲料水。」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)を意味するものであり、食品衛生法の関連では、同法が昭和32年に改正された際のその施行のための通達(昭和32年9月18日厚発衛第413号の2)の第3の一(2)において、「清涼飲料水」について、「乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料をいうものであること。従って、酸味を有しない飲料水、主として児童を対象として製造されコルク等で簡単に栓を施した飲料水(例えばニッケ水、ハッカ水等)、トマトジュース、摂取時に希釈、融解等により飲み物として摂取することを目的としたもの(例えば、濃厚ジュース、凍結ジュース等)(ただし、粉末ジュースを除く。)もすべて含まれるものであること。」とされている。
そして、商標法施行令第1条の規定による商品及び役務の区分に属する商品又は役務を掲示している同法施行規則別表の第32類中の「一 清涼飲料」には「アイソトニック飲料 ガラナ飲料 鉱泉水 コーヒーシロップ コーラ飲料 サイダー シャーベット水 シロップ ジンジャーエール 清涼飲料のもと 炭酸水 ラムネ レモン水 レモンスカッシュ」の各商品が例示されている。
ウ 以上及び乙各号証によれば、本件使用商品が「品名:清涼飲料水(ゼリー飲料)」との表示で販売されているものであり、「ゼリー飲料」と称されている該商品は、本件商標の指定商品中の「清涼飲料」に属する商品とみることを否定する理由はないといえる。
(3)通常使用権者の使用する標章と本件商標との社会通念上の同一性について
通常使用権者の使用する標章は、本件使用商品の表面部分において、「amino」、「VITAL」、「1500」等の文字の下方に「forRECOVER」及び「フォーリカバー」と表示されている(乙第2号証及び乙第3号証)。
そして、「forRECOVER」の文字部分の「RECOVER」の文字部分は、「for」の文字部分の縦横の長さにしてそれぞれ2倍程度の大きさで表示されているが、その右横の「フォーリカバー」の文字部分は、同じ大きさ、同じ書体、等間隔で表示されているものである。
しかして、「forRECOVER」の文字部分は、その構成文字において大小はあるとしても、一連に横書きされているものであり、「for」及び「RECOVER」並びに「フォー」及び「リカバー」の各文字も、それぞれ「〜のため、〜用」及び「回復する、取り戻す」の意味を有する平易な英語又は外来語として一般に知られているといえるものである。
してみれば、「forRECOVER」及び「フォーリカバー」の表記部分は、これに接する者をして、その構成全体をもって「回復用の、回復のため」程の意味を記述的に表記したものとして看取、把握されるものというべきであり、これに、本件商標の指定商品との関係及び本件使用商品の表面部分の表記全体との関係を総合すると、上記「forRECOVER」及び「フォーリカバー」の表記は、商品の種類、用途が「体力を回復するための商品」であることを表す記述的表記といわざるを得ないものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、これをもって、商標としての使用がされているとはいえないというべきである。
なお、「forRECOVER」及び「フォーリカバー」の表記については、上記のとおり、商標の使用とは認められないことから、該表記から、自他商品識別標識としての称呼及び観念を生じることはないといえるものの、仮に自他商品識別標識として機能し得るとしても、該表記は、その構成全体をもって「フォーリカバー」と発音され、「回復用の、回復のため」程の意味を表す一連一体のものとして看取、把握されるものであるから、該表記と本件商標とは、その構成に係る文字、読み及び意味において、少なからず相違するものであって、社会通念に照らしても、同一のものとして認識されることはないというべきである。
以上のとおり、通常使用権者が本件使用商品に使用する標章は、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものであって、商標の使用といえるものではないから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標の指定商品について本件商標の使用をしていたことを証明したとはいえないものであり、また、使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。