Trademark Appeal Case
情報提供役務の類似判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−20317(T2011−20317/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「エコチュウ」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成21年12月3日に登録出願された商願2009−91642に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、平成22年5月17日に登録出願、その後、指定役務については、当審における平成23年9月20日付けの手続補正書により、第35類「リサイクル品又は中古品としてのぱちんこ器具若しくはスロットマシンの販売に関する情報の提供,ぱちんこ器具又はスロットマシンの販売に関する情報の提供」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、拒絶の理由に引用した登録第5255779号商標(以下「引用商標」という。)は、「エコチュウ」の文字を標準文字で表してなり、平成20年8月27日登録出願、第9類「業務用テレビゲーム機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,乗物用盗難警報器,船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」、第16類「紙製包装用容器,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙類,印刷物,写真,写真立て」、第35類「広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,自動車その他の商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,商品の売買契約締結の仲介,事業に関する情報の提供,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,求人情報の提供,自動車並びにそれらの部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,二輪自動車並びにそれらの部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自転車並びにそれらの部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第44類「植林,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),動物の飼育,動物の治療,動物の美容,植木の貸与,農業用機械器具の貸与,芝刈機の貸与」を指定商品及び指定役務として、平成21年8月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標について
本願商標と引用商標とは、前記1及び2のとおり両商標共に「エコチュウ」の文字からなるものであるから、外観及び「エコチュウ」の称呼を共通にする同一の商標である。
(2)本願商標と引用商標の指定役務について
本願商標の指定役務は、前記1のとおり第35類「リサイクル品又は中古品としてのぱちんこ器具若しくはスロットマシンの販売に関する情報の提供,ぱちんこ器具又はスロットマシンの販売に関する情報の提供」であり、引用商標の指定役務は、前記2のとおり第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,自動車その他の商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,商品の売買契約締結の仲介,事業に関する情報の提供」を含むものである。
(3)指定役務「商品の販売に関する情報の提供」等について
ところで、第35類の指定役務「商品の販売に関する情報の提供」等については、「政令別表第35類は、その名称を『広告,事業の管理又は運営及び事務処理』とするものであるところ、上記区分に属するものとされた省令別表第35類に定められた役務の内容や性質に加え、本件商標登録の出願時に用いられていた国際分類を構成する類別表注釈が、第35類に属する役務について、『商業に従事する企業の運営若しくは管理に関する援助又は商業若しくは工業に従事する企業の事業若しくは商業機能の管理に関する援助を主たる目的とするもの』を含むとしていること、『商品の販売に関する情報の提供』は、省令別表第35類中の同区分に属する役務を1から11までに分類して定めているうちの3において、『経営の診断及び指導』、『市場調査』及び「ホテルの事業の管理』と並べて定められ、類似商品・役務審査基準においても、これらと同一の類似群に属するとされていることからすれば、『商品の販売に関する情報の提供』は、『経営の診断及び指導』、『市場調査』及び『ホテルの事業の管理』と同様に、商業等に従事する企業の管理,運営等を援助する性質を有する役務であるといえる。このことに、『商品の販売に関する情報の提供』という文言を併せて考慮すれば、省令別表第35類3に定める『商品の販売に関する情報の提供』とは、商業等に従事する企業に対して、その管理、運営等を援助するための情報を提供する役務であると解するのが相当である。そうすると、商業等に従事する企業に対し、商品の販売実績に関する情報、商品販売に係る統計分析に関する情報などを提供することがこれに該当すると解されるのであって、商品の最終需要者である消費者に対し商品を紹介することなどは、『商品の販売に関する情報の提供』には当たらないというべきである。」と判示されているところである(最高裁平成21年(行ヒ)第217号 平成23年12月20日判決言渡参照)。
上記、判決によれば、「商品の販売に関する情報の提供」は、「経営の診断及び指導」、「市場調査」及び「ホテルの事業の管理」と同様に、商業等に従事する企業の管理,運営等を援助する性質を有する役務であって、これらの役務は、他人の依頼に基づいて、経営の診断及び指導や経営に関する助言又は相談を行う「経営コンサルタント」等が行うサービスなどがこれに相当するものであると解される。そして、その提供に関連する物品は、例えば、「商品の販売に関する情報の提供」であれば、商品の販売実績に関する情報、商品販売に係る統計分析に関する情報などがこれに相当するものである。また、引用商標の指定役務中「経営に関する助言」、「商品の売買契約締結の仲介」及び「事業に関する情報の提供」についても、上記役務と同様に「経営コンサルタント」等が行うサービスなどがこれに相当するものであると解される。
そして、「コンサルタント」とは、広辞苑第六版において「一定の事柄についてについて相談・助言・指導を行う専門家。『経営−』『結婚−』」との記載があることからすれば、「経営コンサルタント」とは、「経営について相談・助言・指導を行う専門家。」を意味するものであって、また、その職種の内容については、「クライアントである企業にアドバイスすることにより、経営を改善し、結果として企業のお金儲けを手伝う仕事。」との記載、さらに、「クライアントの要求するアドバイスも高度化しているため、商業、工業、情報といったような自分の専門分野を持った経営コンサルタントが組織(コンサルティングファーム)を作って活動するようになってきている。」との記載がある(いずれも「仕事のカタログ 2010年版」 株式会社自由国民社発行)。
したがって、商標法施行規則別表第35類3に定める「商品の販売に関する情報の提供」、「経営の診断及び指導」、「市場調査」及び「ホテルの事業の管理」等は、いずれも、商業に従事する企業に対して、その管理、運営等を援助することを主たる目的とする役務であって、「経営コンサルタント」等が提供する役務などがこれに該当し、また、その役務の提供者は、商業、工業、情報といった、さまざまな専門分野を持った経営コンサルタントが組織(コンサルティングファーム)を作って提供している実情にある。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
商標法第4条第1項第11号における役務の類否を判断するに際しては、例えば、提供の手段、目的又は場所が一致するかどうか、提供に関連する物品が一致するかどうか、需要者の範囲が一致するかどうか、業種が同じかどうか、当該役務に関連する業務や事業者を規制する法律が同じかどうか、同一の事業者が提供するものであるかどうか等を総合的に考慮して具体的に判断すべきものであるから、これらについて以下に検討する。
ア 提供の手段、目的又は場所
本願商標の指定役務及び引用商標の指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,自動車その他の商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,商品の売買契約締結の仲介,事業に関する情報の提供」は、経営コンサルタントやコンサルティングファームなどが、商業等に従事する企業に対し、その管理、運営等の援助を目的として、商品の販売実績に関する情報、商品販売に係る統計分析に関する情報などの提供を行うものであることからすれば、その提供の手段、目的及び場所を共通にするものである。
イ 業種又は事業者
本願商標の指定役務及び引用商標の指定役務中、第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,自動車その他の商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,商品の売買契約締結の仲介,事業に関する情報の提供」は、上記(2)のとおり、商業等に従事する企業に対して、その管理、運営等を援助するための情報を提供する役務であり、他人の依頼に基づいて、経営の診断や経営に関する助言を行う「経営コンサルタント」等が行うサービスなどがこれに該当し、また、商業、工業、情報といったような自分の専門分野を持った経営コンサルタントが組織(コンサルティングファーム)された提供者により提供される役務であることからすれば、両者は役務を提供する業種又は事業者を共通するものである。
ウ 提供に関連する物品
例えば、本願商標の指定役務及び引用商標の指定役務中「自動車その他の商品の販売に関する情報の提供」は、他人の依頼に基づいて、コンサルティングファームなどが、商業等に従事する企業に対し提供する、商品の販売実績に関する情報、商品販売に係る統計分析に関する情報などであることからすれば、両者は提供に関連する物品を共通するものである。
エ 小括
以上のとおり、本願商標の指定役務と、引用商標の指定役務中「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,自動車その他の商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,商品の売買契約締結の仲介,事業に関する情報の提供」とは、コンサルティングファーム等に係るサービスであって、共にその提供の手段、目的又は場所、業種又は事業者、提供に関連する物品を共通にすることが多い類似する役務であるというのが相当である。
(5)請求人の主張について
請求人は、請求人の業務と引用商標権者との業務を対比して、役務を提供する状況や環境は全く相違するため、両者が夫々に提供する役務の間に出所の混同を生ずることはない旨主張している。
しかしながら、商標登録出願が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについては、出願にかかる商標及びその指定商品又は指定役務と、引用にかかる他人の登録商標及びその指定商品又は指定役務と対比して検討すべきところ、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務が類似する役務であることは前記3のとおりである。
なお、請求人は「ぱちんこ器具やスロットマシン等の遊戯機を専門的に製造および販売しているメーカーである」旨主張しているところ、前記3の判決において、「『商品の販売に関する情報の提供』とは、商業等に従事する企業に対して、その管理、運営等を援助するための情報を提供する役務であると解するのが相当である。そうすると、商業等に従事する企業に対し、商品の販売実績に関する情報、商品販売に係る統計分析に関する情報などを提供することがこれに該当すると解されるのであって、商品の最終需要者である消費者に対し商品を紹介することなどは、『商品の販売に関する情報の提供』には当たらないというべきである。」と判示されており、 仮に、請求人の業務が、ぱちんこ器具やスロットマシン等の遊戯機を専門的に製造および販売し、その商品の最終需要者である消費者に対し商品を紹介することをおこなっているのであれば、当該業務は「商品の販売に関する情報の提供」には当たらないというべきである。
(6)結語
以上のとおり、本願商標と引用商標は、同一の商標であり、かつ、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務とは、同一又は類似するものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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