Trademark Appeal Case
商品表示の識別力と使用
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−19368(T2010−19368/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類「即席春雨」を指定商品とし、平成19年6月12日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、『春雨の麺』程の意味合いを認識させる『はるさめ』及び『ヌードル』の文字を二段に併記してなるところ、本願商標をその指定商品『即席春雨』について使用するときは、単に商品が『即席用の春雨の麺』であること、すなわち、商品の原材料、品質を表示したものと理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」とし、さらに、「出願人は、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備する旨主張しているところ、提出された証拠によれば、『はるさめ』及び『ヌードル』の文字を単独で紹介する例はほとんどなく、多少図案化してなる『エースコック』の文字を併記して使用しており、そのような使用態様に係る諸事情に照らせば、本願商標の使用に係る商品又はその宣伝広告媒体に接した取引者・需要者は、『はるさめ』及び『ヌードル』の文字のみによって、商品の出所が出願人であると認識することはないと解するのが自然である。したがって、出願人による本願商標の使用の実際を総合して勘案しても、その使用の結果、『はるさめ』及び『ヌードル』の文字のみにより、その使用に係る商品が何人かの業務に係るものであることを認識できるほど、取引者・需要者間に広く知られるに至ったものとまでは認めることができず、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとは認められない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第2項に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示す事実を発見したので、請求人に対し、平成23年10月5日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、これに対する意見を求めたところ、請求人は、所定の期間を経過するも、何らの応答もしなかった。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「はるさめ」及び「ヌードル」の文字を2段に横書きしてなるところ、その構成中の「はるさめ」の文字は、商品の原材料、品質である「春雨」を、同じく「ヌードル」の文字は、「麺類の総称」及び「麺類を主材料としてなる汁物」を意味する語として、いずれも一般に広く知られているものである。
また、本願の指定商品ないしそれと関連する分野においては、別掲2に示すとおり、「はるさめヌードル」又は「春雨ヌードル」の文字が、「春雨を主材料としてなる汁物」を意味するものとして、一般に広く用いられているというのが実情である。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成全体から容易に「春雨を主材料としてなる汁物用の即席春雨」程の意味合いを看取、把握し、商品の用途、品質を表示してなるものと認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標をその指定商品に使用しても、自他識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
2 商標法第3条第2項該当性について
請求人(出願人)は、「本願商標は、出願人による継続的かつ精力的な使用の結果、出願人の出所表示として全国的に周知著名となり、自他商品識別力を獲得するに至っており、商標法第3条第2項の規定により商標登録を受けることができるものである。」旨主張し、その証拠として、原審において、甲第1号証ないし甲第第155号証を提出している。
そこで、請求人(出願人)の提出に係る証拠についてみるに、それらは、東京及び大阪の商工会議所による本願商標の周知性に係る証明書(甲第1号証及び甲第2号証)のほか、概ね新聞や雑誌に掲載された記事や広告、インターネット上の記事や広告、テレビによる広告等と、広告宣伝に係る統計表であり、その中には、単に「はるさめヌードル」の表記があるのみのもののほか、請求人(出願人)が本願商標の使用に係る商品とする商品の写真が掲載された記事等があるが、これらに記載された「はるさめ」及び「ヌードル」の文字からなる標章は、例えば、「はるさめ」及び「ヌードル」の各文字の大きさや配置が本願商標とは異なるものや、「はるさめ」及び「ヌードル」の各文字が図形とまとまりよく一体的に表されているもの等、本願商標とはその構成態様を異にするものであり、本願商標と同一の標章を使用した具体的な事実を確認することができないものである。
その他、請求人(出願人)の提出に係る証拠を総合してみても、本願商標をその指定商品に使用した結果、請求人(出願人)の業務に係る商品を表示する商標として需要者間に広く認識されるに至っていると認めるに足るものは、発見できない。
なお、職権をもって調査したところ、請求人(出願人)のウェブサイト(http://www.acecook.co.jp/index.html)において、「はるさめヌードル」の注意書きとして「★2010年9月より“ヌードルはるさめ”にリニューアル」の記載があり、同じく、発売中の商品一覧の中に「はるさめヌードル」の記載が見当たらないことからすれば、平成22年9月から現在に至るまで、本願商標「はるさめヌードル」の使用に係る商品の製造、販売や広告、宣伝等は行われなかったものと推認される。
したがって、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するものであるとする請求人(出願人)の主張は、これを採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものではないとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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