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結論

勝訴(請求認容)

商標「カッティングシート」のカッティングシートの識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2011−21460(T2011−21460/J1))

審判番号
不服2011−21460(T2011−21460/J1)
審判種別
不服

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「カッティングシート」
争点(論点)
カッティングシートの識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2011−21460(T2011−21460/J1)・不服)は、本件商標「カッティングシート」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「カッティングシートの識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「カッティングシート」の文字を標準文字で表してなり、第16類、第17類、第19類、第28類、第35類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年10月28日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同23年3月7日付け手続補正書及び審判請求と同日付手続補正書により、最終的に、第17類「アルミを蒸着してなるプラスチックス(ポリエステル)フィルム,接着剤を塗布したプラスチックシート」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、『カッティングシート』の文字を標準文字で表示してなるところ、該文字は、指定商品との関係において、『文字やデザインなどを転写しカットして貼り付けるために用いる塩化ビニール製の粘着のりの付いた薄いシート』等を指し示す語として広く用いられているばかりか、そうした商品も販売され、またそうしたシートに文字等を転写する業務を行うメーカーも多数見うけられることから、本願商標をその指定商品中の該文字に照応する商品に使用するときには、これに接する取引者・需要者は、その商品が『文字やデザインなどを転写しカットして貼り付けるために用いる塩化ビニール製の粘着のりの付いた薄いシートであること』等の意味合いを表示したものと理解するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質を表したものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

当審において請求人が提出した証拠方法(参考資料)及び職権による調査から、以下の事実が認められる。

本願の指定商品を取り扱う業界において、裏面にのりのついた合成樹脂(塩化ビニールなど)のシートであって、これから文字、ロゴ、イラストを切り抜いてサイン(看板)、装飾などに用いるビニールシートについて、「マーキングフィルム」、「マーキングシート」などの語が使用され、各メーカーは、それぞれの商標(商品名)で事業を行っている(別掲1、別掲2(1)(2)及び参考資料98〜102)。

また、請求人は、短期内部装飾用粘着フィルムの市場において、平成11年の月平均のシェアとして64.5%を占めている(参考資料49)。そして、屋内用マーキングフィルムの市場において、2000年に市場占有率が70%(参考資料36、別掲2(3))、あるいは2000年から2006年にかけての市場占有率が55〜42%以上であること、「カッティングシート」は請求人が1961年に屋内用マーキングフィルムとして開発したこと(審決注:請求人は、平成24年4月30日付け上申書において、「カッティングシート」の開発は1961年、それが世に出たのは1966年と主張している。)及び「カッティングシート」が請求人の登録商標である旨の記載がある(参考資料37〜39)。

さらに、インテリアの装飾を内容とする書籍に「カッティングシート」は、請求人の登録商標である旨の記載がある(参考資料353)。

加えて、小売店における商品の販売の態様については、ロール状のシートの陳列台と「カッティングシート」、「中川ケミカル」ないし登録商標を示すものと思われる表示(ローマ字の「R」に円輪郭を付したもの)を付して販売をしている(参考資料88、89)。

なお、原審の引用するインターネット情報は、現時点において「カッティングシート」は、請求人の登録商標である旨の記載がされ(拒絶理由通知(※1(1)(2)(6)(7))ており、また、「[当店で使用しているマーキングフィルムについて]」との記載があるもの(前出※1(6))や「カッティングシート」はブランドの一である旨の記載があるもの(拒絶理由通知(※1(3))がある上に「カッティングシート」の文字が見当たらないもの(拒絶理由通知(※1(4))もある。

以上からすると、「カッティングシート」が原審説示のごとき意味合いを有する語として表示された事例があるとしても、前記のとおり認定した事実を総合考慮すれば、本願商標「カッティングシート」は、その指定商品について自他商品の識別機能を果たしうるものであるというのが相当であり、また、請求人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるということもできない。

してみれば、これをその指定商品について使用しても、商品の品質を直接的に表示するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、これをその指定商品中いずれの商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。

したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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