結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−301063(T2011−301063/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5007953号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハウスクリニック」の片仮名を標準文字で表してなり、平成18年3月8日に登録出願、第37類「建築工事に関する助言,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,電気通信機械器具の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,照明用器具の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,ガラス器製造機械の修理又は保守,塗装機械器具の修理又は保守,貯蔵槽類の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,乗物用洗浄機の修理又は保守,動力付床洗浄機の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,家具の修理,金庫の修理又は保守,錠前の取付け又は修理,ガス湯沸かし器の修理又は保守,加熱器の修理又は保守,おもちゃ又は人形の修理,浴槽類の修理又は保守,洗浄機能付き便座の修理,畳類の修理,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,道路の清掃,貯蔵槽類の清掃,有害動物・虫・菌・カビの防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。),医療用機械器具の殺菌・滅菌,土木機械器具の貸与,床洗浄機の貸与,モップの貸与,ビル内部及び外周の清掃,トイレの床面及び壁面のタイルの清掃,トイレの外壁の清掃,バルコニーの清掃,ビルの給排気口の清掃,ビルの照明器具の清掃,ブラインドの清掃,一般家庭内の部屋の清掃,引越し後の建物内外の清掃,家屋・建具の清掃,家具の清掃,建築物の屋上の清掃,建物内外の洗浄・清掃,建築物の耐震性点検,空気の浄化換気設備の修理又は保守」を指定役務として、同年12月1日に設定登録されたものである。
なお、本件審判請求の登録は、平成23年12月14日にされている。
請求人は、「本件商標の指定役務中、第37類『建築工事に関する助言,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,畳類の修理,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,道路の清掃,貯蔵槽類の清掃,有害動物・虫・菌・カビの防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。),ビル内部及び外周の清掃,トイレの床面及び壁面のタイルの清掃,トイレの外壁の清掃,バルコニーの清掃,ビルの給排気口の清掃,ビルの照明器具の清掃,ブラインドの清掃,一般家庭内の部屋の清掃,引越し後の建物内外の清掃,家屋・建具の清掃,家具の清掃,建築物の屋上の清掃,建物内外の洗浄・清掃』について登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
請求人は、本件商標の指定役務中、上記指定役務について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、継続して3年以上日本国内において使用していないか否か、調査を行った結果、その取消請求に係る指定役務に関しては、過去3年間の本件商標の使用事実を発見することはできなかった。また不使用についての正当な理由もないので、本件商標は、商標法第50条の規定により、上記指定役務については、その登録を取り消されるべきである。
(1)被請求人は、乙第1号証の浜松工業会浜松支部の会報「Technopia」中に、「広告欄の中央部に大きく『(有)ハウスクリニック』と表示されている。」と主張している。
しかし、本件商標は「ハウスクリニック」であって、「(有)ハウスクリニック」ではない。要するに「(有)ハウスクリニック」は本件商標「ハウスクリニック」の類似商標であって同一商標ではない。
商標法第50条第1項の規定は、登録商標と同一の商標の使用をすることを要求しているのであって、登録商標の類似商標の使用は、取消の対象としていることは明白である。
すなわち、乙第1号証では、本件商標「ハウスクリニック」単体では表示していないということであり、被請求人は自ら「本件商標『ハウスクリニック』の表示はしていない。」、換言すれば「本件商標を使用していないこと」をここで自白しているのである。
(2)また、被請求人は、「このことから、商標権者は本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、少くとも指定役務『有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)』について、本件商標『ハウスクリニック』を使用していることが明らかである。」と主張している。
しかし、被請求人が本件商標「ハウスクリニック」を使用していなかったことは明らかである。以下、その理由を詳述する。
ア 先ず、被請求人は、上記のように、「広告欄の中央部に大きく『(有)ハウスクリニック』と表示している。」と主張しているが、使用しているのは本件商標の類似商標「(有)ハウスクリニック」であって、本件商標「ハウスクリニック」ではない。
イ また、この表示は、単なる被請求人の商号「有限会社ハウスクリニック」の簡略表示である「(有)ハウスクリニック」を広告欄に広告主の名称として会社名を表示しただけのものであって、本件商標の使用には該当しない。本件商標「ハウスクリニック」の使用というためには、この社名を単に表示することのほかに、標章「ハウスクリニック」単体で社名とは別の場所に表示がなされなければならない。
すなわち、もしこの広告欄から「(有)ハウスクリニック」の文字を削除したら、この広告の主が誰なのかまったく分からなくなるとことが明白である。このように商標「(有)ハウスクリニック」を削除することによって、広告主が誰なのか、全く分からないような場合は、「(有)ハウスクリニック」の表示は、商標の使用ではなく、単なる広告主の商号の表示にすぎないのである。
よって、乙第1号証の「(有)ハウスクリニック」の表示は、単なる商号の表示であって、商標法第50条第1項の登録商標「ハウスクリニック」の使用には該当しない。
ちなみに、甲第1号証において、被請求人を除く他社の広告を参考に指摘すると、(株)ホテル高山 宝生閣の広告では、青線で囲むように、広告主の商号「(株)ホテル高山 宝生閣」は明確に表示された上で、その上側に赤線で囲むように、商標「宝生閣」が単体で表示されている。商標の使用とは、このような態様でなさなれる場合をいうのである。また、別の広告例として、甲第1号証の下段左欄の株式会社東邦ヤシカの広告を見ると、青線で囲むように、広告主の商号「株式会社東邦ヤシカ」は明確に表示された上で、その左上に、赤線で囲むように、商標「TYK」が単体で表示されている。商標の使用とは、同様にこのような態様でなさなれる場合をいうのである。
さらに、別の広告例として、甲第1号証の下段右欄のイメージテック株式会社の広告を見ると、青線で囲むように、広告主の商号「イメージテック株式会社」は明確に表示された上で、その左上に、赤線で囲むように、商標「it image tech」が図案化されて表示されている。商標の使用とは、同様にこのような態様でなさなれる場合をいうのである。
一方、これらの広告において、「(株)ホテル高山 宝生閣」、「株式会社東邦ヤシカ」及び「イメージテック株式会社」は夫々広告主としての単なる商号の表示であって、商標の使用には該当しないのである。
これらのことからしても、被請求人の広告欄における「(有)ハウスクリニック」の表示は、単なる商号の表示であって、登録商標「ハウスクリニック」の使用ということはできず、よって被請求人は指定役務「有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)」について登録商標「ハウスクリニック」の使用をしているということはできない。
ウ 次に、もしあくまで被請求人がこの表示「(有)ハウスクリニック」が本件商標「ハウスクリニック」の使用であると主張するならば、請求人は以下のことを指摘しておく。
すなわち、被請求人は同広告欄において、営業品目として、赤線で囲むように、「内装、営繕工事・・・天井、カベクロス等は染色工法で蘇らせて再利用します。」、「一般家庭、病院、オフィスからアパート、マンション・・・の・・・リフォームまでおまかせください!!」と記載しているが、被請求人の本件商標「ハウスクリニック」の指定役務には、これらの役務は含まれておらず、しかもこれらの役務は「建築工事一式,塗装工事,内装仕上げ工事」に該当し、これらの役務は、現存する他社の商標登録第3079978号(商公平6−103205)「ハウスクリニック」(甲第2号証及び甲第3号証)の指定役務であるから、被請求人の広告行為は、係る商標権の侵害に当たることになる。
請求人の推測では、おそらく被請求人は、「商標登録第3079978号の商標権者から、乙第1号証の広告行為を根拠に、商標権侵害の警告を受けたなら、『(有)ハウスクリニック』の表示は単なる広告主としての商号の表示であり、登録商標『ハウスクリニック』の使用には該当しない。」と主張するであろう。
以上のとおり、本件商標は、その第37類の指定役務中、その取消請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定役務中「建築工事に関する助言,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,畳類の修理,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,道路の清掃,貯蔵槽類の清掃,有害動物・虫・菌・カビの防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。),ビル内部及び外周の清掃,トイレの床面及び壁面のタイルの清掃,トイレの外壁の清掃,バルコニーの清掃,ビルの給排気口の清掃,ビルの照明器具の清掃,ブラインドの清掃,一般家庭内の部屋の清掃,引越し後の建物内外の清掃,家屋・建具の清掃,家具の清掃,建築物の屋上の清掃,建物内外の洗浄・清掃」について、本件商標を使用している。
乙第1号証は、2010年4月号(57号)の浜松工業会浜松支部の会報「Technopia」であり、その第34頁の最上欄には、本件商標権者による広告記事が掲載されている。それによれば、「・環境にやさしい白アリ防除、駆除、害虫対策を提案します。」などと記載され、広告欄の中央部に大きく「(有)ハウスクリニック」と表示されている。
このことから、商標権者は本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、少なくとも指定役務「有害虫の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)」について、本件商標「ハウスクリニック」を使用していることが明らかである。
なお、本会報の奥付には、発行年月日は記載されていないが、表紙の右下に「APR.2010」と表示されており、「APR.」は「April」の略号であることから2010年4月号であることが分かる。同会報の第1項には、<平成22年度浜松工業会>〔浜松支部総会のご案内〕が掲載されており、支部総会の日時:平成22年5月15日(土)と記載されている。かかる記事からも、本会報は2010年4月号であることが裏付けられる。この2010年(平成22年)4月は、本件審判の請求の登録前3年以内の期間内であることは明らかである。
以上のとおり、商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定役務中、その取消請求に係る指定役務について、本件商標を使用していることが明らかである。
乙第1号証は、「Technopia」の表題のある浜松工業会浜松支部の会報である。その表紙の下部中央には、「磐田市 見付天神 裸祭 平成22年9月11日・12日/浜松工業会浜松支部 会報」の表示、その右側部分に、「57号/APR.2010」の表示がある。
そして、その3枚目(34頁)には、5件の広告が掲載されており、最上部の横長四角形の枠内には、「当社は環境にさしいリフォームを常に考えます!!」、「・内装、営繕工事により、廃材は極力少なく、天井、カベクロス等は染色工法で蘇らせて再利用します・・・」、「・環境にやさしい白アリ防除、駆除、害虫対策を提案します。」、「・一般家庭、病院、オフィスからアパート、マンションの退去時の立合い、リフォーム迄おまかせ下さい!!」の記載、及び、その下には、「(有)ハウス クリニック」、「浜松市東区笠井新田町1143」などの記載のある広告が掲載されている。
(1)使用役務について
上記した広告には、「環境にやさしい白アリ防除、駆除、害虫対策を提案します。」の記載があることからすれば、これは、通常、単に「白アリ防除、駆除、害虫対策」の提案に止まらず、白アリ防除、駆除、害虫対策の実施を伴うものと考えられるものであるから、この広告文からは、「白アリ防除、駆除、害虫対策」の役務についての広告と理解されるものである。
そして、「白アリ防除、駆除、害虫対策」は、第37類「有害動物・虫・菌・カビの防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)」の指定役務に含まれる役務と認められるものである。
(2)使用商標について
次に、この広告における「商標」の使用についてみると、上記した「白アリ防除、駆除、害虫対策」の役務を含む広告に記載されたサービスの提供者として、「(有)ハウス クリニック」の文字が表示されている。
そして、この表示を見ると、「(有)」の文字に比べ、「ハウス クリニック」の文字部分は、その書体を異にするばかりでなく、太く、大きく、目立つように表示されているものである。
そうすると、該「(有)ハウス クリニック 」の表示は、サービスの提供元と認識されると共に、自他役務の識別標識としての機能を果たしているものといえるから、商標としても認識されるものであるということができる。
ところで、この使用に係る商標は、「ハウスクリニック」の文字からなる本件商標と相違する。しかしながら、「(有)ハウス クリニック」の文字における「(有)」の文字部分は、法人の種類を示すものとして理解されるものであって、この部分自体は識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、自他役務を識別する商標としての「ハウスクリニック」の文字からなる本件商標の本質的機能は損なわれていないというべきである。
してみれば、上記広告に表示された「(有)ハウス クリニック」の文字からなる商標における、法人の種類を付加した変更使用は、取引社会の通念に照らして本件商標と同一性を有しているものと判断するのが相当である。
(3)使用時期について
上記広告が掲載された会報には、その表紙に、「APR.2010」の表示があり、これよりは、2010年4月と認められるものである。
そうすると、被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内である2010年(平成22年)4月に広告に使用していたと認められる。
(4)小括
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内である2010年4月に日本国内において、上記広告に、本件商標と社会通念上同一の範ちゅうに属する「(有)ハウス クリニック」の文字からなる商標を、請求に係る指定役務中「有害動物・虫・菌・カビの防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)」に包含される「白アリ防除、駆除、害虫対策」について使用していたものといわなければならない。
そして、上記広告は、「商品若しくは役務に関する広告、定価表若しくは取引書類に標章を付して・・・頒布・・・する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものである。
なお、請求人は、「商標法第50条第1項の規定は、登録商標と同一の商標の使用をすることを要求しているのであって、登録商標の類似商標の使用は、取消の対象としていることは明白である。」旨主張している。
しかし、同規定のカッコ書きの中には、「・・・その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」とされており、使用商標と登録商標との社会通念上の同一性については、上記の認定、判断のとおりであるから、この点に関する請求人の主張は、採用の限りでない。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定役務中「有害動物・虫・菌・カビの防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)」に包含される「白アリ防除、駆除、害虫対策」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を商標権者が使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定役務中、請求に係る役務についての登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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