Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−17736(T2011−17736/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Advanced Identity Manager」の欧文字を横書きしてなり、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,プロジェクター及びその部品,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品及び指定役務として、平成21年10月16日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『Advanced Identity Manager』の文字を書してなるところ、その構成中の「Advanced」の文字は、その指定商品及び指定役務との関係において、「拡張型、高度の」等の意味を、「Identity」の文字は、「一致、識別、同一性」等の意味を、「Manager」の文字は、「管理プログラム」等の意味をそれぞれ有する語であることからすれば、全体として「拡張型識別(同一性)管理プログラム」程の意味合いを容易に認識させるものであり、加えて、新聞記事情報及びインターネット情報において、アイデンティティ管理基盤を実現するソフトウェア製品が販売されている実情にあることからすれば、これを本願指定商品及び指定役務中、「アイデンティティ管理プログラムに関するコンピュータソフトウェア・電子出版物」及び「アイデンティティ管理プログラムのプログラムの設計・作成又は保守・プログラムの提供」に使用するときには、単に商品及び役務の品質(質)、用途(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「Advanced Identity Manager」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「Advanced」の欧文字は「進歩した、上級の」の意味を、「Identity」の欧文字は「同一性」の意味を、「Manager」の欧文字は「管理者」の意味(「講談社英和中辞典」株式会社講談社 1994年11月28日発行)をそれぞれ有するものである。
ところで、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「Advanced」の欧文字は、「拡張型」の意味(「英和コンピュータ用語大辞典第3版」日外アソシエーツ株式会社 2001年1月26日発行)を有する語として理解され、別掲1に示す内容によれば、「通常版よりも優れた機能を有する拡張型(版)の製品」を指称する語として使用されている。
また、同様に「Manager」の欧文字は、「管理プログラム」の意味(前出「英和コンピュータ用語大辞典第3版」)を有する語として理解されるところ、別掲2に示す内容によれば、IT企業各社では、「Identity Manager」の欧文字を「IDを管理するためのコンピュータプログラム」を指称する語として、広く一般に使用されている実情が認められる。
そうとすれば、本願商標は、本願の指定商品及び指定役務の取引者、需要者をして、「IDを管理するための拡張型のコンピュータプログラム」及び「IDを管理するための拡張型のコンピュータプログラムの設計・作成又は保守,IDを管理するための拡張型のコンピュータプログラムの提供」程の意味合いを容易に理解させるものとみるのが相当であるから、該欧文字を普通に用いられる方法で表してなるにすぎない本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、第9類「IDを管理するための拡張型のコンピュータプログラム」及び第42類「IDを管理するための拡張型のコンピュータプログラムの設計・作成又は保守,IDを管理するための拡張型のコンピュータプログラムの提供」について使用しても、単に商品の品質又は役務の質を表示するものとして認識し理解されるにとどまり、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、本願商標を上記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
なお、請求人は、本願商標は、一種の造語であって、自他商品及び自他役務の識別機能を有する旨主張するとともに、本願商標と同様に、標章の構成中に「Advanced」、「Identity」及び「Manager」の文字を包含してなる登録例が多数あることから、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、「Advanced Identity Manager」の欧文字が、その取引者、需要者をして、「IDを管理するための拡張型のコンピュータプログラム」及び「IDを管理するための拡張型のコンピュータプログラムの設計・作成又は保守,IDを管理するための拡張型のコンピュータプログラムの提供」であることを表示するもの、すなわち、商品の品質又は役務の質を表示するものとして認識されることは、上述したとおりであり、また、請求人が挙げる登録例は、いずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであるから、これらを同一に論ずることはできないというべきであるから、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
以上によれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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