Trademark Appeal Case
記述的結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−26733(T2011−26733/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「スイーツ検定」の文字を横書きしてなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成22年7月27日に登録出願され、指定役務については、原審における同23年1月28日付け手続補正書により、第41類「菓子に関する資格検定試験の実施」と補正されたものである。
第2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『スイーツ検定』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中の『スイーツ』の文字は、『甘いもの。ケーキ・菓子など。』の意味を有する語であり、『検定』の文字は、『一定の基準に照らして検査し、合格・不合格・価値・資格などを決定すること。検定試験の略』といった意味を表す語であるから、本願商標は全体として『甘いもの、ケーキ・菓子などに関する検定試験』程の意味合いを容易に理解させるものであり、また、インターネット情報においても『スイーツ検定』が行われている実情もあることからすると、本願商標をその指定役務に使用しても、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、前記第1のとおり、「スイーツ検定」の文字よりなるところ、その構成中「スイーツ」の文字は、「甘いもの、ケーキ・菓子など」を意味する語として、また、「検定」の文字は、「検定試験の略」を意味する語(いずれも、「広辞苑第6版」)として、それぞれよく知られているところである。
そうとすると、「スイーツ」と「検定」の両語を結合した本願商標よりは、「スイーツに関する検定試験」程の意味合いを容易に理解させるものである。
そして、本願指定役務との関係においては、本願商標に接する取引者、需要者をして、容易に、「スイーツの知識に関する検定試験」の意味合いを理解、認識させるというのが相当である。
そうしてみると、本願商標は、これをその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、「スイーツ(菓子)の知識に関する検定試験を実施する役務」程の意味合い、すなわち、役務の質、内容を表示するものとして認識するに止まるものであるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「本件商標構成中の『スイーツ』の文字は、英語『SWEET(スイート)』の複数形の『SWEETS(スイーツ)』に通じ、その語導は、英語辞書を繙くと、形容詞として『甘い、うまい、香りのよい、調子のよい、美音の、新鮮な、純粋な、愉快な、快い、やさしい、親切な、美しい、きれい、かわいらしい、(味覚の)甘口の、(反語的に)すごい、猛烈な、ほねを折らないでできる、なめらかに進む』であり、また、名詞としては、『甘味(かおり)、甘さ、甘い物、甘菓子、キャンディ(砂糖菓子、ボンボン)、快い物、愉快、(呼びかけ)いとしい人、恋人、さつまいも』等が検索される。・・・欺ることから、本願商標中の『スイーツ』の語句から、『甘いもの、ケーキ、菓子など』の意味で一義的に使用されているとする拒絶の理由には到底承服できないものである。」旨、主張している。
しかしながら、「スイーツ」の文字は、たとえ、英語の「SWEET」の複数形を片仮名で表したものであるということができるとしても、すでに外来語の「スイーツ」として、一般に誰もが親しんでいる語であり、我が国において定着しているものであって、辞書等に掲載されて、「甘いもの、ケーキ・菓子など」を意味する語として知られているものである。
そうとすれば、「SWEETS」の欧文字であれば、英語の辞書の意味合いを理解する場合があるとしても、通常、片仮名で表された「スイーツ」の文字からは、「甘いもの、ケーキ・菓子など」を意味する語として理解されるものというのが相当である。
(2)また、請求人は、「顧客の洋菓子を含めた菓子の認識を高める方策として本願を出願したものである。出願人の意図としては、菓子についての知識を高め、菓子好きの人口を増加させることにあり、よって神戸の洋菓子に限らず幅広い菓子から取入れ、菓子の知識について難易度をいくつかの段階で区切り、その段階での検定試験に合格するとランクが上がっていくという従来の公的な検定と同様のシステムを想定している。これらにより、菓子好き人口も増え、菓子に対する認識度も上がり、ひいては神戸の洋菓子の認知を高めることになることを目的のひとつとするものである。・・・また、『スイーツ検定』名のテスト形式のサイトは実質的に少数しか検索されず、『スイーツ検定』が識別力がないと言えるまでには達していない。なお、前述のように、出願人の意図は、従来の検定のように確実に体系化された『スイーツ検定』を確立していくと同時に、他人の同様検定の後の使用を予防し、需要者のために誤認混同を防止する目的で出願されたものである。」旨、主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁〔判例時報927号233頁〕参照)。
そうすると、「スイーツ検定」の文字からなる本願商標を、その指定役務「菓子に関する資格検定試験の実施」に用いた場合、これに接する需要者は、当該検定試験が、「スイーツ(菓子)の知識に関する検定試験を実施する役務」程の意味合いとして理解するものである。
実際、原審における拒絶理由通知書において示したとおり、「スイーツ検定」なる文字が、前記意味合いの語として使用されているところである。
このように、本願商標は、役務の質(内容)を表示するものとして認識されるにとどまり、自他役務識別力を有しない。
また、該語は、上記同様の役務を提供しようとする者が、当該役務の内容を適切に表現するために用いようとするものであるから、これを特定人に独占させることは公益上適当でないものというべきである。
してみると、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、本願指定役務の需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され、用いられるのかによって判断されなければならず、本願商標が請求人によって採択された意図は、考慮されるものではない。
(3)さらに、請求人は、「お好み焼き検定、あいさつ検定、くるま検定、おもちゃ検定、釣り検定、ふろしき検定、メダカ検定、お正月検定、ファッションモデル検定、絵本検定、アニメ検定などの標章はすべて商標登録されている。また、上記『〜検定』は、いずれも明らかな『普通名称』と『検定』とが結合された商標であり、これらが近年登録となっているにも関わらず、菓子の普通名称とまで言えない『スイーツ』を結合した『スイーツ検定』が識別力なしとする認定は、到底納得できるものではない。」旨主張している。
しかしながら、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係における、その商品又は役務の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、請求人が挙げた商標登録例の存在によって、前記判断は左右されるべきものではない。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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