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Trademark Appeal Case

複合語の識別力と要部

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第1981号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、別記に示すとおりの構成よりなり、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,ふきん,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。) 」を指定商品として、平成8年3月28日に登録出願されたものである。

2.原査定の引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その出願の拒絶の理由に引用した登録第959990号商標(以下、「引用A商標」という。)は、別記(i)に示すとおりの構成よりなり、昭和44年7月8日登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同47年4月24日に設定登録されたものであり、同じく登録第2567150号商標(以下、「引用B商標」という。)は、別記(ii)に示すとおりの構成よりなり、昭和57年5月4日登録出願、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコード、これらの部品および附属品 」を指定商品として、平成5年8月31日に設定登録されたものであり、同じく登録第3252120号商標(以下、「引用C商標」という。)は、別記(iii)に示すとおりの構成よりなり、平成5年12月8日登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,ロケット,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,磁心,抵抗線,電極,計算尺,犬笛」を指定商品として、同9年1月31日に設定登録されたものであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

3.当審の判断

(1) 本願商標は、「ブルーディスカス」の片仮名文字を表してなるところ、その構成中前半の「ブルー」の文字は、英語の「blue」に由来し、「青色」の意を有する外来語として日常語化するほど一般に親しまれているものである。そして、本願の指定商品を取扱う業界において「ブルー」のような色彩表示は、商品の品質を表示するものとして普通に使用されているから、「ブルー」の文字部分は、自他商品の識別機能を有しないものと認められる。

これに対し、後半の「ディスカス」の文字は、「議論する」の意を有する英語の「discuss」の表音にあたるものと認められる他、「(競技用)円盤」の意を有する英語の「discus」の表音、さらには「熱帯魚のディスカス」等の意を有するものである。

ところで、熱帯魚のディスカスは、辞典等をみると、その語源が「ディスク(円盤)」からきており、円盤形の丸い体型をしているもので、生息する河川によって色彩や模様が少しずつ異なり、それぞれブラウンディスカス、ブルーディスカス、ヘッケルディスカス及びグリーンディスカスと呼ばれる原種の他、観賞用として品種改良されたレッドディスカスやレッドロイヤルブルー等多くの改良品種が存在することが認められる。

そして、ディスカスとは、これらの原種及び改良品種の総称であるが、一般に馴染みの薄い外来種であって、熱帯魚にとりわけ関心があればともかく、そうでない普通の人にとってこれが熱帯魚の名称であると直ちに理解するのは難しく、ましてブルーディスカスに至っては、これをディスカスの一品種と理解できる人はさらに少ないものと推察される。このことは、例えば、三省堂発行のコンサイス外来語辞典をみても、ディスカスについては熱帯魚の一種との記載があるが、ブルーディスカスについては何ら記載がないことからも認められる。

そうとすると、本願商標をその指定商品について使用する場合には、これを常に一体のものとしてのみ理解認識されるというものでもないので、これに接する取引者・需要者は、構成中自他商品識別標識としての機能を有すると認められる「ディスカス」の文字部分に着目し、該部分をもって取引に資する場合も決して少なくないものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、全体として「ブルーディスカス」の称呼及び「熱帯魚のブルーディスカス」の観念が生ずることは否定し得ないとしても、上述のとおり、自他商品識別標識としての機能を有すると認められる「ディスカス」の文字部分より「ディスカス」の称呼及び「議論する、(競技用)円盤、熱帯魚のディスカス」の観念をも生ずるものといわなければならない。

(2) 他方、引用A商標は、その構成する文字及び図形に相応して「ディスカス」の称呼及び「熱帯魚のディスカス」の観念を生ずるものであり、引用B商標は、その構成文字に相応して「ディスカス」の称呼及び「(競技用)円盤、熱帯魚のディスカス」の観念を生ずるものであり、また引用C商標は、その構成文字に相応して「ディスカス」の称呼及び「議論する、(競技用)円盤、熱帯魚のディスカス」の観念を生ずるものである。

(3) そうとすると、本願商標と引用各商標とは、ともに「ディスカス」の称呼を共通にし、さらに引用A商標との関係においては「熱帯魚のディスカス」、引用B商標との関係においては「(競技用)円盤、熱帯魚のディスカス」及び引用C商標との関係においては「議論する、(競技用)円盤、熱帯魚のディスカス」の観念を、それぞれ共通にするものである。

なお、請求人は、本願商標は「ブルーディスカス」の語をまとまりよく一体に表したものであって、これより「ブルーディスカス」の称呼及び「熱帯魚のブルーディスカス」の観念のみが生ずる旨主張しているが、本願指定商品との関係においては、本願商標の構成中の「ディスカス」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすこと前示のとおりであるから、該主張を採用することはできない。

(4) したがって、本願商標と引用各商標とは、外観上の相違を考慮しても、称呼及び観念上相紛らわしい類似の商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとしてその出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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