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Trademark Appeal Case

著名商標の混同類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第12163号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ARMANDLONGCHAMP」の文字を上段に、「アルマンロンシャン」の文字を下段に表示してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、平成8年11月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、本願商標は、その構成中にフランス国所在の「S.A.J.Cassegrain−Longchamp」社が商品「ハンドバッグ、ボストンバッグ」等に使用して著名な商標「LOMGCHAMP」の文字を有してなるから、これを出願人がその指定商品に使用するときには、あたかも該商品が前記会社又はその関連会社の生産・販売又は取り扱いに係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する旨の理由で本願を拒絶したものである。

3 請求人への審尋

本件に関して職権による調査を行ったので、審判長は、下記内容の審尋を通知した。

(1)「LONGCHAMP」「ロンシャン」の文字からなる商標について

「英和商品名辞典」(株式会社研究社1991年発行)、「舶来ブランド事典『’84ザ・ブランド』」(サンケイマーケティング(サンケイ新聞データシステムマーケティング事業部)昭和58年9月28日発行)、「TheBestBuyGuide LightUpYearbook1993」(株式会社CBS・ソニーファミリークラブ1992年11月1日発行)、「世界の一流品大図鑑’95」(株式会社講談社平成7年5月10日発行)、「世界の一流品大図鑑’98」(株式会社講談社1998年5月30日発行)を総合して検討すれば、本願商標構成中の「LONGCHAMP」の文字は、フランス国のバッグ・革小物メーカーである「S.A.J.Cassegrain−Longchamp」社(同社は「カセグラン社」と略称されており、以下「カセグラン社」という。)の略称であり、かつ、「LONGCHAMP」及び「ロンシャン」の文字が、本願商標出願前から商品「バッグ」の商標として使用されていることが認められるものである。

また、新聞記事のデータベースによれば、以下の記事が掲載されたことが認められるものである。

すなわち、「服部セイコー『ロンシャン』の眼鏡フレーム」との見出しのもと「服部セイコーはフランスのカセグラン社の『ロンシャン』ブランドを採用した女性用眼鏡フレーム『ロンシャンフレーム』を7月1日に発売する。『ロンシャン』は日本にもバッグやスカーフなど多くの商品が輸入され、40歳前後の女性に人気があるという。」(1986年6月4日付日経産業新聞)、「仏ブランド、相次ぎ販社−ロンシャン・ランバン、衣料や小物戦略強化」との見出しのもと「『ロンシャン』『ランバン』のブランドで知られるフランスの高級衣料・小物メーカー2社が相次いで日本に直接進出する」(1989年6月21日付日経新聞)、「仏ロンシャン社長フィリップ・キャスグラン氏−東京銀座に路面店」との見出しのもと「ロンシャン(パリ)は、フランスの大手バッグメーカー。日本の輸入元、ジャパンターフが東京・銀座に出店した路面店の開業に合わせて来日」(1999年10月21日日経流通新聞)。

以上、認定の事実を総合して検討すれば、「LONGCHAMP」及び「ロンシャン」の文字は、我が国においては、遅くとも本願出願時までにはフランスの「カセグラン社」の取り扱いに係る商品「バッグ」の商標として、取引者、需要者の間において広く認識され、かつ、著名になっていたものと判断され、その状態は現在もなお継続しているというのが相当である。そして、他にこの判断を覆すに足りる証拠はない。

(2)本願商標の構成について

本願商標は、「ARMANDLONGCHAMP」の文字を上段に、「アルマンロンシャン」の文字を下段に横書きしてなるものである。

そして、本願商標は上下それぞれの文字が同書・同大に一連に表されてはいても、その構成及びここから生ずる「アルマロンシャン」の称呼は比較的冗長であり、これが全体として特定の意味を有する語との証左も認められないものである。

(3)出所の混同のおそれについて

本願商標は、その構成中に「LONGCHAMP」及び「ロンシャン」の文字を有するものである。

一方、前記認定のとおり、「LONGCHAMP」及び「ロンシャン」の文字よりなる商標が、我が国において、遅くとも本願商標の登録出願時までには、「カセグラン社」の取り扱いに係る商品「バッグ」の商標として取引者、需要者の間において周知・著名となっていたといい得るものである。

しかして、本願指定商品は、洋服、コートなどの被服や靴類等であって、ファッション性を有する商品であり、「LONGCHAMP」及び「ロンシャン」の文字よりなる商標が使用されている商品「バッグ」もファッション性を有する商品ということができるものである。

そうとすれば、本願商標の指定商品中、洋服、コートなどの被服や靴類に係わる取引者、需要者が、本願商標に接した場合には、「LONGCHAMP」及び「ロンシャン」の文字よりなる商標との構成上の相違があったとしても、その著名性ゆえ「LONGCHAMP」及び「ロンシャン」の文字部分に着目することで、「LONGCHAMP」及び「ロンシャン」商標を連想・想起し、それがあたかも、「カセグラン社」の事業と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。

なお、請求人は、原審における拒絶理由通知に対する意見書において、当該拒絶理由通知は過去の審査例に比して著しく異質である旨述べているが、呈示の事例は本件と事案を異にするものであり、また、商標「Polo Club」(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日言渡)、商標「MEIVOGUE/メイボーグ」(平成10年(行ケ)162号、平成10年12月10日言渡)に関する東京高等裁判所の判決における出所の混同のおそれについての認定・判断は、本件とほぼ同様のものということができ、本件に関する拒絶の理由が決して異質とはいえないものである。

(4) 結語

以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、この理由をもって本願を拒絶した原査定の内容は妥当なものであって取り消すことはできない。

4 請求人の回答

本願商標は「ARMANDLONGCHAMP」の欧文字及び「アルマンロンシャン」の片仮名文字を上下二段に、夫々同書、同大、等間隔に一連に綴られたものであるため、一連に称呼されるべきものであり、かつ「ARMAND/アルマン」と「LONGCHAMP/ロンシャン」とに軽重の差がないので、殊更に「LONGCHAMP/ロンシャン」のみを切り離して称呼しなければならない格別の理由は無い。

本願商標と「LONGCHAMP/ロンシャン」とは、非類似と云わざるを得ない。

従って、本願商標が「LONGCHAMP/ロンシャン」のみのものと経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというのは現実的ではない。

仮に、本願商標構成中に「LONGCHAMP/ロンシャン」が綴られていたとしても、本願商標は上述の如く、同書、同大、等間隔に一連に綴られたものであるため、「LONGCHAMP/ロンシャン」のみを取り出して称呼、観念することは現実的でなく、あり得ない。

本願商標は、「LONGCHAMP/ロンシャン」の存在に拘らず登録されるべきものである。

5 当審の判断

請求人は、当審の審尋に対して上記「4」のとおり主張しているが、前記審尋で通知した、当審における職権調査の内容は妥当なものと判断され、請求人の主張は採用できない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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