結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300674(T2011−300674/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4166870号商標(以下「本件商標」という。)は、「HUMAN」及び「WEAR」の欧文字を上下二段に書してなり、平成9年3月13日に登録出願され、第25類「被服」を指定商品として、同10年7月17日に設定登録、その後、同20年8月12日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に、有効に存続するものである。
なお、本件審判請求の登録は、平成23年8月2日にされている。
請求人は、本件商標の登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を概略、以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
本件商標は、その指定商品、第25類「被服」について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)乙第1号証について
これは、「株式会社カイタックファミリー」(以下「カイタックファミリー」という場合がある。)が本件商標権の通常使用権者であるとの前提で、同社が平成20年8月18日付「日本繊維新聞」の最下欄に掲載した広告(以下「本広告」という場合がある。)であるところ、「本広告」の右端には、「わたしたちはインナーウェア専門メーカーとしてより良いパジャマづくりに取り組んでいます。」の文字等が記載されている。
また、「本広告」の中央のパジャマの写真の左には、デザイン化された大きな書体で「G−House」の文字が表示され、その下には、広告主である「カイタックファミリー」の名称及び住所、電話番号等の表記がなされている。
そして、前記写真の左下には、小さな文字で「関連ブランド」の表記があり、その関連ブランドに含まれるものとして、「HUMANWEAR パジャじん INSUPPORTER」等の表記がされている。
しかしながら、「本広告」は、商標「G−House」を付して販売しているパジャマに関する広告と認識するのが自然であって、「関連ブランド」の一つとして付随的に表示されているに過ぎない「HUMANWEAR」の文字が、パジャマの販売についての広告に使用されている商標であると見るのはいかにも不自然である。
この点は、被請求人が答弁書において、「写真の下部に関連ブランドとして『HUMANWEAR』が記載され、・・・」と説明していることから、「HUMANWEAR」の文字は関連ブランドの一つとして紹介されているものであることを被請求人も自認しているのであって、「関連ブランド」の部分は、「商品に関する広告」ではなく、会社自体の広告・宣伝として認識される。
「本広告」に表示される「HUMANWEAR」の文字は、商品「パジャマ」との具体的関係において、その出所識別機能を果たす態様において使用されているとは到底認められない。
したがって、乙第1号証は、 指定商品「被服(パジャマ)」についての本件商標の使用を証明するものではない。
(2)乙第2号証について
これは、「全国繊維企業要覧」(以下「企業要覧」という場合がある。)の関連頁の写しであるところ、前記の「カイタックファミリー」が通常使用権者である旨を証明するには、被請求人(商標権者)と交わした「使用契約書」、あるいは通常使用権を登録しているのであれば、登録原簿の写しを提出すべきであって、「企業要覧」は、これを証明する証拠にはならないことから、前記乙第1号証は本件商標の使用を証明するものではない。
「カイタックファミリー」が、通常使用権者であるか否かは、二次的な問題であるが、請求人は、被請求人に対して、「カイタックファミリー」が、通常使用権者であることの立証を求める。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を概略、以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
本件商標は、第25類「被服」について、日本国内において通常使用権者によって使用されている。
(1)乙第1号証について
乙第1号証中における「本広告」の右側にはパジャマについてのコピーが配置されると共に、真ん中にパジャマの写真が大きく掲載され、その左側に「G−House」という別の商標が記述されるとともに、写真の下部に関連ブランドとして「HUMANWEAR」が記載され、さらにその右側に「パジャじん」などの他の商標も記載されている。
この「HUMANWEAR」商標は、欧字の大文字「HUMAN」と同大の欧字の大文字「WEAR」を一連に、スペースをおくことなく、横書きしてなる。即ち、「HUMANWEAR」商標は本件商標とは、間にスペースがない点で形式的に全く同一なものではないが、実質的には同一であり、よって商標法第50条第1項に注記されるような「社会通念上同一と認められる商標」に該当する。
そして、乙第1号証は、「パジャマ」についての広告であることから、「本広告」は、「被服」についての使用である。
また、「本広告」は、平成20(2008)年8月18日になされていることから、審判請求登録日(予告登録日である平成23年8月2日(答弁書においては、平成23年7月29日と記載されているが誤記と思われる。))前3年以内(以下「要証期間内」という。)の広告であることから、「HUMANWEAR」商標は、「要証期間内」における広告的使用(商標法第2条第3項第8号で規定される)に該当する。
(2)乙第2号証(被請求人と「カイタックファミリー」の関係)について
乙第2号証は、「全国繊維企業要覧」(以下「企業要覧」という場合がある。)の関連頁の写しであるところ、これより明らかな如く、通常使用権者である「カイタックファミリー」は、被請求人を大株主とする被請求人の関連会社である。
(1)被請求人と「カイタックファミリー」の関係について
請求人は、被請求人と「カイタックファミリー」の関係の立証を求めているところ、乙第3号証及び乙第4号証(いずれも陳述書)のとおり、被請求人は、両者間の黙示的な合意に基づき、本件商標の設定登録日から現在に至るまで、「カイタックファミリー」に対して、本件商標権の全指定商品を対象とする通常使用権の許諾を与えている。
(2)乙第1号証について
商標法第2条第3項第8号に規定される「商品に関する広告に標章を付する」行為とは、広告等において商品またはサービスの出所を認識できる態様で標章を付する行為を指すものであり、すなわち、標章とその指定商品及びその使用者の関係が明確かつ具体的に把握できる程度に表示されていれば足りると解されるものであり、商標とその使用商品及びその使用者の関係が需要者、取引者の理解できる程度に具体的であれば、商標と商品との間に「具体的な関係」があるといいうる。
実際の商取引においても、一つの商品に関する広告に複数の商標が付されている事例は多々存在しており、このような場合、各商標の大小にかかわらず、これらの商標のいずれもが広告上の商品に付されており、当該商品の出所表示機能を果たしていると理解するのが、商慣行上の通例といいうる。
以上を前提に乙第1号証の「本広告」の内容を検討するに、通常使用権者たる「カイタックファミリー」の名称とともに、「被服」に該当する商品「パジャマ」及びブランド名「G−House」、「HUMANWEAR」、「パジャじん」等が明示されていることからすると、取引者、需要者をして「カイタックファミリー」によって、商品「パジャマ」が、上記の各ブランド名の下に提供されていると、商標とその使用商品及び使用者の具体的関係を容易に理解しうる。
(3)まとめ
したがって、乙第1号証ないし乙第4号証より、本件商標、またはこれと社会通念上同一の商標と認められる商標は、指定商品「被服」について、被請求人及びその通常使用権者たる「カイタックファミリー」によって、「要証期間内」に日本国内において使用されていることは明らかである。
(1)乙第1号証について
これは、2008年(平成20年)8月18日付け「日本繊維新聞」の写しであるところ、その下部右側には、「わたしたちはインナーウェア専門メーカーとしてより良いパジャマづくりに取り組んでいます。」、及び「質の高い眠りを育むためのパジャマの機能」として「やわらかな肌ざわり」、「・季節に応じた保湿性」、「優れた通気性、吸湿性、放湿性」、「横臥したときのカラダに合うカタチ」、「睡眠中の動きを妨げないゆとり、伸縮性」の5項目が記載されている。
また、中央には、上下のパジャマの写真、その写真の左側には、ややデザイン化された態様で大きく「G−House」と書された文字が掲載されている。
そのほか、「本広告」の左下には、広告主とその住所である「株式会社カイタックファミリー」、「大阪府箕面市・・・」、さらには、電話番号等が記載されている。
そして、前記写真の左下には、小さな文字で「関連ブランド」の表記があり、その下に「HUMANWEAR」、「パジャじん」及び「INSUPPORTER」等、記載されている。
(2)乙第2号証について
これは、被請求人と前記広告主である「カイタックファミリー」の関係を示すものとして被請求人が提出した「企業要覧」であるところ、そこには、被請求人の表示と「(カイタックグループ)」の文字が表示されており、被請求人の企業情報の次に「カイタックファミリー」の表示とともに、同社の企業情報が記載されている。
そして、「カイタックファミリー」の情報中の「大株主」欄には、「カイタック(株)」と記載されている(カイタックファミリーの大株主は、被請求人である旨が記載)。
(3)乙第3号証及び乙第4号証について
これらは、いずれも平成24年3月2日付け陳述書であり、そこには、被請求人が本件商標権の指定商品「被服」について1998年7月17日より現在に至るまで「カイタックファミリー」に対して、通常使用権の許諾を与えている旨、及び「カイタックファミリー」は、本件商標権の指定商品「被服」について、同期間において、被請求人より、通常使用権の許諾を受けている旨が記載されている。
(1)乙第1号証について
乙第1号証の下部に掲載された前記1(1)の各事実より、大阪府箕面市在の「カイタックファミリー」が、「G−House」商標の「パジャマ」の広告を2008(平成20)年8月18日に「日本繊維新聞」に掲載していることが明らかである。
そして、「本広告」には、「関連ブランド」として、「HUMANWEAR」、「パジャじん」及び「INSUPPORTER」等が記載されているところ、「本広告」には、前記1(1)のとおり、「インナー専門メーカーとしてよりよいパジャマづくりに取り組んでいます」の記載の他、「質の高い眠りを育むためのパジャマの機能」として「やわらかな肌ざわり」、「季節に応じた保湿性」、「優れた通気性、吸湿性、放湿性」など、いずれも商品「パジャマ」にのみ関する事項が記載されているものであることから、本件商標の指定商品「被服」の範ちゅうに属する商品を対象とした広告とみるのが自然である。
してみると、乙第1号証より、大阪府箕面市在の「カイタックファミリー」は、「G−House」商標の他、「HUMANWEAR」なる商標においても指定商品「被服」に属する「パジャマ」についての広告をしているものと認められる。
(2)乙第2号証ないし乙第4号証について
前記1(2)より、「カイタックファミリー」の大株主は、被請求人であり、かつ、「カイタックファミリー」は、被請求人のグループ会社であることが確認できることから、「カイタックファミリー」は、被請求人から黙示による通常使用権の許諾を受けていたものと推認できる。
さらに、前記1(3)の双方からの陳述書をも併せ考慮すると、「カイタックファミリー」は、被請求人から、黙示による通常使用権の許諾を受けていたものであって、本件商標権の通常使用権者であると認めることができ、これを否定すべき証拠は見あたらない。
(3)両商標における社会通念上の同一性について
本件商標は、前記、第1に記載したとおり、「HUMAN」及び「WEAR」の欧文字を上下二段に書してなるのに対し、通常使用権者が使用している 「HUMANWEAR」商標は、「HUMAN」と「WEAR」の両文字を一連に横書きしたものであって、上下二段よりなる本件商標を一連に書したものといえる。
そして、両商標は、その称呼である「ヒューマンウェア」を同じくするものであることに加え、観念においても両商標間で変動を伴うものとも認められないから、商標法第50条第1項における「社会通念上同一と認めうる商標」と見て差し支えない。
(4)小括
前記2(1)ないし(3)を総合すると、被請求人の通常使用権者である「カイタックファミリー」は、日本国内において、平成20年8月18日(要証期間内)に、本件審判請求に係る指定商品「被服」に含まれる「パジャマ」に関する広告(日本繊維新聞)に本件商標と社会通念上同一の「HUMANWEAR」商標を付して頒布したものと認められる。
そして当該行為は、「商品に関する広告に標章を付して頒布する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものである。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において、取消請求に係る本件指定商品「被服」について、本件商標と社会通念上同一と認めうる商標を、通常使用権者が使用していたことを証明したものというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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