結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300744(T2011−300744/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2085300号商標(以下「本件商標」という。)は、「GIMCARNA」の欧文字を太字で横書きし、そのうちの「GIMCA」の文字部分の下に「ジムカーナ」の片仮名を小さく併記した構成からなり、昭和61年9月9日に登録出願、第21類「かばん類」を指定商品として、同63年10月26日に設定登録され、その後、平成10年12月1日及び同20年9月24日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、同年10月15日に第18類「かばん類」を指定商品とする書換登録がなされたものである。
また、本件審判の請求の登録日は、同23年8月18日である。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。
請求人の知る限り、本件商標の商標権者である被請求人は、継続して3年以上日本国内において、本件商標をその指定商品について、正当な理由なく使用していない。また、本件商標について専用使用権は設定されておらず、通常使用権の登録もない。
よって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。
(1)乙第1号証について
本件審判請求の登録日は、平成23年(2011年)8月16日(審決注:正しくは「8月18日」であり、誤記と認められる。以下、同じ。)であるから、商標法第50条第2項が証明を求める本件商標の使用は、その3年前にあたる平成20年(2008年)8月16日以降でなければならない。
しかし、被請求人が提出した商品カタログの写しと思しき乙第1号証には、発行日の記載が見当たらない。表紙と思しき部分に「2008」と書かれていることから、仮にこれを2008年版のカタログと善解したとしても、2008年8月16日以降であったか否か把握不能である。したがって、本件商標の使用を立証する証拠として採用することはできない。
また、乙第1号証について被請求人から一切説明がないため、その発行に係る詳細が全く不明である。よって、乙第1号証が、誰がどのような目的で発行したものか認識できず、本件商標の商標権者、又は専用使用権者、通常使用権者によるものと認めることもできない。
なお、乙第1号証の一部写真に、乙第3号証の右上記載のタグを付したと思しきウエストポーチが掲載されているが、このタグと本件商標とが社会通念上の同一性を欠いていることは、後述するとおりである。
(2)乙第2号証について
乙第2号証として、被請求人の出荷実績に係る納品書が4通提出されている。しかし、それらの発行日を見ると、そのうち3通については、それぞれ2008年7月8日、同年8月7日及び同年8月8日となっている。すなわち、上述した2008年8月16日より前に発行されたものであるから、商標法第50条第2項の要件を満たさず、本件商標の使用証明になり得るものではない。
唯一発行日の要件を満たしている2008年9月30日付けの納品書を見ると、被請求人が「和信産業(株)」に対し、品番25312:品名「ジムカーナクラシックウエストP」数量1を出荷したらしき事情は窺えるが、僅か1件の出荷実績をもって被請求人の主張の正当性を認めるべきか大いに疑問である。
また、納品書に記載された品名「ジムカーナクラッシックウエストP」は、横一連に表記されているため、ごく自然に一体不可分の品名と看取され、特定の部分のみを格別に注視するべき理由はない。仮に後半の「ウエストP」が商品の一般的内容(ウエストポーチ)を表す部分と見ても、残る「ジムカーナクラッシック」をさらに分離して看取するのは余りに不自然である。
もっとも、万一仮にこの品名の記載から「ジムカーナ」のみが独立した識別標識として認識されると見たとしても、なお商標法第50条第1項にいう本件商標と社会通念上同一の商標の使用と認められるものではない。即ち、本件商標は、欧文字「GIMCARNA」と片仮名「ジムカーナ」を上下二段に併記した態様であるところ、「ジムカーナ」に相当する英文表記は、「GYMKHANA」であり(甲3及び甲4)、本件商標に係る「GIMCARNA」は、請求人が知る限りいわゆる造語と考えられる。仮に造語でなかったとしても、片仮名「ジムカーナ」から当然に導かれる英文表記では決してない。
したがって、本件商標の上下二段に併記された「GIMCARNA」と「ジムカーナ」は、これらが一対一に対応していないばかりか、相互に観念も一致していない。それ故、特許庁審判便覧「53−01」における社会通念上の同一に係る説明に鑑みても、造語である欧文字「GIMCARNA」の表記を全く欠いている上記納品書における片仮名のみの使用が、社会通念上同一の商標の使用と認められないことは明白である。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、被請求人が2012年春より展開する商品であるとして、デイパック及びボストンバッグの商標表示部分を、同号証右上に記載のタグに画像処理で付け替えたと思しき商品の写真を提出している。
しかし、商標法第50条第2項の要件は、「その審判の請求の登録前三年以内に・・・使用していること」であるから、単なる使用予定に過ぎない被請求人の主張が使用の事実を立証するに値しないことは論を俟たない。
ちなみに、右上記載のタグを見ると、「CLASSIC/GIMCARNA ART/THE ACTIVE PERSONS/CASUAL GEAR FOR A CHASER/OF PURE PLEASURE」の各文字がロゴ風に表記されているが、二段目の「GIMCARNA ART」が大書されていることから、この部分が取引における要部と認識されるとしても、二つの単語が同書同大に表記されている「GIMCARNA ART」を敢えて分離して把握するべき格別の理由はない。指定商品との関係において、「ART」の部分が商品内容を表示するとも思えず、「GIMCARNA ART」はあくまで一体不可分の商標と看取すべきものと認識される。
よって、本件商標とは社会通念上の同一性を欠く使用態様と言わざるを得ない。
なお、上段に表された「ジムカーナスポーツ」についても、社会通念上の同一性を欠くことは上述のとおりである。
(4)むすび
以上のとおり、商標法第50条の要件に照らして、被請求人の提出に係る乙各号証は、いずれも本件商標の使用を何ら証明するものではないから、本件商標は取消を免れない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。
出荷実績については、納品書(乙2)にあるように2008年8月、9月にも出荷実績がある。
「JIMCARNA」は、被請求人が商標取得時より、主にスポーツカジュアル系商品に使用しているブランドであり、現在も2012年春より展開する商品(乙3)に使う予定が組まれている。
なお、商品の一部発注はすでに終了しており、被請求人へは12月後半より随時入庫される。
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証は、「鞄倶楽部/KABAN CLUB/LUGGAGE COLLECTION 2008」と題する冊子であるところ、その内容は「ビジネスバッグ」、「ビジネスカジュアル」、「メンズビジネス」、「アタッシュ・フライト」、「レザーバッグ」、「カジュアルバッグ」、「トラベルバッグ」、「キャリーケース」及び「スクールバッグ」の各項目毎に各種かばん類の写真が商品番号、規格、素材、価格等と共に掲載されているものである。
また、この冊子の発行者は必ずしも明らかではないが、その1頁目に該当するページには、「●このカタログは2008年1月現在のものです。」の記載があること、及びその表題並びに掲載内容に照らし、商品「かばん類」を掲載した2008年用の商品カタログと認められるものである。
そして、その81頁には、「■ジャーメイン ギア/GERMANE GEAR」の表題の下に、いわゆるウェストポーチ、ウェストバッグと称される商品の写真が規格、素材、価格等と共に掲載されており、そのうち、「No.25312」の商品番号が付された商品「ウェストポーチ」の表面には、必ずしも明確ではないものの、後述の乙第3号証に掲載されたタグと同一と思われる標章が付されており、「GIMCARNA ART」の文字が読み取れる。
なお、上記ウェストポーチは、本件商標の指定商品の範ちゅうに属する商品といえるものである。
(イ)乙第2号証は、被請求人が顧客宛に発行した2008年7月8日付(伝票番号29650)、同年8月7日付(伝票番号32474)、同年8月8日付(伝票番号32575)及び同年9月30日付(伝票番号37150)の「納品書」(保存用)の各写しと認められるところ、いずれも「品番」欄に「25312」の、「品名」欄に「ジムカーナクラシックウエストP」の各記載が見られ、それぞれに対応した数量、単価、金額等が記載されていることが認められる。
そして、これらの伝票に表示された顧客名の住所は、いずれも日本国内の住所である。
(ウ)乙第3号証は、被請求人が「2012年販売企画資料」と称する書面1葉と認められるところ、それには「ジムカーナ スポーツ」との表題が付され、その右側にタグを撮影したと思われる写真が掲載されており、該タグは、黒地四角形内に、白抜きで「GIMCARNA ART」の文字が大きく表され、その上に小さく「CLASSICS」の文字が併記されているほか、これらの下段には「THE ACTIVE PERSONS」、「CASUAL GEAR FOR A CHASER」及び「OF PURE PLEASURE」の文字が小さく3段に表示されている。また、上記書面には3個のディパック及び1個のボストンバッグの写真が掲載され、これら商品のいずれにも、不鮮明ではあるが、表面中央部分に上記タグと同様のものが付されていることが窺える。
そして、上記タグ中に大きく顕著に表された「GIMCARNA ART」の文字部分は、「GIMCARNA」と「ART」の間に若干の間隙があり、その下方部分に、一般に登録商標であることを示すためにしばしば用いられる記号「○」(○の中に「R」が表示されている。)が付されていることから、両文字部分が視覚上分離して看取されるものである。
(2)上記(1)の認定事実によれば、乙第2号証の「納品書」に記載され品番「25312」の「ジムカーナクラシックウェストP」は、乙第1号証に掲載された「No.25312」のウェストポーチと品番が一致しており、かつ、該ウェストポーチには乙第3号証に示すと同様のタグが付されていることからすると、乙第1号証に掲載された「No.25312」のウェストポーチを指すものと見るのが自然である。
そして、該タグ中に表された「GIMCARNA ART」の文字部分は、上記表示態様に照らし、「GIMCARNA」の文字自体が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たす要部として認識し把握されるというべきであり、「GIMCARNA」の文字は、本件商標の欧文字部分と同一の綴りであるばかりでなく、上記納品書に記載された「ジムカーナクラシックウェストP」中の「ジムカーナクラシック」の文字が、乙第1号証及び乙第3号証に掲載されたタグに表示された「CLASSICS」及び「GIMCARNA」の文字を端的に捉えて表現したものと推認されることなどを併せ考慮すると、本件商標と社会通念上同一のものというのが相当である。
また、乙第2号証中の伝票番号「29650」、「32474」及び「32575」の「納品書」は、本件審判の請求の登録(平成23年8月18日)前3年以内の期間外に発行されたものであるが、少なくとも伝票番号「37150」の「納品書」は、上記期間内である2008年9月30日に発行されたことが明らかである。
そうすると、本件商標と社会通念上同一の商標を付した商品「ウェストポーチ」が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において被請求人によって取引されたものというべきである。
してみれば、被請求人である商標権者によって、上記期間内に商標法第2条第3項第2号の商品に標章を付したものを譲渡する行為がなされたものと認め得るものである。
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者によって、その指定商品の範ちゅうに属する「ウェストポーチ」について使用されていたものであるから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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