結論テキスト
審判費用は,請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300749(T2011−300749/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
登録第4824282号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲に示すとおりの構成からなり,平成15年1月9日に登録出願,第10類「医療用機械器具」を指定商品として,平成16年12月10日に設定登録されたものである。
請求人は,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め,その理由及び弁駁の理由を次のように述べ,証拠方法として,商標公報及び登録原簿の写しを提出した。
(1)請求の理由
請求人の調査したところによれば,商標権者である被請求人が本件商標をその指定商品の「医療用機械器具」について使用している事実は発見できなかった。また,本件商標に係る登録原簿上,専用使用権及び通常使用権の登録もない。したがって,継続して3年以上,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが上記指定商品について本件商標の使用をしていないと推認されるものであるから,本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)弁駁の理由
被請求人は,使用を立証する証拠方法として,乙第1号証ないし同第4号証を提出している。しかし,乙第1号証は被請求人のホームページの会社概要に関する部分の写しであり,事業内容に医用・獣医用機器の販売が包含されていることを示すにすぎず,本件商標の使用を何ら示すものではない。
乙第2号証は,動物用のX線診断装置のパンフレットの写しであるが,被請求人も答弁書において自認しているように,本件商標が付されているという商品の写真からは,通常の需要者は本件商標を明確に把握することができない。
乙第3号証は,本件商標が付されている動物用のX線診断装置の写真であるが,該写真が被請求人によって撮影されたこと以外は,撮影者の特定,撮影の日時,場所等について何ら開示がなく,本件審判請求の登録前における上記動物用のX線診断装置の写真であるか不明であり,かかる写真は本件商標の本件審判請求の登録前における使用を示すものではない。
乙第4号証は,テルモ・クリニカルサプライ株式会社が配布する紫外線治療器についてのパンフレットの写しである。本件商標が当該パンフレットには表記されているが,かかる表記は「製造販売業者」の欄になされており,本件商標が必ずしも当該紫外線治療器に関して商標として使用されているか否か不明であり,かかる使用をもってしては,本件商標の使用は構成しない。商標法第50条に規定の不使用取消審判の制度趣旨が「商標法上の保護は商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿であるから,一定期間登録商標の使用をしない場合には保護すべき信用が発生しないかあるいは発生した信用も消滅してその保護対象がなくなる」(逐条解説)ことにあるとすれば,信用が蓄積されるような態様での使用,即ち商標としての使用がなされていなければならない。
被請求人は,結論と同旨の審決を求めると答弁し,その理由を次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし同第4号証を提出した。
(1)被請求人は,本件審判請求の登録前3年以内に,日本国内において,本件商標をその指定商品について使用しているものであって,商標法の上記規定によって,登録が取消されるべきものではない。
(2)被請求人は,1969年に設立された法人であって,医用機器関連サプライ用品・医用機器関連用品(超音波機器関連/X線機器関連/理学療法機器関連等)の販売,医用診断医薬品の販売,医用・獣医用機器・理学療法機器・病院設備機器の販売,介護機器・介護用品の販売を事業内容としているものである(乙第1号証)。
被請求人は,本件商標を商品「動物用のX線診断装置」及び「紫外線治療器」に使用しているものである。後者については,テルモ・クリニカルサプライ株式会社を介して販売している。
乙第2号証は,「動物用のX線診断装置」のパンフレットの写しである。本件商標は製品自体に付されているところ,製品が小さくパンフレット中では本件商標の使用態様が把握しにくいが,現実の使用態様を示したものが乙第3号証である。乙第3号証は,本件商標を使用した製品を被請求人が撮影したものであり,本件商標が使用されていることが明らかである。
なお,乙第2号証のパンフレットに広告されている製品の品番は,「VPX−500A」であるところ,乙第3号証の写真に写されている製品の品番も「VPX−500A」であって,両者が同じ製品であることは容易に理解できる。
また,乙第2号証のパンフレットには,「TOSHIBA MEDICAL SUPPLY CO.,LTD.2010」の表示があり,本パンフレットが2010年に作成されたことも容易に理解できるものである。
乙第4号証として提出するのはテルモ・クリニカルサプライ株式会社が販売している「紫外線治療器」についてのパンフレットの写しであって,当該パンフレット中には本件商標が明確に表示されている。
そして,当該パンフレットには「作成日 2009.04」の表示があり,この表示から,当該パンフレットが2009年4月に作成されたものであることが理解できる。
(3)上記したとおり,被請求人が,本件商標を本審判請求の予告登録前3年以内に,日本国内において,その指定商品について使用していたことは明白であるから,本件商標の登録は商標法第50条の規定によって取消されるべきものではない。
(1)被請求人提出の乙各号証及び主張によれば,以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証は,被請求人のウェブページであるところ,これにより,被請求人が医用機器関連サプライ用品,医用機器関連用品及び医用/獣医用機器などの販売を事業内容とする法人であることがわかる。
イ 乙第2号証は,「強く、小さく、美しく。/鮮明画像をコンパクトサイズに凝縮。/VPX−500A」と題する被請求人作成のパンフレットであるところ,その1枚目の左側には,「小動物専用X線診断装置 VPX−500A」との記載の上部に機器が掲載されており,その説明として,「VPX−500A 農林水産省指令20動薬第1149号 小動物専用X線診断装置」及び「VPT−80RS形 農林水産省指令18消安第6126号 X線撮影台」とあることから,その機器は,「小動物専用X線診断装置」とその撮影台であることがわかる。また,その下方に,被請求人の名称である「東芝医療用品株式会社」と共に,「TOSHIBA MEDICAL SUPPLY CO.,LTD.2010」との記載がある。
さらに,1枚目の右側には,左に表示された機器のうちの「小動物専用X線診断装置」の部分が掲載されており,その表面に「Inverter X−ray Equipment」と「VPX−500A」の表示,その側面に,やや不鮮明ではあるが,別掲に示す標章のうち,片仮名文字以外の文字部分と略同一の標章(以下「使用商標」という。)が表示されている。
ウ 写真(乙第3号証)には,乙第2号証のパンフレットに掲載された「小動物専用X線診断装置」とその撮影台の一部を大きく写したものと認められ,「小動物専用X線診断装置」の前面には,乙第2号証の同装置と同じ位置に「Inverter X−ray Equipment」,「VPX−500A」が表示されており,その機器の側面中央部に,ピンク色の葉形内に,使用商標が表示され,その下に「Inverter X−ray Equipment」と表示されている。さらに,その機器と管で連結した撮影台の部分と思われる機器の上部に,使用商標がピンク色の矩形内に表示されている。
(2)前記(1)で認定した事実によれば,以下のとおり判断するのが相当である。
ア 使用商標について
本件商標は,別掲に示すとおりの構成からなるものであるのに対し,使用商標は,別掲に示す構成のうち,片仮名文字「トレックス」を除いた部分と略同一の標章である。
そして,別掲に示す構成のうち片仮名文字「トレックス」以外の部分は,1文字目の「T」に続く部分が図案化されてはいるものの,全体として「TOREX」の欧文字を表したものとして看取し得るものであるから,これから「トレックス」の称呼が生じるとみるのが自然である。
そこで,本件商標と使用商標を比較すると,両者は,片仮名文字以外の文字部分が略同一であること,「トレックス」の称呼を共通にすること,片仮名文字を欠くことによって観念上の変動があるとはいえないことから,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。
イ 使用商品,使用時期及び使用者について
乙第2号証のパンフレットに掲載された「小動物専用X線診断装置」は,「農林水産省指令20動薬第1149号小動物専用X線診断装置」の記載から,農林水産省において承認された動物用の医療機器と認められ,また,その機器の説明書きからしても,これが取消請求に係る商品「医療用機械器具」に含まれるものであることは明らかである。
そして,当該パンフレットにおける「TOSHIBA MEDICAL SUPPLY CO.,LTD.2010」の記載から,そのパンフレットが2010年作成されたものであることが推認され,これが作成年である2010年又はその年以降に頒布されたであろうことが推認し得る。
また,当該パンフレットの作成者は,本件商標の商標権者であるから,これに掲載された商品に付された商標の使用者は,獣医用機器などの販売を業とする商標権者であることは明らかである。
ウ 以上によれば,本件商標の商標権者は,請求に係る指定商品「医療用機械器具」に含まれる「小動物専用X線診断装置」について,本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付して,本件審判の請求の登録(平成23年8月23日)前3年以内である2010年ころに,パンフレットによる広告をしたものと推認することができる。
そして,商標権者の上記行為は,「商品若しくは役務に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」(商標法第2条第3項第8号)に該当するものである。
(3)請求人の主張について
請求人は,乙第2号証のパンフレットに掲載された商品の写真からは,通常の需要者は表示された商標を明確に把握することができず,また,乙第3号証の写真に関しては,撮影者の特定,撮影の日時,場所等について何ら開示がなく,本件審判の請求の登録前における小動物専用X線診断装置の写真であるか不明である旨主張する。
しかしながら,「小動物専用X線診断装置」に表示された「VPX−500A」及び「Inverter X−ray Equipment」などの表示とその配置や機器の形状の一致をみれば,乙第3号証の写真に写された機器は,パンフレットに掲載された機器と同一のものとみるのが相当であるから,前記のとおり認定し得るものである。
(4)むすび
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者が本件請求に係る指定商品中「小動物専用X線診断装置」について,本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したと認め得るところである。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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