1 本願商標
本願商標は、「PRECIOUS NIGHT」の欧文字を横書きしてなり、第3類に属する別掲1のとおりの商品を指定商品として、2010年6月24日にフランスにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2010年(平成22年)12月13日に国際商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、次の(1)ないし(3)の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
(1)登録第520989号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、「プレシヤス」の片仮名を横書きしてなり、昭和29年9月1日に登録出願、同33年5月27日に設定登録されたものであり、その商標権は、第3類及び第30類に属する別掲2のとおりの商品を指定商品として、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第1490307号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、「Precious」の欧文字と「プレシャス」の片仮名を二段に書してなり、昭和49年4月15日に登録出願、同56年11月27日に設定登録されたものであり、その商標権は、第3類に属する別掲3のとおりの商品を指定商品として、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4826930号商標(以下「引用商標3」という。)
引用商標3は、「PRECIOUS」の欧文字を横書きしてなり、平成15年10月15日に登録出願、同16年12月17日に設定登録されたものであり、その商標権は、第3類に属する別掲4のとおりの商品を指定商品として、現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「PRECIOUS NIGHT」の文字を書してなるところ、構成中の「PRECIOUS」の文字は、「高価な、貴重な」の意味を、また、「NIGHT」の文字は、「夜」の意味を有するものである。そして、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体に表されているものであって、該文字から生じる「プレシャスナイト」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであり、全体として「貴重な夜」のごとき意味合いを想起させるものである。
してみると、本願商標は、その構成態様及び意味合いからすれば、構成中のいずれかの文字部分が着目され記憶されるというよりは、外観上まとまりよく表されたその構成全体として一体のものと認識、把握されると見るのが相当である。
そうとすれば、本願商標の構成文字中「PRECIOUS」の文字部分のみを分離・抽出し、その上で本願商標と引用商標とが「プレシャス」の称呼及び「高価な、貴重な」の観念を共通にする類似の商標であるとした原査定は、妥当なものということはできない。
また、他に本願商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。