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Trademark Appeal Case

機能表示の識別性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2012−685001(T2012−685001/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第1064627号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第1064627号商標(以下「本件商標」という。)は,「CLICK & ROLL」の欧文字を書してなり,2010年5月20日にAzerbaijanにおいてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し,2010年(平成22年)11月11日に国際商標登録出願,第34類「Cigarettes;other tobacco;tobacco products;lighters;matches;other smokers’ articles.」を指定商品として,平成23年7月1日に登録査定,同年10月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第38号証を提出した。

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本件商標は,いずれも平易かつ一般消費者にも普及し親しまれた2つの英単語を「&」記号で連結・並列させ普通に用いられる方法で表示する標章である。

すなわち,「CLICK(クリック)」は,機械,電子機器などの「かちっという音」やコンピュータのマウスボタンを押す操作「クリックする」の意味合いで,「ROLL(ロール)」は,「回る,回転する,回す,回転させる」の意味合いで一般に普及した外来語であり,英語発音のまま名詞,動詞化され,日常生活でも頻繁に用いられている。

したがって,本件商標は,全体として「クリックとロール(回転)」(名詞)または「クリックして,回す」(動詞)といった意味合いを容易に認識させるものである。

この「CLICK(クリック)」の語は,特定のたばこ,すなわち喫煙者がフィルターをかちっと押しつぶして(フィルター内の)カプセルに封入されたフレーバーを味わうことができる機能(構造)(以下「カプセルシステム」という。)のたばこを表示するものとして一般に使用されている。カプセルシステムを取り入れたたばこは,本件商標の権利者(以下「BAT社」という。)を始め各社から販売されている。

BAT社の海外における広告や商品パッケージでは,「CLICK」「ROLL」の文字とともに,フィルターをクリックした後にたばこを回す(回転させる)ように使用方法を図解入りで説明していることからすれば,本件商標は,たばこ(フィルター内のカプセル)を「クリックして,回す(回転させる)」という,カプセルシステムのたばこ特有の機能(構造)や使用方法,またそれによって味を変えたり強めたりできるという効能を記述,表示するものとして使用されているものである。

こういった状況において,BAT社が本件商標をそのカプセルシステムのたばこに使用しても,これに接する需要者(成人喫煙者)・取引者は,商品がカプセルを「(かちっと)クリック」して味を変え,それ(たばこ)を「回して,回転して」メンソールのフレーバーを強めるという特定の機能(構造)または使用方法,効能を有すること,すなわち商品の品質等を表示したものと認識するにとどまり,ゆえに,本件商標は,その指定商品中カプセルシステムの「紙巻たばこ,その他のたばこ,たばこ製品」について自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものであって,かつ,上記以外の商品に使用するときは品質の誤認を生じさせるおそれがある。

したがって,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に反してなされたものである。

(2)商標法第3条第1項第6号該当性について

本件商標に接する需要者(成人喫煙者)・取引者が,仮に,カプセルシステムのたばこの機能(構造)を知らない,あるいは,関連づけなかった場合は,そこから看取される意味合いは極めて漠然としたものとなり,単に2つの語「クリックとロール(回転)」を並列的に,あるいは,「(かちっと)クリックして,回す・回転させる」という商品の使用方法や効能を記述的に表示したものとしか認識,把握することができない。

そうすると,本件商標をその指定商品に使用しても,需要者(成人喫煙者)・取引者は,これを商品の内容を端的に表現した宣伝文句(キャッチフレーズ)として理解するにとどまり,何人かの業務にかかる商品であることを認識することができない。

したがって,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第6号に反してなされたものである。

(3)むすび

以上述べたとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号若しくは第3条第1項第6号に違反してなされたものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)「CLICK & ROLL」の文字の使用状況について

申立人提出の証拠において,BAT社以外の者に係る証拠は,甲第6号証,甲第22号証ないし甲第24号証に限られるところ,甲第6号証と甲第22号証は,「CAMEL CRUSH」の商品パッケージや広告であって,「SQUEEZE,CLICK,CHANCE!」の文字,又は,これらの語とともに図形が掲載されているものであるが,「CLICK & ROLL」の文字は見あたらない。

また,甲第23号証は「Fortuna」及び甲第24号証は「SAMPOERNA FLAVA」の商品を紹介するものであるが,「clic」又は「CLICKIT.」の文字が見えるものの,いずれも「CLICK & ROLL」の文字は見あたらない。

その他,提出に係る証拠を勘案しても,「CLICK & ROLL」の文字が,本件商標の登録査定時において,その指定商品の品質等を表すものとして広く一般に使用されている具体的事実を見いだすことはできない。

(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本件商標は,「CLICK & ROLL」の文字を書してなるところ,その構成中,「CLICK」の文字は,「かちっ[かちり]という音,かちりと鳴らす」等の意味を有し,「ROLL」の文字は,「転がる,回る,転がす,回す」等の意味を有する平易な英語(甲第3号証)であることから,これらの語を「&」で連結して表した「CLICK & ROLL」からは,「かちっという音と回る,かちっと鳴らして回す」程の意味合いを理解させるといい得るものである。

しかしながら,申立人提出に係る証拠からは,「CLICK & ROLL」の文字が,本件指定商品の品質等を表示するものとして使用されているとすべき事実は見いだせないものであって,当審において職権をもって調査するも,該文字が,本件指定商品を取り扱う業界において,商品の品質等を表すものとして,取引上,一般に使用されているという事実を見いだすこともできなかった。

してみれば,本件商標をその指定商品に使用しても,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであって,かつ,商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものである。

したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。

(3)商標法第3条第1項第6号該当性について

本件商標は,前記(2)に記載したとおり,全体として「かちっという音と回る,かちっと鳴らして回す」程の意味合いを理解させるとしても,本件指定商品の特徴等を具体的に表した宣伝文句(キャッチフレーズ)として理解,認識されるとはいい難いものである。

また,当審において職権をもって調査するも,「CLICK & ROLL」の文字が,本件指定商品を取り扱う業界において,商品の内容を端的に表現した宣伝文句(キャッチフレーズ)として,取引上,一般に使用されているという事実を見いだすことはできなかった。

そうとすると,本件商標は,これをその指定商品に使用しても,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえないものである。

したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第6号に該当しない。

(4)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び同第6号,同法第4条第1項第16号に違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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