Trademark Appeal Case
セキュリティ用語の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−14860(T2011−14860/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Threat Management Solution」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年3月26日に登録出願されたものである。
そして、指定商品及び指定役務については、原審における平成22年12月6日付け手続補正書により、第9類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『Threat Management Solution』の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『Threat』の欧文字は、『脅威(情報の安全性を脅かす意味で用いられる)』の意味を、『Management』の欧文字は、『管理』の意味をそれぞれ有する英語であり、『Threat Management』の語が他の語と合わせた使用で、『ウイルス対策や不正侵入防御など、複数の情報セキュリティ機能を管理すること』ほどの意味合いで使用されている事実が見受けられる。また、『Solution』の語は、『問題解決』を意味する英語であり、本願の指定商品・役務との関係で該語又はその片仮名表記である『ソリューション』の語が使用されている事実が見受けられる。上記事情を総合すると、本願商標は、全体として、「情報セキュリティ機能の管理に関する問題解決」ほどの意味合いを容易に看取させるものであるから、これをその指定商品・役務中、上記意味合いに照応する商品・役務に使用するときは、単に商品の品質、役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質若しくは役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「Threat Management Solution」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Threat」の欧文字は「おどし、脅迫、脅威」等の意味を、「Management」の欧文字は「管理、経営、支配」等の意味を、「Solution」の欧文字は「(問題の)解決、解明、解答(法)」の意味(「講談社英和中辞典」株式会社講談社 1994年11月28日発行)をそれぞれ有するものである。
そして、上記した各語は、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「Threat」の欧文字は「情報の安全性を脅かす意味で用いられる脅威」の意味(「英和コンピュータ用語大辞典第3版」日外アソシエーツ株式会社 2001年1月26日発行)を有する語として理解されるものであり、「Threat Management」の欧文字は「脅威管理」(コンピュータウイルスやハッキングなどの脅威からネットワークを保護する管理手法)を指称する語として、広く一般に使用している実情(別掲2)が認められる。
また、「Solution」の欧文字は「業務上の問題点を解決し、仕事の効率を高める手段のこと。顧客の業務内容や要望に応じて、メーカーやシステムインテグレーターが提案する製品や情報システムを指すことが多い。」(「日経パソコン用語辞典2009年版」日経BP社 2008年10月20日発行)、「システム・インテグレーターや、コンピュータ、あるいは通信機器のベンダが良く使用する表現で、システム、あるいはサービスの導入によってユーザーが得られる『問題解決』を意味する。」(「通信ネットワーク用語辞典 改訂第5版」株式会社秀和システム 2007年7月17日)の記載のとおり、「問題解決のための製品や情報システム」を指称する語として理解されることからすれば、本願商標は、本願の指定商品及び指定役務の取引者、需要者をして、「脅威に関する問題の解決のための製品や情報システム」程の意味合いを容易に認識させるものとみるのが相当である。
そうとすれば、該欧文字を普通に用いられる方法で表してなるにすぎない本願商標は、これをその指定商品及び指定役務中、「脅威管理用の商品及び役務」(例えば、第9類「コンピュータのデータセキュリティ用コンピュータソフトウェア,機密情報漏洩防止用コンピュータソフトウェア,規制コンプライアンスを監視・報告・実行するためのコンピュータソフトウエア」、第42類「ダウンロード不可能なコンピュータセキュリティ用・データセキュリティ用・ネットワークセキュリティ用コンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,ダウンロード不可能なアンチウイルスコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供,ウエブサイトのセキュリティの脆弱性を調査・報告するためのダウンロード不可能なコンピュータソフトウエアのオンラインによる提供」など)について使用しても、単に商品の品質又は役務の質を表示するものとして認識し理解されるにとどまり、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、また、本願商標を脅威管理用の商品又は脅威管理用の役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
なお、請求人は、本願商標は、一種の造語であって、自他商品及び自他役務の識別機能を有する旨主張するとともに、本願商標と同様に、標章の構成中に「Management」及び「Solution」の文字を包含してなる登録例が多数あることから、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、「Threat Management Solution」の欧文字が、その取引者、需要者をして、「脅威管理用の製品や情報システム」であることを表示するもの、すなわち、商品の品質又は役務の質を表示するものとして認識されることは、上述したとおりであり、また、請求人が挙げる登録例は、いずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであるから、これらを同一に論ずることはできないというべきであるから、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
以上によれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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