Trademark Appeal Case
著名グループ名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2012−1723(T2012−1723/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「KAT−TUN」の文字を書してなり、第9類、第16類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成21年9月30日に登録出願された商願2009−74220に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、第9類「眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記録させた電子回路及びCD−ROM,レコード,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,通信ネットワークを通じてダウンロード可能な音声・音楽・映像,録音又は録画済み記録媒体,電子出版物」を指定商品とし、平成23年4月6日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『KAT−TUN』の文字を書してなるところ、該文字は、2001年にデビューし現在も活動中である人気音楽グループの名称を表したものと理解させるものであるから、これを本願指定商品中、例えば『レコード,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,通信ネットワークを通じてダウンロード可能な音声・音楽・映像,録音又は録画済み記録媒体,電子出版物』といった商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、前記指定商品に係る収録曲を歌唱する者や収録された映像・画像に写る者が『KAT−TUN』であることを表示したものとして理解、認識するというのが相当であり、単にその商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、『KAT−TUN』と何ら関係のない前記指定商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「KAT−TUN」の文字を書してなるところ、別掲に示した新聞及びインターネットの記事によれば、以下の事実が認められる。
「KAT−TUN」(カトゥーン)は、2001年に結成されたアイドルグループの名称であり、結成時のメンバーである亀梨和也、赤西仁、田口淳之介、田中聖、上田竜也及び中丸雄一の名字のイニシャルを並べて命名されたものである。
2006年3月22日にメジャー・デビューをし、デビュー曲である「Real Face」(2006年)は、ミリオンセラーとなっている。その後、発売したシングル17作の全てが、オリコンの週間ランキングにおいて初登場首位を獲得している(2011年末現在)。
また、「KAT−TUN」は、メジャー・デビュー前の2002年に開催した初コンサートの際に、約55万8000件の予約を集めており、2009年の東京ドーム公演の際には、希望者が殺到し、申し込みが予定された動員数の倍以上となったことから、公演を追加して8日間連続公演を行っている。
さらに、全国ネットのTV番組や各社(ロッテ、NTTドコモ、ロート製薬及びスズキなど)のCMにメンバーがそろって出演するとともに、東日本大震災の復興支援活動にも精力的に取り組むなど幅広い活動も行っている。
以上のことから、「KAT−TUN」は、TV番組やCMなどメディアへの出演も多く、人気アイドルグループとして広く知られているといえる。
そうとすれば、本願商標は、上記グループ名を表示したものと容易に認識するものである。
ところで、録音済みCD、レコード等の媒体表面及びジャケット、ダウンロード可能な音楽を購入するためのウェブサイトの画面には、これら商品の発売元・販売元の名称・ロゴ、曲名、歌手名やグループ名等が表示されているところ、これら商品の取引者・需要者は、その表示中の発売元・販売元の名称・ロゴから、その商品の出所を認識し、曲名から、当該曲が収録されていることを認識し、歌手名やグループ名等から、その者が歌唱していることを認識するものである。
また、録画済みDVD、ダウンロード可能な映像等についても、媒体表面及びジャケット又は映像を購入するためのウェブサイトの画面に、録音済みCD等と同様に各種情報が表示されている実情にあり、特に音楽関係の録画済みDVDのジャケット及びダウンロード可能な映像を購入するためのウェブサイトの画面には、これら商品の発売元・販売元の名称・ロゴ、出演する歌手名やグループ名等が表示されているところ、これら商品の取引者・需要者は、その表示中の発売元・販売元の名称・ロゴから、その商品の出所を認識し、歌手名やグループ名の表示等から、その者が出演し、歌唱している映像が収録されていることを認識するものである。
そうとすると、人気アイドルグループの名称として広く認識されている「KAT−TUN」の文字を、その指定商品中、「レコード,通信ネットワークを通じてダウンロード可能な音声・音楽・映像,録音又は録画済み記録媒体」に使用する場合には、これに接する取引者・需要者は、当該商品に係る収録曲を歌唱する者、映像に出演し、歌唱している者を表示したもの、すなわち、その商品の品質(内容)を表示したものと認識するというのが相当である。
してみると、本願商標は、その商品の品質を表示したものと認識されるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、請求人は、本願商標は、英語、仏語、西語、独語のいずれの辞書にも掲載されていない欧文字で構成された造語であり、商標法第3条第1項第3号に規定されるような商標には該当しないものであるから、本願商標を登録すべき旨主張する。
しかしながら、本願商標が造語であったとしても、レコード、録音又は録画済み記録媒体等に歌唱者や出演者の名前を表示することは一般的であって、「KAT−TUN」が、人気アイドルグループとして広く知られていること、及びこれに接した取引者・需要者が上記商品に収録された音楽や映像の内容を理解するというのが相当であることは上記の認定のとおりであるから、本願商標をその指定商品中、「レコード,通信ネットワークを通じてダウンロード可能な音声・音楽・映像,録音又は録画済み記録媒体」に使用したときには、その商品の品質を表示するものであるというべきであり、請求人の主張は採用することができない。
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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