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Trademark Appeal Case

商標の使用と概念表示の区別

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2011−300825(T2011−300825/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5075254号商標(以下「本件商標」という。)は、「AsIs」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年11月20日に登録出願、第9類「電子計算機,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」ほか、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同19年9月7日に設定登録されたものである。

なお、本件審判の請求の登録は、平成23年9月21日にされている。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中の「電子計算機,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中の「電子計算機,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)本件商標と同一の文字「AsIs」が商標として用いられていないことについて

確かに、乙第1号証及び乙第2号証には、被請求人の主張のとおり、被請求人名及び「AsIs」が記載されている。

しかしながら、乙第1号証及び乙第2号証中の「AsIs」は、商標(商標法第2条第1項及び第3項参照)として使用されていない。

つまり、当該乙各号証中の「AsIs」は自他商品・役務の出所を表示する標識としてではなく、被請求人が提供するデータベースエンジンのコンセプトを表す語句として用いられている。

例えば、乙第1号証の2枚目(1頁)には「AsIs(アズイズ)とは、データを『あるがまま』に格納・管理し、どの項目でも『思うがまま』に検索・活用するというコンセプトです。」と記載されている。

また、上記頁の「データベースを取り巻く課題」欄には、「この要となるのがAsIs(アズイズ)コンセプトです。」と記載されている。

乙第2号証においても同様で、これの1枚目の真ん中あたりに、「データをあるがままに活用する事、これを我々はAsIsコンセプトと呼んでいます。」と記載されている。

上記の乙第1号証及び乙第2号証中の「AsIs」の用いられ方は、自他商品・役務の出所を表示するものではない。

(2)乙各号証は何についてのカタログ及びWebページであるかについて

ア 乙第1号証及び乙第2号証の記載からは「データベースエンジン」についての、「Interstage Shunsaku Data Manager」という商品名(商標)についてのものと推察される。

なお、「データベースエンジン」がどのような商品・役務であるか、つまり、データベース用の「コンピュータプログラム」であるか、データベースに係る役務であるか、必ずしも明確でない。この点においても、被請求人の主張(本件商標が「電子計算機用プログラム」に使用されている)は採用できない。

イ また、以下に示す(ア)ないし(カ)の記載から、乙第1号証及び乙第2号証は、製品名「Interstage Shunsaku Data Manager Enterprise Edition」又は「Shunsaku」についてのカタログ及びWebページであると、強く推察される。

(ア)乙第1号証の2枚目には、「Interstage Shunsaku Data Managerで解決!」及び「Interstage Shunsaku Data Managerは、AsIsコンセプトを実現する画期的なデータベースエンジンです。」と記載されている。

(イ)乙第1号証の3枚目にも、「Interstage Shunsaku Data Managerは、不定長・不定数項目のデータ、形式の異なるデータ、途中から項目変更されたデータなどを形式を揃えずに格納・管理できる柔軟なデータベースです。」と記載されている。

(ウ)乙第1号証の4枚目の「製品名」には、「Interstage Shunsaku Data Manager Enterprise Edition」と記載されている。

(エ)乙第1号証の4枚目の下部に、小さい文字で「Interstage、Shunsakuは富士通株式会社の登録商標です。」と記載されおり、「AsIs」についての明示的言及はない。このことは、被請求人は、「AsIs」を商標と認識していないことの証左といえる。

(オ)乙第2号証の1枚目にも、「Interstage Shunsaku Data Manager 特長」と記載されている。

(カ)また、乙第2号証の1枚目には、「ShunsakuはAsIsコンセプト『あるがままに格納、思うがままに検索』を実現する新しいデータベースです。」と記載されている。

(3)まとめ

以上で述べたことを総合すると、乙第1号証及び乙第2号証に記載されている「AsIs」は、商標としてではなく、コンセプトを表す語句として使用されていることは明らかである。

したがって、被請求人が提出した書類によっては、本件商標が、審判請求登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者によって、取消し請求に係る商品についての使用は証明されていない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。

1 本件商標の使用の事実

(1)商標の使用者

乙第1号証「商品カタログ」には、被請求人である「富士通株式会社」、被請求人の本社所在地である「〒105−7123 東京都港区新橋1−5−2汐留シティセンター」、被請求人における商品の取扱窓口の表示である「富士通コンタクトライン」及び「0120−933−200」が表示されており、乙第2号証「Webページ抜粋写」には、被請求人における商品の取扱窓口の表示である「富士通コンタクトライン」及び「0120−933−200」が表示されている。

(2)使用に係る商品

乙第1号証及び乙第2号証には、取消し請求に係る商品「電子計算機用プログラム」の商品名が記載されている。

(3)使用に係る商標

乙第1号証及び乙第2号証には、本件商標が記載されている。

(4)使用時期

乙第1号証には、「商品カタログ」の発行日として「2011年6月」が記載され、乙第2号証のWebページは「平成20年8月8日」に更新を行っている。

2 むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において権利者により、指定商品中「電子計算機用プログラム」について使用していることが明らかである。

第4 当審の判断

1 被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証は、4枚からなる商品カタログの写しであるところ、1枚目(表紙)には、右上に「FUJITSUのロゴ」の表示、その下段に、小さく「インターステージ シュンサク データ マネージャー」、「Interstage Shunsaku Data Manager」及び「あるがままに格納し、思うがままに検索する、XML型データベースエンジン」の表題が記載されており、同号証の2枚目にも、上段に「スキーマ不要、インデックス不要。データ整合性保障も万全。XML型データベースエンジン」の記載や、中段に「AsIs(アズイズ)とは、データを『あるがまま』に格納・管理し、どの項目でも『思うがままに』に検索・活用するというコンセプトです。/Interstage Shunsaku Data Managerは、AsIsコンセプトを実現する画期的なデータベースエンジンです。」などの記載がある。

また、同号証の3枚目には、「Interstage Shunsaku Data Manager」についての機能や、活用、特長などが図示解説されている。

そして、同号証の4枚目(裏表紙)の上段に記載された「製品体系」には、「機能概要」の欄に「XML型データベースエンジン」の記載があるほか、下方に「* Interstage、Shunsakuは富士通株式会社の登録商標です。・・・/* 本資料に記載されているシステム名、製品名などには、必ずしも商標表示(TM、○の中にRが記載されている。)を付記してません。」の記載があり、さらに、「富士通株式会社」及び「CZ1214−6−2011年6月M」などの記載がある。

(2)乙第2号証は、商標権者のWebサイトに係る「Interstage Shunsaku Data Manager 特長」を表題とするWebサイトの写し2枚であるところ、1枚目には、「FUJITSUのロゴ」が表示されている。その下には、灰色で着色された横長の長方形の中に、見出しとして他の文字より大きく表された「AsIsコンセプト」の文字が記載されている。さらに、その下には、赤い色で着色された「『AsIs』とは、『あるがまま』の意味(as it is)です。」などの記載がある。

また、同号証の2枚目には、1枚目の商品の特長が図解されている。

2 以上の事実によれば、以下のとおりである。

(1)使用者について

商品カタログ(乙第1号証)及びWebサイト(乙第2号証)は、「FUJITSUのロゴ」や「富士通株式会社」などの表示からして、商標権者の作成に係るものとみて差し支えないものであり、これを否定しなければならない証拠は見当たらない。

(2)使用時期について

商品カタログ(乙第1号証)の4枚目(裏表紙)の「・・・2011年6月」の記載からみて、当該商品カタログは、2011年6月に作成されたものと認められるところ、このような商品カタログが作成された場合には、商品の宣伝・広告のため頒布されるのが経験則に照らして相当であるから、作成後、速やかに頒布されたものと推認できるものであり、当該作成日は、本件審判請求の登録前3年の期間内である。

(3)使用商品について

乙第1号証は、データベースソフトウェアの中でのデータの格納(蓄積)や検索、更新などを担当する「データ管理用ソフトウェア」に係る「Interstage Shunsaku Data Manager」と題する「XML型データベースエンジン」の商品カタログであり、また、乙第2号証は、当該商品を紹介する商標権者のWebサイトである。

そうすると、当該「XML型データベースエンジン」は、本件取消請求に係る指定商品中の「電子計算機用プログラム」に含まれる商品ということができる。

(4)登録商標の使用について

乙第2号証には、「Interstage Shunsaku Data Manager」(XML型データベースエンジン)について、その特長として、灰色で着色された横長の長方形の中に、見出しとして他の文字より大きく表された「AsIsコンセプト」の文字が記載されており、また、その下には、赤い色で着色され、かつ、他との区別を明らかにするために、かぎ括弧でくくられた「『AsIs』とは、・・・」の記載がある。

してみれば、「AsIsコンセプト」又は「AsIs」の文字は、データベースエンジンの概念(コンセプト)を表すものとして使用されているとしても、その出所を示す意図及び機能をもって、目立つように表示されていることから、当該ソフトウェアについて、商標としても使用されているものとみるのが相当である。

また、使用商標「AsIsコンセプト」中の「コンセプト」の文字部分は、データベースエンジンの概念(コンセプト)を表すものとして使用されている部分であって、指定商品「電子計算機用プログラム」について、必ずしも識別力が強い文字部分とはいえないことから、当該使用商標中、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は、「AsIs」の文字部分にあるということができる。

したがって、当該使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標ということができるものである。

(5)以上によれば、当該商標の使用は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告に標章を付して展示し若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するものと認められる。

3 まとめ

以上のとおりであるから、被請求人は、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品中、「電子計算機用プログラム」について、本件商標の使用をしていたことを証明したものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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