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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2012−900073(T2012−900073/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5458972号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5458972号商標(以下「本件商標」という。)は、「JOYFUL AND MONSTER」の文字を標準文字により表してなり、平成23年7月5日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成23年11月17日に登録査定、同年12月22日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続するものである。

(1)国際登録第1048069号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:別掲1のとおり

国際登録日:2010年6月28日

設定登録日:平成23年7月29日

指定商品 :第9類「Sports helmets.」、第16類「Stickers; decals.」、第18類「All purpose sports bags; all-purpose carrying bags; backpacks; duffle bags.」及び第25類「Clothing, namely, t-shirts, hooded shirts and hooded sweatshirts, sweat shirts, jackets, pants, bandanas, sweat bands and gloves; headgear, namely, hats and beanies.」

(2)登録第5379390号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:MONSTER (標準文字)

登録出願日:平成22年7月8日

設定登録日:平成22年12月24日

指定商品 :第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(3)登録第5057229号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:別掲2のとおり

登録出願日:平成18年6月9日

設定登録日:平成19年6月22日

指定商品 :第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(4)登録第5010968号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の構成:M MONSTER ENERGY (標準文字)

登録出願日:平成18年3月28日

設定登録日:平成18年12月15日

指定商品 :第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(5)登録第5393681号商標(以下「引用商標5」という。)

商標の構成:MONSTER ENERGY (標準文字)

登録出願日:平成22年7月8日

設定登録日:平成23年2月25日

指定商品 :第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(6)登録第5043703号商標(以下「引用商標6」という。)

商標の構成:JAVA MONSTER (標準文字)

登録出願日:平成18年6月8日

優先権主張:2005年12月8日(アメリカ合衆国)

設定登録日:平成19年4月27日

指定商品 :第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(7)登録第5431412号商標(以下「引用商標7」という。)

商標の構成:JAVA MONSTER (標準文字)

登録出願日:平成22年10月27日

設定登録日:平成23年8月12日

指定商品 :第5類、第29類、第30類、第32類及び第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

(8)登録第5476620号商標(以下「引用商標8」という。)

商標の構成:MONSTER REHAB (標準文字)

登録出願日:平成23年6月23日

設定登録日:平成24年3月9日

指定商品 :第5類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性

本件商標は、構成文字全体が常に一体的な自他商品識別標識として認識理解されるとはいい難く、簡易迅速を旨とする取引過程においては、構成中の「JOYFUL]又は「MONSTER」の文字部分がそれぞれ独立の自他商品識別標識として認識理解され、取引に資されるというべきであり、全体から「ジョイフルアンドモンスター」の称呼を生ずるほか、「MONSTER」の文字部分から「モンスター」の称呼及び「怪獣、モンスター」の観念を生ずるものである。

他方、引用商標1は、その構成中の「MONSTER」の文字部分から「モンスター」の称呼及び「怪獣、モンスター」の観念を生ずること明らかである。

したがって、本件商標と引用商標1とは称呼及び観念を共通にする類似の商標である。

また、本件商標の指定商品は引用商標1の指定商品中第9類「Sports helmets.」及び第25類「Clothing, namely, t-shirts, hooded shirts and hooded sweatshirts, sweat shirts, jackets, pants, bandanas, sweat bands and gloves; headgear, namely, hats and beanies.」と同一又は類似のものである。

よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性

申立人の製造販売に係る「エネルギー補給及びスポーツ用の飲料」(以下「申立人飲料」という。)について使用する引用商標1及び3と同一の構成からなる標章(以下「使用商標」という。)は、申立人の取扱いに係る商品出所表示として世界的に広く知られているほか、引用商標2ないし8のとおり、「MONSTER」の文字を含む商標が各種の申立人飲料の個別商品名ないしシリーズ商品名として登録され使用されている。使用商標は、申立人飲料に止まらず、「被服、運動用特殊衣服、運動用ヘルメット」等についても使用されている。

本件商標の構成中の「MONSTER」の文字部分は、使用商標の構成中の「MONSTER」と一致し、需要者の記憶・印象に鮮明に残りやすいものであり、使用商標を想起連想する可能性が高い。

以上に鑑みれば、本件商標がその指定商品に使用された場合には、該商品が申立人の取扱いに係る商品のシリーズ商品の一つであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

4 当審の判断

(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、前記1のとおり、「JOYFUL」「AND」「MONSTER」の各文字間に1文字ほどの間隔があるとはいえ、これらを構成する各文字は、同書、同大でまとまりよく一体的に表してなるものであって、全体の構成が格別冗長というほどのものではなく、これより生ずる「ジョイフルアンドモンスター」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、その構成中の「JOYFUL」又は「MONSTER」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由は見出し難いし、両者に観念上又は外観上の軽重の差はみられない。

そうすると、本件商標は、全体をもって一体のものとして看取され、「ジョイフルアンドモンスター」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。

他方、引用商標1は、別掲1のとおりの構成からなるところ、中央上方に大きく顕著に描かれた図形部分とその下部に表された「MONSTER」(やや図案化されているものの、「MONSTER」の文字を表したものと容易に認識できるものである。)及び「ENERGY」の文字部分とは、観念上のつながりもなく、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。

そうすると、引用商標1は、読み易い上記文字部分を捉え、これより生ずる称呼をもって取引に資される場合が少なくないというべきであり、「モンスターエナジー」又は「モンスター」の称呼を生ずるというのが相当である。

そこで、本件商標から生ずる「ジョイフルアンドモンスター」の称呼と引用商標1から生ずる「モンスターエナジー」又は「モンスター」の称呼とを対比すると、両者は構成音数が相違するばかりでなく、「ジョイフルアンド」と「エナジー」の音の差異又は「ジョイフルアンド」の音の有無という顕著な差異により、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が著しく相違し、容易に区別することができるものである。

そして、本件商標と引用商標1とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。

また、本件商標は、親しまれた既成の観念を有する成語を表したものとはいえないから、引用商標1と観念について比較することもできない。

してみれば、本件商標と引用商標1とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について

申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標1及び3と同一の構成からなる標章(使用商標)が申立人飲料について使用されていること、申立人はカーレーサー、オートバイドライバー、スケートボーダー等のスポーツ分野で活躍する選手やレーシングチームとスポンサー契約を交わし競技活動の支援活動を行っており、これら選手等が着用するスポーツウェアやレーシングチームの車体等に使用商標と略同様の標章、使用商標の図形部分又は文字部分と同一の標章が表示されていること、申立人が支援するスポーツ選手等について我が国でも紹介されていること、我が国では2012年5月にアサヒ飲料株式会社が使用商標を使用した申立人飲料の国内独占販売権を取得し発売を開始したこと、使用商標と略同様の構成からなる標章を付したTシャツ、フード付きスウェットシャツ、ジャケット、帽子、レーシングジャケット、ステッカー等が我が国でも販売されていること、などが認められる。

しかしながら、申立人飲料を始め、Tシャツ、フード付きスウェットシャツ、ジャケット、帽子等各種商品については使用商標と略同様の標章が使用されているとしても、「MONSTER」の文字のみが独立して使用されているものは見当たらない。また、申立人飲料、申立人によるスポーツ支援活動等の紹介においては、殆どが「Monster Energy」又は「モンスターエナジー」として表示され(一部に「Monster KHAOS」(モンスターカオス)の表示も見られる。)、「Monster」又は「モンスター」のみで表示・紹介されているものは見当たらない。しかも、その多くは英文によるものであり、他に、申立人飲料や上記商品についての新聞、雑誌、テレビ等における具体的な宣伝広告の事実やその販売実績等は一切明らかでない。

そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、使用商標の構成中の「MONSTER」の文字のみが申立人の業務に係る商品を表示する商標として我が国の取引者・需要者の間に広く認識されているものとは認められないばかりでなく、使用商標についても同様に、申立人の業務に係る商品を表示する商標として我が国の取引者・需要者の間に広く認識されているものとは認められない。

仮に、使用商標が主に米国においてある程度知られているとしても、あくまでも一連一体のものとして認識されているというべきであり、「MONSTER」として知られているものとはいい難い。

その他、使用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されているものと認めるに足る証拠はない。

そして、上記(1)のとおり、本件商標は、一連一体のものとして認識し把握されるものであり、使用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。

かかる事情の下において、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が使用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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