Trademark Appeal Case
称呼・観念の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900122(T2012−900122/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第5468519号商標(以下「本件商標」という。)は、「センス」の片仮名と「SENSE」の欧文字を上下二段に書してなり、平成23年6月23日に登録出願、第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年12月13日に登録査定、同24年2月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人が本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4882744号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示す構成からなり、平成17年1月25日に登録出願、第33類「ワイン,その他のアルコール飲料(ビールを除く)」を指定商品として、同年7月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)理由の要点
本件商標「センス/SENSE」は「感覚」という意味合いを有する英単語であることから、本件商標は「感覚」の観念を生ずる。
一方、引用商標の「SENSI」は、「sensi」が「sense」の英単語に相当するイタリア語の単語である「senso」の複数形であることから「感覚」の意味合いを有するから「感覚」の観念を生ずる。
そうすると、本件商標と引用商標とは「感覚」の観念を共通にし、観念上互いに相紛らわしいとみるのが相当である。
また、称呼においては、両者とも3音構成であり、差異音は3音目の「ス」と「シ」の音で、その相違音はサ行の同行音であり、それぞれの母音が「ウ」と「イ」で、ともに狭母音である比較的近似した音である。さらに、サ行の子音「s」は無声音であり、特に語尾に位置するときは弱く発音され不明瞭になりやすい音である。
そして、「センス」と「センシ」の称呼では、3音という比較的短い音構成よりなるといえども、語尾音である第3音の母音がともに無声子音であるサ行「s」であって、ともに狭母音である「ウ」と「イ」であることにより、両者ともに当該音が無声化される傾向にある。このため、本件商標の称呼「センス」と引用商標の称呼「センシ」の差異は、比較的明瞭に発音されにくい語尾音における、近似した音の弱音の差異にすぎず、それぞれ一連に称呼されるときは、全体の語調語感は近似したものとなり、さらに上述の観念の共通性とも相まって、彼此混同されるおそれがあるといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否
本件商標は、前記1のとおり、「センス」の片仮名と「SENSE」の欧文字を上下二段に書してなり、その構成中、上段の「センス」の片仮名部分は、下段の欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識させるものであるから、本件商標は、その構成文字全体に相応して「センス」の称呼を生じ、「感覚」の観念を生じるものである。
一方、引用商標は、別掲のとおり、「SENSI」(「N」の文字は、斜めの線を顕著に太くし、前後の「E」の文字の上及び2つめの「S」の文字の下にかかるように延ばすよう表してなる。)の欧文字を書してなるものである。
ところで、引用商標の「SENSI」の文字は、「感覚」の意味を有するイタリア語の「senso」の複数形(甲5)であるとしても、我が国におけるイタリア語の普及程度に照らし、一般の取引者、需要者が引用商標の文字から前記意味合いを認識し理解するものとは到底いえず、むしろ、特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものとして看取されるというべきである。
そうすると、引用商標は当該「SENSI」の文字より英語読み風に「センシ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものというのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標とを比較してみると、両者の外観構成は明らかに相違することから、外観上相紛れるおそれはないものである。
次に、本件商標から生ずる「センス」の称呼と引用商標から生ずる「センシ」の称呼を比較すると、両称呼は、共に3音という短い音構成からなり、その末尾において「ス」の音と「シ」の音の差異を有するものであるところ、該差異音が、同行に属する子音を共通にする音であるとしても、この差異音が称呼全体に与える影響は決して小さくはないというべきであって、両者をそれぞれ一連に称呼するときはその語調、語感が相違し称呼上相紛れるおそれはないとみるのが相当である。
さらに、本件商標は、「感覚」の観念を生ずるものであり、引用商標は、特定の観念を生じないものであるから、観念において、本件商標と引用商標とを類似するものということはできない。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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