結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35551号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4035443号商標(以下、「本件商標」という。)は、「VOGUEACRAZE」の欧文字を横書きしてなり、平成8年1月25日登録出願、第25類「被服」を指定商品として、平成9年8月1日に設定登録されたものである。
請求人の引用する登録第655209号商標(以下、「引用A商標」という。)は、「VOGUE」の欧文字を横書きしてなり、昭和36年10月23日登録出願、第26類「印刷物、ただし、この商標が特定の著作物の表題(題号)として使用される場合を除く」を指定商品として、昭和39年10月9日に設定登録されたものである。同じく、登録第2525108号商標(以下、「引用B商標」という。)は、「VOGUE」の欧文字を横書きしてなり、昭和53年6月16日登録出願、第17類「被服(但し、洋服、コートを除く)布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成5年4月28日に設定登録されたものである。同じく、登録第4037277号商標(以下、「引用C商標」という。)は、「VOGUE」の欧文字を横書きしてなり、平成3年8月6日登録出願、第17類「洋服、コート」を指定商品として、平成9年8月1日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第73号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号について
引用A商標は、請求人に係るファッション雑誌のタイトルとして、日本を含め世界的に著名となっている商標であるから(甲第2号証ないし甲第73号証)、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成中「VOGUE」の文字部分から「ヴォーグ」の称呼を、引用B商標からは「ヴォーグ」の称呼を生ずるものである。したがって、本件商標と引用B商標とは、共に「ヴォーグ」の称呼を共通にする類似のものである。
また、指定商品も互いに抵触するものである。
(3)商標法第8条第1項について
本件商標は、その構成中「VOGUE」の文字部分から「ヴォーグ」の称呼を、引用C商標からは「ヴォーグ」の称呼を生ずるものである。したがって、本件商標と引用商標Cとは、共に「ヴォーグ」の称呼を共通にする類似のものである。
また、指定商品も互いに抵触するものである。しかも、引用C商標の出願日は、本件商標の出願日より早い昭和53年6月16日であり、かつ、両者の登録年月日は同日である。
(4)「VOGUE」(引用A商標)の著名性について
「VOGUE」商標の著名性については、引用A商標の商標登録原簿に22件の防護標章が登録されている事実、並びに「VOGUE」に関する判決に照らし、特許庁及び裁判所において顕著な事実であると思量されるが、その事実を甲各号証により実証する。
さらに、「VOGUE」標章の著名性については、裁判所の判断においても明確に認定されている。
(5)本件商標は、「VOGUEACRAZE」の文字を横書きしてなる構成であり、その構成の前半部に「VOGUE」の文字を顕著に有するものである。
したがって、取引者、需要者の注意が集中する本件商標の「VOGUE」の文字部分から「ヴォーグ」の称呼が生ずるとともに、世界的に著名なフアッション雑誌である「VOGUE」誌が想起されることは明らかである。
仮に、本件商標の「VOGUE」の文字部分から「VOGUE」誌が想起されない場合があるとすれば、それは、本件商標の構成文字が有機的に結合することによって、全体として特定の語義を有する等、本件商標が一体不可分のものとして認識される場合に限られるものと解される。
イ)観念について
本件商標の一部を構成する「ACRAZE」は造語であって、意味のない文字であり、需要者、取引者等には全く知られてない文字である。
これに対し、引用A商標は、日本国内において、世界的に有名なフアッション雑誌である「VOGUE」(「ヴォーグ」)誌の題号として、ファッション関連商品の取引者、需要者の間において広く知られていたものである。
そして、本件商標は「VOGUE」をその構成の一部とするものであるが、「VOGUE」は、前記のように、本件商標の登録出願時である平成8年1月までに、我が国において、引用A商標がファッション雑誌の題号としてファッションに関連する商品の取引者、需要者に広く知られていたのに対し、「ACRAZE」は、その意味が全く知られていない。
ロ)称呼及び外観について
本件商標の欧文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で書してなり、構成各文字は外観上まとまりよく、一体に表わされている。
更に、「VOGUE」の文字は、本件商標の語頭にあり、しかも、「ACRAZE」は造語である。
前記のとおり、「VOGUE」はファッション雑誌の題号として世界的に広く知られているのに対し、「ACRAZE」は全く知られていない。
この事実からすると、本件商標は、構成上は一体的に構成されてはいても、「VOGUE」と「ACRAZE」とが有機的に結合されているとはいえないから、「VOGUE」と「ACRAZE」との間で自然に区切って称呼され、認識される。
(6)本件商標と引用A商標の指定商品について
本件商標と引用A商標の指定商品を対比してみると、本件商標の指定商品は、第25類「被服」であるのに対して、引用A商標は「ファッション雑誌」に使用することによって著名性を獲得したものである。
しかして、本件商標の指定商品である「被服」は、明らかなとおり、ファッションに関連する商品の典型である。
これらの事実から判断すると、ファッションの代表的商品である「被服」の取引者、需要者が本件商標が付された「被服」に接すれば、引用A商標との構成上の相違にもかかわらず、「VOGUE」の部分に着目して、ファッション雑誌である「VOGUE」誌を連想し、上記の商品が請求人、又は請求人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品ではないかと、その出所について混同するおそれがあることは明らかである。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べている。
(1)商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について
本件商標と引用B・C商標との類否についてみるに、本件商標は、「VOGUEACRAZE」の欧文字を横書きしてなるところ、構成各文字は、同一書体、同大、同一間隔にまとまりよく一連に表示されていること、また、これより生ずるものと認められる「ボグエアクレイズ」の称呼もさほど冗長とはいえず、淀みなく一連に称呼し得るものである。そして、本件商標は特定の観念を有しない一連の造語であり、これより生ずる称呼は「ボグエアクレイズ」の称呼のみである。
よって、本件商標から生ずる「ボグエアクレイズ」の称呼と、引用B・C商標から生ずる「ボーグ」の称呼とは、後半部において「エアクレイズ」の音の有無に顕著な差異を有するものであり、称呼上明らかに区別し得るものである。
さらに、本件商標は特定の観念を生じない、一連の造語であるから、両者は観念上比較し得ないものであり、それれぞれの構成からみて外観上明らかに区別し得るものである。
そうとすれば、本件商標と引用B・C商標とは非類似の商標であり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項の規定に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
請求人は、引用A商標は、世界的に著名な商標「VOGUE」であるとして多くの資料を提出して主張しているが、いずれも商標「VOGUE」が使用される商品及びその態様は ファッション雑誌の題号としてであり、引用A商標に係る指定商品にただし書きされた「特定の著作物の表題(題号)として使用される場合を除いている」印刷物に相当するから、引用A商標は世界的に著名な商標「VOGUE」ではない。これは更新登録の使用証明に係る商品から証明できると思われる。
したがって、甲各号証を提出した請求人は、故意に指定商品に類似する「ファッション雑誌」について、商標登録に係る引用A商標を使用し、主たる広告商品として掲載されている被服、化粧品、装身具などの他人の業務に係る商品と混同を生じないようにする努力をせずに放置しているわけであるから、商標法第51条の規定が予防しようとする出所混同を一般公衆に与える不正な行為である。このような不正行為により得られた著名性を理由に無効審判の審理において、正当な本件商標と比較されるのは不当である。
次に、引用A商標の構成各文字について、本件商標と引用B・C商標とは別異のものであであることは前記のとおりであるから、引用B・C商標と同様な構成よりなる引用A商標と本件商標も商標において別異なものである。
請求人の挙げる判決例には本件商標の如く一連に書された商標が見受けられるが、これらはいずれも本件商標と文字構成を異にするばかりでなく、一連で使用していないなど明らかに「VOGUE」商標と認識し得る商標が関連している事件に関するものである。また、審決例、異議決定例も、本件商標と文字構成を異にするものであり、必ずしもこれらに拘束される理由もなく、本件商標の審査、商標登録異議の申立の審理における維持決定も、本件商標について上述のとおり判断している。
してみれば、本件商標を指定商品に使用した場合、その商品が請求人又はその請求人と関係のあるものの業務に係るものであるかのように、その商品の出所について、取引者・需要者に誤認混同させるおそれのないものである。
また、仮に、ファッション雑誌の題号として世界的に著名な商標「VOGUE」がその称呼「ボーグ」又は「ヴォーグ」と一緒に取引者・需要者に広く知られているとしても、請求人の創造した一連の造語である本件商標から「VOGUE」だけを分離する理由はない。
以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
請求人の提出した甲各号証を徴するに、「VOGUE」の文字からなる商標は、本件商標の出願時はもちろん、その登録時においても、請求人が発行しているファッション雑誌である「VOGUE」(ヴォーグ)誌の題号として、服飾関係のデザイナーはもちろん、ファッションに関連する商品の取引者、需要者間において広く知られていたものと認められる。また、このことは、当庁においても顕著の事実である。
そこで、本件商標をみると、本件商標は「VOGUEACRAZE」の欧文字よりなるところ、「VOGUE」は前記のとおりファッション雑誌の題号として広く知られているが、「ACRAZE」の語は特定の意味を有しない造語と認められることからすると、本件商標は、称呼上も、外観上も、「VOGUE」と「ACRAZE」の文字間で自然に区切って称呼、看取され、ファッション雑誌「VOGUE」の文字を有しているものと容易に連想、認識されるとみるのが相当である。
そして、本件商標の指定商品「被服」は、ファッションに関連する商品であることは明らかである。
そうとすれば、ファッションに関連する商品である被服の取引者、需要者が、本件商標が付された被服に接すれば、「VOGUE」の部分に着目して上記「VOGUE」誌を連想し、取引者、需要者をして、請求人の業務に係る商品若しくは請求人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれがおるものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、その余の無効理由について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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