結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300963(T2011−300963/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2579915号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成3年7月1日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉及びその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同5年9月30日に設定登録されたものであり、その後、同15年10月7日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年2月18日に指定商品を第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」及び第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」並びに第3類、第6類、第8類、第10類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成23年11月1日にされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
本件商標は、その指定商品中、第14類「貴金属製のがま口及び財布」、第18類「かばん類,袋物」及び第21類「洗面用具入れ」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、上記指定商品についての登録を取り消されるべきものである。
被請求人は、本件商標をその指定商品のうち、第18類「かばん類」について使用している旨主張し、その証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証の1ないし4を提出している。しかしながら、それらの証拠のいずれもが、本件商標の使用を裏付けるものではない。
(1)乙第1号証は、いわゆる予告登録前に我が国において被請求人(商標権者)が「かばん類」に属する「デイパック(リュックサック)」を被請求人の木場店にて販売している事実は確認できるものの、本件商標が使用されている事実が確認できないため、本件商標の使用を裏付ける直接的な証拠ではない。
(2)乙第2号証の1は、乙第1号証に記載の上記「デイパック」の拡大写真であり、当該商品自体及び商品に付された値札やタグには、本件商標が付された事実が確認できないことから、同様に、本件商標の使用を裏付ける直接的な証拠とはいえない。
(3)乙第2号証の2は、乙第1号証に記載の被服と並んでデイパックなどが陳列されている木場店の売り場の拡大写真であるが、本件商標が当該証拠のどこにも見あたらないものであるから、本件商標の使用を裏付ける証拠としては十分とはいえないものである。
(4)乙第2号証の3は、乙第2号証の2の売り場を違う角度から撮影した写真と思われるが、本件商標が当該証拠のどこにも見あたらないものであるから、本件商標の使用を裏付ける証拠としては十分とはいえない。
(5)乙第2号証の4は、被服等の売り場と思われる場所を背景にして、売り場のかなり手前に位置すると思われる横長の表示板に「1・25 ONE−QUARTER」の数字と文字が表示されている写真である。
しかし、当該写真からは、「被服」に属する商品は認識できるものの、被請求人が使用商品として主張する「かばん類」に属する商品の存在を全く認識することができない。
また、横長の表示板が背景となっている被服などの商品陳列場所とかなり離れているという印象を受けるため、当該表示板に表示された「1・25 ONE−QUARTER」の数字と文字の組み合わせが、商品の出所を表示する目印として使用されているか、つまり、商標的に使用されているか甚だ疑問である。
さらに、本件商標の構成要素中、「1・25」の部分は同じ大きさで表現されているのに対し、使用商標の当該部分は「25」が「1」より非常に小さくしかも上方に表示されているため、看者にかなり異った印象を与えるものである。しかも、本件商標には、用途表示ではあるが「FOR MEN」の文字及び「/」の記号が構成要素として含まれているのに対し、使用商標には当該文字や記号がないという点で外観を異にする。したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一というには無理がある。
加えて、「かばん類」に属する商品の販売の事実を示す乙第1号証及び乙第2号証の1ないし3の写真は、被請求人の木場店にて撮影されたものであるのに対し、商標の使用の事実を示す乙第2号証の4は、木場店とは異なる大和鶴間店で撮影されたものであるから、異なる店舗にて別々に撮影された写真を組み合わせて、本件商標が審判請求に係る指定商品中の「かばん類」に使用されている、との被請求人の主張はその根拠を欠くといわざるを得ない。
(6)以上のとおり、被請求人が提示する証拠をもっては、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、審判請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていることを被請求人が証明したということはできず、その指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしたとはいえないものである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証(枝番を含む。)を提出した。
乙第2号証の3は、イトーヨーカドー木場店の売場のほかの角度からの写真である。
乙第2号証の4は、本件商標を使用していることを示すイトーヨーカドー大和鶴間店の売場の写真である。
商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という場合がある。)に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
本件は、本件商標の指定商品中、第14類「貴金属製のがま口及び財布」、第18類「かばん類,袋物」及び第21類「洗面用具入れ」についての登録の取消しを請求されたものであり、これに対し、被請求人は、上記請求に係る指定商品中、「かばん類」について、商標権者が本件商標を使用している旨答弁し、乙各号証を提出しているので、以下検討する。
乙第1号証及び乙第2号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証
乙第1号証は、特許庁審判長をあて名とする「株式会社イトーヨーカ堂企画室法務担当 北村精司」の平成23年12月13日付け陳述書であると認められるところ、書面の中央に2枚の写真が表示されており、「上記写真にある、イトーヨーカドー木場店の本件商標を掲げた売場で販売している鞄(品番:7592−7042 JANコード:4943777090927 ワンピースディパック 白 フリー)は、当社の各店舗での合計で、2011年度第25週(平成23年8月15日より平成23年8月21日までの週)に、46点仕入れ、少なくとも2011年度第28週(平成23年9月5日より平成23年9月11日までの週)に1点販売しております。なお、同品番(品番:7592−7042)の合計ですと、2011年度第25週(平成23年8月15日より平成23年8月21日までの週)に135点、翌第26週(平成23年8月22日より平成23年8月28日までの週)に3点をそれぞれ仕入れ、2011年度第25週(平成23年8月15日より平成23年8月21日までの週)から同第32週(平成23年10月3日より平成23年10月9日までの週)までに合計25点を販売しております。」との記載がある。
(2)乙第2号証の1は、乙第1号証に表示された左側の写真の拡大写真であると認められるところ、写真の説明として、「撮影者:木場店 磯部和裕」によって「平成23年12月10日」に撮影された「デイパックの写真」である旨の記載がされている。そして、写真中の商品「デイパック」に付された値札に表示された「JANコード」の数字は、陳述書(第1号証)の記載と符合するが、「品番」の数字は、一部不鮮明であり、確認することができない。
(3)乙第2号証の2は、乙第1号証に表示された右側の写真の拡大写真であると認められるところ、写真の説明として、「撮影者:木場店 磯部和裕」によって「平成23年12月10日」に撮影された「イトーヨーカドー木場店の ONE QUARTER の売場の写真」である旨の記載がされている。そして、該写真は、商品「デイパック」を含む商品の売場が撮影されたものと認められるが、該商品が乙第2号証の1に表された商品「デイパック」であるか否かは確認できない。また、被請求人は、「乙第2号証の2では、不鮮明ではあるが本件商標が売場名として使用されていることが判る。」旨主張しているが、本件商標を確認することができない。
(4)乙第2号証の3は、イトーヨーカドー木場店の売場のほかの角度からの写真とするものであるところ、写真の説明として、「撮影者:木場店 磯部和裕」によって「平成23年12月10日」に撮影された「イトーヨーカドー木場店の ONE QUARTER の売場の写真」である旨の記載がされている。該写真は、その中に本件商標を確認することができない。
(5)乙第2号証の4は、本件商標を使用していることを示すイトーヨーカドー大和鶴間店の売場の写真とするものであるところ、写真の説明として、「撮影者:大和鶴間店 園田直弘」によって「平成23年11月30日」に撮影された「イトーヨーカドー大和鶴間店の ONE QUARTER の売場の写真」である旨の記載がされている。該写真は、そのほぼ中央部に位置する横長の表示板上に、「1.25 ONE・QUARTER」(「.25」の部分は「1」の大きさに比して、縦の長さにして半分以下で表されている。以下同様。)の文字等が表されている。
(1)上記2の事実からすると、以下のとおり判断するのが相当である。
ア 使用商標について
乙第1号証及び乙第2号証の1ないし3においては、使用商標が記載されている部分を何ら見いだすことができない一方、乙第2号証の4において、「1.25 ONE・QUARTER」の表示が認められる。しかしながら、乙第2号証の4における表示は、本件商標が、別掲のとおり、大きく書された「1・25」の数字の右方に「/」(スラッシュ)を介して「FOR MEN」及び「ONE・QUARTER」の各欧文字を2段に書してなるものであることからすると、本件商標の構成中にある「/」の記号及び「FOR MEN」の欧文字部分を欠いているほか、その構成要素の大きさについても少なからず差異があることから、本件商標と当該表示とは、外観において同視できないものと認められ、当該表示をもって本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されているとはいえない。
イ 使用商品及び使用商品と使用商標との関係について
乙第1号証及び乙第2号証の1ないし4は、すべて要証期間外の証拠であると認められるものであって、被請求人は、「陳述書」(乙第1号証)により「イトーヨーカドー木場店の本件商標を掲げた売場において、鞄(品番:7592−7042 JANコード:4943777090927 ワンピースディパック)を要証期間内に販売した。」旨述べたにすぎないものである。よって、これらの証拠のみによっては、要証期間内において、被請求人が主張する商品「かばん類(デイパック)」を被請求人(商標権者)が販売したことを認めることはできない。
また、仮に、要証期間において、上記商品「かばん(デイパック)」を被請求人(商標権者)が販売したことが認められるとしても、上記アのとおり、乙第1号証及び乙第2号証の1ないし3においては、使用商標が記載されている部分を何ら見いだすことができないものであるから、本件商標を使用したということはできない。
(2)請求人は、「乙第1号証及び乙第2号証の1ないし3は、本件商標の使用を裏付ける証拠として十分とはいえない。乙第2号証の4に表示されている写真には、被請求人が使用商品として主張する『かばん類』に属する商品の存在を認識することができず、また、横長の表示板に表示された『1・25 ONE−QUARTER』の数字と文字とを組み合わせてなる使用商標は、本件商標と社会通念上同一というには無理がある。さらに、乙第1号証及び乙第2号証の1ないし3の写真は、被請求人の木場店にて撮影されたものであるのに対し、乙第2号証の4は、大和鶴間店で撮影されたものであるから、異なる店舗にて別々に撮影された写真を組み合わせて、本件商標が商品『かばん類』に使用されている、との被請求人の主張はその根拠を欠く。」旨主張しているところ、被請求人は、請求人による当該主張に対して何らの具体的な答弁をせず、追加の証拠も提出していない。
(3)以上を踏まえれば、被請求人の提出に係る上記乙各号証によっては、本件審判の請求に係る指定商品中「かばん類」について、商標権者が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を要証期間に日本国内において使用していたとはいえない。
以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品である第14類「貴金属製のがま口及び財布」、第18類「かばん類,袋物」及び第21類「洗面用具入れ」について、本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品について使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の商品」について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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