Trademark Appeal Case
地名・商品名結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−7921(T2011−7921/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類「茶,コーヒー及びココア,菓子及びパン,コーヒー豆,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」を指定商品として、平成21年8月18日に登録出願され、その後、原審における平成22年4月2日受付けの手続補正書により、第30類「鉾田市産のバウムクーヘン」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『茨城県中東部、鹿島灘に面する市』程の意味合いを有する『鉾田』の文字を欧文字表記したものと容易に解される『HOKOTA』の文字と、その指定商品との関係からして『BAUMKUCHEN(バウムクーヘン)』を容易に認識させる『BAUM』の文字とを一連に『HOKOTA BAUM』と普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これよりは全体として『鉾田市産のバウムクーヘン』の意味合いを理解させるにとどまり、単に商品の品質(内容)を表示するものにすぎない。したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知の要旨
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知した。
4 証拠調べに対する意見の要旨
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、以下のように述べている。
(1)本願商標が、自他商品識別力を具備するか否かは、「HOKOTABAUM」全体から判断されるべきである。「鉾田」及び「鉾田市」の事実が存在したとしても、本願商標の構成態様は「HOKOTABAUM」であり、一体不可分の商標で造語であり、かつ、「HOKOTA」と「BAUM」に分離して観察ができない商標であるから、本願商標が産地表示、販売地表示及び品質表示であると決めつけることは合理的ではない。よって、本願商標は、当然に自他商品識別力を有するものである。
(2)本願商標は、欧文字の大文字で一体不可分かつ一連に「HOKOTABAUM」と横書きした構成態様であり、特に「H、O、A」のスペルに特徴を有する特殊字体を使用したものである。
(3)請求人が、平成23年6月3日付けで提出した手続補足書(第29号証及び第30号証)及び同年8月19日付けで提出した手続補足書(第31号証)のとおり、2011年5月にベルギ−で開催された「モンドセレクション」で金賞を受賞し、新聞に報道され、受賞後茨城県知事に受賞報告をする(第31号証)ことにより、「HOKOTABAUM」は、一躍有名になり売上額も上昇している。
(4)本願商標が、産地表示、販売地表示、品質表示等として一般的に使用されている事実は全くない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、別掲のとおり、ややデザイン化された「HOKOTA BAUM」の欧文字を横書きしてなるものである。
しかして、近時、各種のレタリング文字が広く使用されている実情よりすれば、本願商標の構成は、全体として格別特殊な態様とはいえず、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものとみるのが相当である。
また、構成中の「HOKOTA」と「BAUM」の各文字が、半角ほどの空白を空けて表されていることから視覚上容易に分離して認識、把握されるものである。
そして、本願指定商品「鉾田市産のバウムクーヘン」との関係において、その構成中、前半部の「HOKOTA」の文字は、「茨城県中東部、鹿島灘に面する市」(広辞苑第六版)である「鉾田市」を表したものと理解される語であり、後半部の「BAUM」の文字は、「BAUMKUCHEN(バウムクーヘン)」を認識させる語であるから、その構成全体からは、「鉾田市産のバウムクーヘン」程の意味合いを有する語として、取引者、需要者に認識されるものとみるのが自然である。
そうとすれば、本願商標は、「HOKOTA BAUM」の欧文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるにすぎないものであるから、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、本願商標について、単に、「鉾田市産のバウムクーヘン」であることを表したものであって、当該商品の品質、産地、販売地等を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項について
請求人は、前記第3の証拠調べ通知に対して、平成24年2月24日受付けの上申書において、「商標法第3条第2項に該当する商標であるとの主張を証明する証拠収集を行っていたが、本件についての商標法第3条第2項の適用に関する書面提出を断念することにした。」旨述べており、本願商標が、その指定商品に使用された結果、取引者、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものとは認められないものである。
(3)請求人の主張について
請求人は、証拠調べ通知に対して、以下のように主張する。
ア 「本願商標が、自他商品識別力を具備するか否かは、『HOKOTABAUM』全体から判断されるべきである。『鉾田』及び『鉾田市』の事実が存在したとしても、本願商標の構成態様は『HOKOTABAUM』であり、一体不可分の商標で造語であり、かつ、『HOKOTA』と『BAUM』に分離して観察ができない商標であるから、本願商標が産地表示、販売地表示及び品質表示であると決めつけることは合理的ではない。よって、本願商標は、当然に自他商品識別力を有するものである。」旨述べている。
しかしながら、前記認定のとおり、本願商標を構成する「HOKOTA」及び「BAUM」の語は、本願指定商品「鉾田市産のバウムクーヘン」との関係において、品質、産地、販売地等を表示する語であり、本願商標が自他商品の識別力を有しないことは、上記(1)の認定のとおりである。
さらに、その指定商品を取り扱う業界においては、「バウム」や「BAUM」等の文字が、地名を表示する語と組み合わされて、「○○バウム(○○は地名)」「○○BAUM」のように、「○○で製造されたバウムクーヘン」を表す語として使用されている実情が、前記3の証拠調べ通知に示した事実によっても認められるところである。
したがって、両語を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるにすぎない本願商標よりは、その指定商品との関係により、「鉾田市産のバウムクーヘン」であることを取引者、需要者をして容易に認識させるにすぎないものである。
イ 「本願商標は、欧文字の大文字で一体不可分かつ一連に『HOKOTABAUM』と横書きした構成態様であり、特に『H、O、A』のスペルに特徴を有する特殊字体を使用したものである。」旨述べている。
しかしながら、本願商標は、別掲に示すとおり、「HOKOTA BAUM」の欧文字を表してなるところ、食料品を取り扱う分野の商品ラベルとして同程度のデザイン化は普通に行われており、本願商標の構成全体として格別特殊な態様とはいえず、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものとした、上記(1)の認定のとおりである。
ウ 「請求人が、平成23年6月3日付けで提出した手続補足書(第29号証及び第30号証)及び同年8月19日付けで提出した手続補足書(第31号証)のとおり、2011年5月にベルギ−で開催された『モンドセレクション』で金賞を受賞し、新聞に報道され、受賞後茨城県知事に受賞報告をする(第31号証)ことにより、『HOKOTABAUM』は、一躍有名になり売上額も上昇している。」旨述べている。
しかしながら、請求人が提出した証拠は不十分であり、かつ、前記(2)のとおり、請求人は、「商標法第3条第2項の適用に関する書面提出を断念することにした。」と記載している。
エ 「本願商標が、産地表示、販売地表示、品質表示等として一般的に使用されている事実は全くない。」旨述べている。
しかしながら、上記(1)の認定のとおり、本願商標は、指定商品「鉾田市産のバウムクーヘン」との関係において、その商品の品質、産地、販売地を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものである。
したがって、上記請求人の主張は、いずれも採用することができない。
オ 請求人は、自身の「HOKOTA」及び「BAUM」の文字を含む登録例並びに過去の登録例を挙示して、本願商標もこれと同様に登録されて然るべきものである旨述べている。
しかしながら、請求人が主張する登録例は、商標の具体的構成や指定商品において本願商標とは事案を異にするものであり、しかも、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、その登録例に拘束されるべき理由はない。
したがって、上記請求人の主張は、採用することができない。
(4)むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備しないものであるから、これを理由に本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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