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Trademark Appeal Case

「らくらく」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2011−19200(T2011−19200/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第7類「家庭園芸用電池式噴霧器,その他の消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。)」を指定商品として、平成21年11月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)商標法第6条第2項について

本願の指定商品中の「家庭園芸用電池式噴霧器」は、出願人の提出に係る意見書の内容に徴すれば、政令で定める商品及び役務の区分の第21類に属する商品と認められるから、本願は、商標法第6条第2項の要件を具備しない。

(2)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、「らくらく」の文字を表してなるところ、該文字は、「たやすいさま」等を意味する語として普通に使用される語であり、その指定商品中の「噴霧器」についてみると、インターネット情報において、取り扱い(操作)が簡単な商品が多数販売されていることからすれば、本願商標は、全体として「取り扱いや操作が簡単な商品」程の意味合いを容易に認識させるにすぎず、これを本願指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審においてした証拠調べ

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、別掲2記載の事実を発見したので、平成24年3月27日付けで、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、それを請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点

(1)本願商標である「らくらく」の文字が、辞書等にて「たやすく物事を行うさま」等との意味を有する語として記載されており、また、証拠調べ通知書中の「らくらく」等の文字の使用例があるとしても、「らくらく」等の文字の前後に物事や状態を表す語が付加されて、初めて全体としての意味合いが特定できるといい得るものであるから、「らくらく」の文字のみからなる本願商標が、これに接する取引者、需要者に、「取り扱いや操作が簡単なもの」との意味合い、すなわち商品の品質を表したものとして直ちに把握、理解されるとは到底認め難いものであり、たとえ、上記意味合いを理解させるにすぎないとしても、商品の品質を間接的に表示するにすぎないものである。

(2)証拠方法として新たに追加した「らくらく」等の文字を含む審決例及び登録例との関係からみても、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとする原査定は覆されるべきである。

5 当審の判断

(1)商標法第6条第2項該当性について

本願の指定商品は、前記1のとおり、第7類「家庭園芸用電池式噴霧器,その他の消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。)」であるところ、その指定商品中「家庭園芸用電池式噴霧器」は、原審における平成22年6月22日付け意見書の内容によれば、主に家庭園芸における害虫駆除剤の散布に使用するためのものであって、「押すだけで自動噴霧!」、「長時間使っても疲れない!」等と記載されているように、従来のハンドスプレー(手動式スプレー)に比して、その操作を容易とし、また、疲労を軽減すべく、電動式としたスプレーであり、さらに、従来のハンドスプレーに替えて使えるとするものである。

そうすると、当該商品は、その用途や構造等に鑑みれば、政令で定める商品及び役務の区分の第21類に属するものとするのが相当である。

したがって、本願は、いまだ商標法第6条第2項の要件を具備するものではない。

(2)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、別掲1のとおり、「らくらく」の文字を表してなり、その指定商品を第7類「家庭園芸用電池式噴霧器,その他の消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。)」とするものである。

ところで、機械器具については、その性能や操作性等といった品質の向上を図るべく、商品の開発や改良が日々進行しており、また、そのような商品の広告、宣伝の際には、改良点を商品の特徴として掲げる等してその品質をうたうことが広く一般に行われているところ、このことは、上記本願の指定商品についても該当するといえる。そして、当該商品である噴霧器又は散布機の本質は、液剤等を的確に対象物に噴霧又は散布することであり、また、その品質の向上といった観点からすれば、商品の使用に係る手段又は方法のいかんを問わず、そのような噴霧又は散布をより簡便に行うことが求められているとみるのが相当である。

そこで、以上を踏まえて本願商標をみるに、本願商標は、上記のとおり、「らくらく」の文字を表してなるところ、該文字の読みに対応する語としては、請求人の主張するように、「楽楽」のほかにも「落落」又は「犖犖」があるとはいえるものの、後二者の語は、前者の語に比してさほど馴染みのあるものとはいえず、また、証拠調べ通知において示した商品「噴霧器」等に係る「らくらく」又は「ラクラク」の語の用例に照らせば、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「らくらく」の文字を「たやすく物事を行うさま。やすやす。」等の語義を有する「楽楽」の読みを平仮名表記したものとして理解、認識するとみるのが自然である。

また、証拠調べ通知において示したとおり、商品「噴霧器」等を取り扱う業界においては、操作や用法の容易性、手動に代わる動力源の具備等を商品の特徴として掲げて、噴霧等をより簡便に行うことができることをうたう広告、宣伝が広く一般に行われているとともに、そのような広告、宣伝において「らくらく」又は「ラクラク」の文字が広く使用されている実情があるところ、請求人に係る本願の指定商品「家庭園芸用電池式噴霧器」についても、その商品の包装や広告等において、「カダン」、「らくらく」及び「スプレー」の各文字の三段書き(「らくらく」の文字は、他の文字に比して、大きく顕著に表されている。)の上方に「電動式」、同じく、下方に「長時間使っても疲れない!」の各表示がされていたり、電動式である当該商品を従来のハンドスプレー(手動式スプレー)に替えて使用することができる旨の記載とともに、「押すだけで自動噴霧!」の表示がされていることからすれば、少なくとも当該商品についての「らくらく」の文字の使用は、これに接する者をして、当該商品が電動式であるために、従来の手動式のものよりも簡便に噴霧することができるものであることをうたう表示として認識されるとみるのが相当である。

そうとすると、「らくらく」の文字からなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該文字から容易に「たやすく物事を行うさま。やすやす。」といった意味を想起し、該商品が噴霧等をより簡便に行うことができるものであること、すなわち商品の品質を表したものとして認識するにとどまるというべきである。

したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、「らくらく」の文字が、その文字の前後に物事や状態を表す語が付加されて、初めて全体としての意味合いが特定できるといい得るものであるから、「らくらく」の文字のみからなる本願商標が、商品の品質を表したものとして直ちに理解されるとはいえず、たとえ上記意味合いを認識させるとしても、商品の品質を間接的に表示するにすぎないものであると主張する。

しかしながら、本願商標がその指定商品についての品質を表したものであるか否かの判断は、本願商標に接する取引者、需要者の一般の認識をもって判断すべきものであるところ(最高裁昭和60年(行ツ)第68号 昭和61年1月23日第一小法廷判決参照)、本願の指定商品を取り扱う業界における取引の実情に照らせば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、商品が噴霧等をより簡便に行うことができるものであること、すなわち商品の品質を表したものとして認識するにとどまることは、先の認定、判断のとおりである。

イ 請求人は、「らくらく(ラクラク)」の文字からなる商標及び該文字を含む商標の審決例及び登録例を挙げ、これらとの関係からみても、本願商標は、自他商品の識別機能を有するものとして登録されるべきと主張する。

しかしながら、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、該商標の構成態様と指定商品との関係に基づき、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、ほかの審決例及び登録例の存在をもって、上記判断は何ら左右されるものではない。

ウ したがって、請求人のいずれの主張も採用することはできない。

(4)結論

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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