Trademark Appeal Case
オーラルエステの品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2012−6724(T2012−6724/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「オーラルエステ」の文字を標準文字で表してなり、第3類「歯のホワイトニング用練り歯磨き」を指定商品として、平成23年3月31日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『オーラルエステ』の文字を標準文字で表してなるところ、構成中『オーラル』の文字は『口の』を意味する語として、『エステ』の文字は『エステティック』の略語であり、現在の日本では頭髪関係を除く全ての美容を意味する語として、それぞれ広く親しまれているものである。そして、『エステ』の文字は『フットエステ』『ハンドエステ』等、『○○エステ』のように使用され、特定の部分をキレイにあるいはケアすることを意味する語として使用されている実情があり、『オーラルエステ』の文字についても『口の中をキレイにすること』程を意味する語として、近時使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、『オーラルエステ用の商品』であることを認識するにとどまり、単に商品の品質・用途を表示したにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項題3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり「オーラルエステ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「オーラル」の文字は「口の」の意味を有し、例えば「オーラルケア」「オーラルコミュニケーション」のように、他の語の前に付して熟語を形成する語として、また、「エステ」の文字は「エステティック(美顔、贅肉・無駄毛の除去、マッサージなどを行う全身美容)」の略語として、広く知られているものであることからして、「オーラル」及び「エステ」の語を結合してなるものと容易に認識し得るものである。
そして、「エステ」の語が、例えば「フェイシャルエステ」「ボディエステ」の如く、その対象となる部分を表す語と結合して使われるのが一般的であることからすれば、「オーラル」の文字と「エステ」の文字を結合してなる本願商標「オーラルエステ」の文字からは、「口の美容(口腔内の手入れ)」ほどの意味合いを容易に想起させるものであり、該意味合いで一般に使用されていることは、原審で示した事例のほか、別掲1の記事からも裏付けられるものである。
また、別掲2のとおり、商品「歯磨きジェル」について、「オーラルエステ」の文字が商品の用途、品質を表示するものとして使用されている実情がある。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者が「口腔内を手入れ(ケア)するために使用する練り歯磨き」であることを表示したもの、すなわち商品の用途、品質を表示したものと認識するにすぎないものといわなければならない。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、歯など口中を手入れする場合は、「エステ」の語を使用するのは不自然であり、一般的な表記とは言い難い旨主張している。
しかしながら、別掲3のとおり、「歯磨き」や「歯の手入れ」について、「エステ」の語が使用されている実情があることからすれば、歯などの口中を手入れする場合に「エステ」の語を使用することが不自然ということはできない。
イ 請求人は、「オーラルエステ」の語の使用が見いだせるのは、歯科クリニックや美容業界が行う「サービス(役務)」についてであって、本願指定商品を取り扱う業界において使用されている事実は見いだせない旨主張している。
しかしながら、別掲2のとおり、商品「歯磨きジェル」について「オーラルエステ」の文字が商品の用途、品質を表示するものとして使用されている実情がある。また、本願指定商品は「歯の手入れ」に使用する商品であって、歯科クリニック等が行う「サービス(役務)」と密接に関連する商品であるといえ、該業界において「オーラルエステ」用の歯磨きが流通していることからすれば、本願商標はその指定商品の品質(用途)表示であるといわざるを得ない。
ウ 請求人は、「オーラルエステ」の語は、商品の品質を漠然と暗示的にイメージさせる語に過ぎず、本願指定商品の品質を具体的且つ直接的に特定するのは困難であるから自他商品識別力を発揮できる語である旨主張し、また、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、前述のとおり、「オーラルエステ」の文字が「口の美容(口腔内の手入れ)」ほどの意味合いを表すものとして、本願指定商品を取り扱う業界において使用されていることからすれば、該文字は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するといえるものであって、特定人による独占使用を認めるのは妥当なものとはいえないというのが相当である。また、商標が自他商品識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、本願商標については前述のとおり判断するのが相当であって、他の登録例の存在によってこの判断は何ら左右されるものではない。
したがって、請求人の主張は何れも採用することができない。
(3)むすび
してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、商品の用途、品質を表示するにすぎないものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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