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Trademark Appeal Case

成分名称と商標的使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2011−300899(T2011−300899/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5119201号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5119201号商標(以下「本件商標」という。)は、「MKP」の欧文字と「エム ケー ピー」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成17年11月11日に登録出願、第29類「ラクトフェリン・ラクチュロース・ビフィズス菌・乳酸菌・乳・ペプチド・ビタミン・脂質・糖質・カルシウム・たんぱく質・乳たんぱく分解物・ミネラル・アミノ酸・食物繊維・炭水化物・デキストリン・麦芽糖を主原料とする粉状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・ペースト状・ゲル状・ゼリー状・クリーム状・液状の加工食品」を指定商品として、平成20年3月14日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標の商標権者が、第29類の全指定商品について過去3年以内に本件商標を日本国内において使用した事実は見当たらない。また、本件商標の登録原簿によれば、現在までに本件商標の商標権について専用使用権又は通常使用権の設定登録がなされた事実も見当たらない(甲第1号証)。

よって、本件商標は、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれもが、日本国内において継続して3年以上、第29類の全指定商品について使用していないと判断されるものであるから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

(2)弁駁の理由

ア 答弁書及び答弁書で示された証拠方法をみると,本件商標の使用事実は十分に証明されていないことが明らかである。

イ 本件商標は、上段に「MKP」の欧文字を書してなり、下段に「エムケーピー」という片仮名を書してなる二段書きの態様であるが、乙第1号証ないし乙第5号証及び乙第7号証には、「MKP」の欧文字も「エムケーピー」という片仮名も全く見当たらない。そのため、これらの証拠については、詳細に検討するまでもなく、本件商標の使用事実を証明する証拠にはなり得ない。

ウ 他方、乙第6号証には「MKP」の欧文字が見当たるので、かかる証拠について検討する。

(ア)本件商標は、第29類の「ラクトフェリン・ラクチュロース・ビフィズス菌・乳酸菌・乳・ペプチド・ビタミン・脂質・糖質・カルシウム・たんぱく質・乳たんぱく分解物・ミネラル・アミノ酸・食物繊維・炭水化物・デキストリン・麦芽糖を主原料とする粉状・粒状・顆粒状・錠剤状・カプセル状・ペースト状・ゲル状・ゼリー状・クリーム状・液状の加工食品」(いわゆる健康食品)についての商品商標であるところ、商品商標の使用とは、(ア)商品又は商品の包装に商標を付する行為、(イ)商品又は商品の包装に商標を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為、(ウ)商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に商標を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に商標を付して電磁的方法により提供する行為である(商標法第2条第3項)。

そうすると、被請求人は、乙第6号証が上記(ウ)のうち「商品に関する広告に本件商標を付して展示する行為」の証拠であると主張していると推察される。

(イ)乙第6号証には、「ペプチド、たんばく質、アミノ酸」といった本件商標の指定商品の主原料の名称が幾つか記載されているだけであり、「ラクトフェリン、ラクチュロース、ビフィズス菌等を主原料とする加工食品」、すなわち、本件商標の指定商品についての記載・情報が何ら見当たらない。

したがって、乙第6号証は、本件商標の指定商品に関する広告とはいえず、本件商標の指定商品についての使用証拠には到底なり得ない。

(ウ)乙第6号証において「MKP」の欧文字がどのように使用されているか確認すると、「・・(略)・・さらに、その中から活性成分MKPを同定しました」「MKPとは」「MKPは、アミノ酸である、“メチオニン、リジン、プロリン”がつながったペプチドです。」「MKP含有ミルクペプチド」のような記載がある。

このように、乙第6号証において「MKP」の欧文字は、すべて文や語句の一部として使用されているため、取引者・需要者が、かかる「MKP」という欧文字を自他商品の識別標識として認識するとは考え難く、単に食品由来の特定のペプチドの名称(又は略称)として認識すると考えるのが自然である。

すなわち、これらの「MKP」という欧文字の使用は、商品の出所識別標識として機能する使用態様ではないから、「商標的な使用態様」といえるものではなく、本件商標の使用の事実を証明する証拠にはなり得ない。

(エ)被請求人は、乙第1号証ないし乙第5号証をもって、乙第6号証のパネルが、平成23年10月5日から10月7日まで東京ビッグサイト(東京国際展示場)において開催された「食品開発展2011」に展示されていた旨を主張しているが、乙第5号証の写真が東京ビッグサイトにおいて撮影されたものであるという事実を示す証拠は、当該写真には何ら写っていない。

また、当該写真の右下方には「2011.10.06」という日付を表す数字が写っているように見えるが、近年のカメラで撮影された写真は容易に加工修正が可能であるから、公証人の確定日付等がない乙第5号証のみをもって、当該写真が真に2011年10月6日に撮影されたものであると断定することは困難である。

したがって、乙第6号証のパネルが実際に展示されていたとしても、かかる展示が東京ビッグサイトにおいて平成23年10月5日から10月7日までの期間になされた事実は、十分に証明されていない。

(3)口頭審理における陳述

ア 乙第6号証が示すパネルの表示は「MKP」と名付けられた特定のペプチドに関する説明であり、本件商標の指定商品に関する記載・情報は何ら見当たらないから、本件商標の指定商品についての使用とは認められない。

この点について、被請求人も「健康食品またはサプリメントというよりは、それらの主原料となり得るペプチドというべき商品を広告したものとの理解が自然である。」旨述べていることからも明らかである。

イ すべての乙号証を総合考慮しても、乙第7号証の写真中の「血圧改善型ミルクペプチド配合タブレット」(以下「本件タブレット」という。)が、「食品開発展2011」において実際に陳列され、頒布されたという事実は何ら証拠によって立証されていない。

本件タブレットが「食品開発展2011」において乙第6号証のパネル付近で試供品として頒布されたとしても、当該パネルに記載されているのは「MKP」と名付けられた特定のペプチドに関する説明文であって、当該ペプチドを用いた健康食品やサプリメントに関する情報は何ら記載されていない。

さらに、本件タブレットには「MKP」の標章を付すスペースが十分にあるにもかかわらず記載されていない。

したがって、当該パネルの「MKP」という文字標章に接した取引者又は需要者が、当該パネル付近で本件タブレットを試供品として受け取ったとしても、かかる「MKP」の文字標章は健康食品やサプリメントの商標ではなく、ペプチドの商標として認識されると考えるのが自然である。

ウ 無償の物品は、取引を全体として観察すると商取引の対象になっている等の事情がある場合を除いて、いわゆる取引性が認められない。本件タブレットは無償で配布されたのみであり、発売に至っていないのであるから、取引性が認められないことは明らかである。

また、本件タブレットにはロット番号や原材料さえ明記されていないシールが貼付されているだけであるから、商取引の目的物として一般市場において転々流通するものであるとは到底認められない。

さらに、すべての乙号証を総合考慮しても、本件タブレットが「食品開発展2011」において実際に頒布された事実は何ら立証されていない。

したがって、本件タブレットは「食品開発展2011」が開催された時点において、商標法上の商品として存在していたとは認められない。

エ 乙第5号証の写真が2011年10月6日に撮影されたものであったとしても、当該写真には「食品開発展2011」の会場であることを示す文字や、他社のブースの様子等が写っていないことから、かかる写真のみをもって直ちに乙第6号証のパネルが「食品開発展2011」において展示されていた事実を認めることはできない。

したがって、乙第6号証のパネルが「食品開発展2011」において展示されていた事実は十分に証明されておらず、その結果、乙第6号証の「MKP」の文字商標は、その使用時期及び場所について、十分に立証されていない。

オ 以上より、乙各号証を総合的に考慮しても、「食品開発展2011」が開催された時点において、「MKP」の欧文字が本件商標の指定商品に関する広告に使用されていた事実は認められない。

(4)まとめ

以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、本件審判の請求の予告登録日前3年以内に本件商標が被請求人により使用された事実は何ら証明されていない。乙第6号証のような「MKP」の文字の使用では、指定商品との関係において本件商標に業務上の信用は何ら蓄積されていないから、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)答弁の理由

本件商標は、乙第1号証ないし乙第7号証が示すように、本件審判の請求の予告登録日前3年以内に、日本国内において商標権者により請求に係る商品について使用された事実が認められるものである。

ア 乙第1号証は、商標権者たる被請求人が、平成23年10月5日から7日の期間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)にて開催される「食品開発展2011」に新製品他を出展することについて、インターネット上で報じたニュースリリースの打ち出しである。

イ 乙第2号証は、乙第1号証の詳細を示した書面(同じくニュースリリース)の写しである。

ウ 乙第3号証は、「食品開発展2011 Hi&S―tecガイドブック(201I年10月5日発行)」であり、被請求人の出展については、当該ガイドブック第82頁に記載されている。

エ 乙第4号証は、「食品と開発 Vo1.46 No.10/2011年10月号(2011年10月1日発行)」であり、第56頁の記載によって、被請求人が「食品開発展2011」に、いわゆる機能性食品の類を複数点出展したことが認められる。

オ 乙第5号証は、上記「食品開発展2011」における被請求人のブースを撮影した写真(2011年10月6日撮影)である。これには、乙第2号証に詳説された出展に係る機能性食品の各品と同一品名を記載した複数のパネル状宣伝物の展示をみることができる。

カ 乙第6号証は、「パネル状宣伝物の表示内容を示した書面」であり、乙第5号証の写真のうちの「血圧改善型ミルクペプチド」と題されたものと同一内容に係る表示を認めることができるとともに、ここには本件商標と社会通念上同一というべき「MKP」の欧文字よりなる商標の表示が認められる。

キ 乙第7号証は、前記「血圧改善型ミルクペプチド」と題したパネル状宣伝物の近傍において、頒布していたタブレットの試供品の写真である(当該写真は本件答弁のために撮影したものであるから、その撮影の日は前記審判請求の予告登録日後である2011年11月25日である。)。

(2)口頭審理における陳述

ア 乙第6号証のパネル状宣伝物には、記述中とはいえ、他の文字からは独立的に把握され、かつ、それが登録商標であることの表示として慣用されているレジスタードマークを付した「MKP」の表示が認められる。そして、当該パネルには、「MKP」についてペプチドである旨が記述されていることからすると、いわゆる健康食品又はサプリメントというよりは、それらの主原料となり得るペプチドというべき商品を広告宣伝したものとの理解が自然ではある。

しかし、そこに試供品としてのサプリメント(乙第7号証)が陳列され、頒布されていたとすれば、前記「MKP」の文字について当該サプリメントの商標であるとの理解も不自然とまではいい難い。

したがって、乙第6号証が示すパネル状宣伝物中に記載された「MKP」の文字は、本件商標の使用に該当し得る。

イ 本件タブレットは、発売に至っていないいわゆる健康食品又はサプリメントの宣伝用試供品として無償頒布されたものであるから、取引事実こそ存在していないが、発売を企図したいわゆる健康食品又はサプリメントであるから、商標法上の商品と認められるべきである。

ウ 被請求人は、乙第6号証をもって「MKP」の文字の使用事実を示すとともに、乙第1号証ないし乙第5号証により、乙第6号証の展示の事実、時期、場所を明らかにした。

これにより、被請求人は商品に関する広告に商標を付して展示したもの、すなわち、商標法第2条第3項第8号に規定される行為に該当する商標の使用をしたものと認識している。

エ また、本件について、他に提出する証拠はない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、乙各号証で示したように本件審判の請求の予告登録日前3年以内に、日本国内において商標権者により使用されていたと認められるものである。

4 当審の判断

(1)被請求人提出の証拠及び同人の主張によれば、次のとおりである。

ア 乙第1号証及び乙第2号証は、商標権者による「『食品開発展2011』出展のお知らせ」と題する2011年9月29日付け「ニュースリリース」であり、これには、「森永乳業は、2011年10月5日(水)〜7日(金)の3日間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)にて開催される「食品開発展2011」に出展いたします。ダイエット食品や抗メタボ食品に最適な新規ビフィズス菌Bifidobacterium breve B−3、血圧改善型ミルクペプチドなど、当社の新しい技術や研究成果を活用した新製品を中心に展示いたします。」の記載がある。

そして、乙第2号証には、食品開発展2011開催概要が記載され、「森永乳業(株)機能素材事業部 出展概要」として、「小間番号:西1ホール 1−194」の記載があり、出展商品として「プロバイオダイエット−抗肥満ビフィズス菌−」「血圧改善型ミルクペプチド」などの説明がある。

イ 乙第3号証は、平成23年10月5日、UBMメディア株式会社発行の「食品開発展2011 Hi&S−tecガイドブック」であり、その82頁には、「森永乳業(株)」の欄に「Booth No.1−194」とあり、出展商品として「免疫力アップ素材、プロバイオダイエット素材、血圧サポート素材、ミルク風味強化素材」の記載がある。

ウ 乙第4号証は、2011年10月1日、UBMメディア株式会社発行の「食品と開発 Vol.46 No.10 2011年10月号」であり、その56頁には、「4つの新素材を同時発表」として、「森永乳業 機能素材事業部では、今回の展示会で乳関連の4つの新素材を発表する。...1)ダイエット効果のあるプロバイオティクス、2)血圧上昇抑制作用のある乳ペプチド、...いずれも新たなエビデンス、アプリケーションとともに紹介される。」の記載がある。

エ 乙第5号証は、「食品開発展2011」のブースとする写真であり、上段の写真には、「森永乳業」の表示のもとに「プロバイオダイエット 抗肥満ビフィズス菌B−3」の看板があり、下段の写真には、「森永乳業」の表示のもとに「血圧改善型ミルクペプチ」(左端は写っていない。)の看板の下に、やや不鮮明ではあるが、「日本人の3人に1人は...」などと記載されたパネルが掲示されている。また、それらの写真には「2011.10.06」の表示がある。

オ 乙第6号証は、上記パネルと同一内容を表示した書面とする書面であり、上段に「日本人の3人に1人は高血圧と推計され、いまや高血圧は国民病となっています。」の表題の下、「血圧改善型ミルクペプチドの発見!」の項に「森永乳業では、・・・血圧降下作用(ACE阻害)を有する血圧改善型ミルクペプチドが生成することを発見しました。さらに、その中から活性成分MKP●を同定しました。」(審決注:●は「P」の右肩に付された「〇の中にR」の記号。以下省略する。)の記載、「MKPとは?」の項に「MKPは、アミノ酸である、“メチオニン、リジン、プロリン”がつながったペプチドです。現在見つかっている食品由来のペプチドの中でも、優れたACE阻害活性があることが明らかになっています。」の記載がある。さらに、「MKP含有ミルクペプチドの血圧降下作用」の項のグラフの説明中にも「MKP含有ミルクペプチド低用量」「MKP含有ミルクペプチド高用量」の記載がある。

以下、乙第6号証に記載された「MKP」をまとめて「使用商標」という。

カ 乙第7号証1及び乙第7号証2は、乙第5号証の「血圧改善型ミルクペプチド」の看板の下のパネルの近傍で頒布したとするタブレットの試供品の写真であり、その写真には「血圧改善型ミルクペプチド 配合タブレット」「内容量 30粒」及び「森永乳業株式会社 機能素材事業部」の文字が記載されたシールが貼付されている。写真の下には撮影日として「2011年11月25日」及び撮影者の記載がある。

キ なお、乙第1号証ないし乙第5号証及び乙第7号証には「MKP」の記載はない。

(2)上記(1)からすれば、次の事実を認めることができる。

ア 商標権者によるニュースリリース及び「食品開発展2011」のガイドブックには「小間番号」又は「Booth No.」として「1−194」の同一の数字が記載されていること、上記ニュースリリースに商標権者が「プロバイオダイエット 抗肥満ビフィズス菌B−3」「血圧改善型ミルクペプチド」などを出展商品としていること、上記ガイドブックの「森永乳業(株)」の項に「出展商品 プロバイオダイエット素材、血圧サポート素材」「見どころ 森永乳業(株)機能素材事業部では、新製品を中心に展示致します。・・・」などの記載があること、及び乙第5号証の写真に「森永乳業」の表示のもと上記出展商品名と同一といえる表示の看板が認められること(上記(1)アないしエ)から、商標権者は、2011年(平成23年)10月5日から同月7日にかけて開催された「食品開発展2011」に新素材としての「血圧改善型ミルクペプチド」などを出展したとみるのが相当である。

イ 乙第6号証の、上段の「日本人の3人に1人は高血圧と推計され、いまや高血圧は国民病となっています。」の表題及び他の文字、色彩、レイアウトが、乙第5号証の写真に写されている「血圧改善型ミルクペプチ(ド)」のパネル状宣伝物と(不鮮明ではあるが)一致すると認められること(上記(1)オ)から、商標権者は、「食品開発展2011」において、乙第6号証の内容のパネル状宣伝物を展示したとみるのが相当である。

ウ 被請求人は、「食品開発展2011」において「血圧改善型ミルクペプチド」と題したパネル状宣伝物の近傍でタブレットの試供品の陳列、頒布を行っていたと主張し、乙第7号証1及び2を提出している。

しかしながら、乙第7号証1及び2の写真の撮影日が本件の要証期間後の2011年(平成23年)11月25日である(上記(1)カ)ことから、「食品開発展2011」の会場で陳列又は頒布されていたことの証拠とはなり得ず、また、他に上記試供品が該会場で陳列又は頒布されたと認め得る証拠の提出はない。

してみれば、商標権者(被請求人)が上記試供品を「食品開発展2011」の会場で陳列又は頒布していた事実は認めることはできないといわなければならない。

(3)判断

ア 使用時期について

上記(2)アの「食品開発展2011」が開催された平成23年10月5日ないし7日は、本件審判の請求の登録(登録日は平成23年10月13日。)前3年以内である。

イ 使用商標について

上記(1)オのとおり「MKP」の文字からなる使用商標と、上記1のとおり「MKP」及び「エム ケー ピー」の文字からなる本件商標とは、「MKP」の文字及び「エムケーピー」の称呼を共通にするから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といえる。

ウ 使用に係る商品について

本件審判の請求に係る指定商品は、いわゆる健康食品(サプリメント)である。

そして、乙第6号証の「MKPとは?」の項の「MKPは、アミノ酸である、“メチオニン、リジン、プロリン”がつながったペプチドです。」などの記載内容(上記(1)オ)は、被請求人もいうように、いわゆる健康食品(サプリメント)というより、それらの主原料となり得る「ペプチド」というべきものについて説明したものとみるのが自然である。

さらに、上記(2)ウのとおり「食品開発展2011」において(サプリメントの)試供品(乙第7号証)が陳列又は頒布されていたとは認められないことからすれば、使用商品が、本件審判の請求に係る指定商品について使用をしたものと認めることはできない。

また、乙第6号証が、商品「ペプチド」についての広告宣伝であるとしても、該「ペプチド」は商標法施行規則別表の第1類「化学品」の範ちゅうの商品であって、本件審判の請求に係る指定商品に含まれるものということはできない。

ウ 小括

上記のとおり、被請求人提出の乙各号証によっては、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に我が国において本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を表示したパネル状宣伝物を展示したことは認められるものの、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品のいずれかについて使用したことが認められないから、本件商標の使用をしていたと認めることができない。

その他、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標が請求に係る指定商品について使用されていることを認めるに足る証拠はない。

(4)結論

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていることを証明したものと認めることができない。また、被請求人は、請求にかかる指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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