1 本願商標
本願商標は、「ビアソムリエ」の文字を標準文字で表してなり、第41類「ビールに関する知識の教授,ビールに関する資格検定試験の実施,ビールに関する資格認定・資格の付与,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供」を指定役務として、平成23年2月8日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ビアソムリエ』の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中、『ソムリエ』の文字は『フランス料理店などで、ワインの仕入れ・管理を担当し、また客の相談を受けてワインを選定・提供する専門職。』を意味する語として広く知られており、さらに、ワイン以外の分野においても専門的知識を有する者を『○○ソムリエ』と称している実情があることよりすれば、これに『ビール』の意味を有し、ビアガーデン・ビアホール・ビアマグのように使用されている『ビア』の文字を組み合わせた本願商標は、全体として、『ビールに関する知識を有し選定をする専門家』程の意味合いを容易に理解・認識させるものである。そうとすると、本願商標をその指定役務中、例えば『ビールに関する知識の教授,ビールに関する資格検定試験の実施,ビールに関する資格認定・資格の付与』等について使用した場合には、これに接する取引者・需要者は、前記役務であることを認識するにとどまるものであり、本願商標は、単に役務の質、内容を表したものであって、自他役務の識別標識としての機能を果たすものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ビアソムリエ」の文字を標準文字で表してなるところ、これより原審説示のごとき「ビールに関する知識を有し選定をする専門家」程の意味合いを暗示させる場合があるとしても、その指定役務の質を直接的かつ具体的に表示するものとはいい難いものである。
また、当審において職権をもって調査したが、「ビアソムリエ」の文字が、その指定役務を取り扱う業界において、その役務の質を表示するものとして、取引上普通に使用されているという事実も見いだすことはできなかった。
そうとすれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、役務の質について誤認を生じさせるおそれもないものである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。