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Trademark Appeal Case

要部抽出と商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900446(T2011−900446/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5439996号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5439996号商標(以下「本件商標」という。)は、「健康の駅絹石鹸」の文字を横書きしてなり、平成23年3月25日に登録出願、第3類「石鹸」を指定商品として、同年8月12日に登録査定、同年9月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第50号証を提出している。

(1)引用商標

申立人は、自己の所有に係る登録第1380179号商標、同第2528509号商標、同第3131622号商標、同第3149013号商標、同第5225304号商標、同第3059078号商標、同第3258688号商標及び同第4941503号商標を引用商標とするものである。

(2)申立ての理由

本件商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にする類似の商標であって、その指定商品も同一又は類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

また、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と同一又は類似する商標であって、その商品又はこれに類似する商品について使用をするものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。

さらに、本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の需要者、取引者は、申立人の業務に係る商品と出所について混同をするおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 取消理由通知

当審において、商標権者に対し、平成24年6月22日付けで通知した取消理由は、以下のとおりである。

(1)引用商標

申立人の引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも有効に存続しているものである。

ア 登録第3059078号商標(以下「引用商標1」という。)は、「絹石鹸ホワイトフローラル」(「鹸」の文字は正字。以下同じ。)の文字を横書きしてなり、平成4年5月12日に登録出願、第3類「せっけん類」を指定商品として、同7年7月31日に設定登録され、その後、同17年4月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

イ 登録第3258688号商標(以下「引用商標2」という。)は、「絹石鹸」(「鹸」の文字は正字。以下同じ。)の文字と「新鮮パック」の文字とを上下二段に書してなり、平成6年7月11日に登録出願、第3類「化粧石鹸」を指定商品として、同9年2月24日に設定登録され、その後、同18年11月7日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

ウ 登録第4941503号商標(以下「引用商標3」という。)は、「絹石鹸エクセル」の文字を横書きしてなり、平成17年8月4日に登録出願、第3類「せっけん類」を指定商品として、同18年3月31日に設定登録されたものである。

(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標

本件商標は、前記1のとおり、「健康の駅絹石鹸」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「絹石鹸」の文字部分は、後述するとおり、本件商標の指定商品「石鹸」を取り扱う分野においては、申立人の製造、販売に係る商品「石鹸」を表示するものとして、長年にわたり使用された結果、その取引者、需要者間において、広く知られるに至っているといえるものである。

そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者において、商品の出所識別にあたり、その構成中の「絹石鹸」の文字部分がより強く印象付けられるとみるのが相当である。

してみれば、本件商標は、その構成文字全体のみならず、その構成中の「絹石鹸」の文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るといえるものであるから、その構成文字全体に相応する「ケンコウノエキキヌセッケン」の称呼を生ずるほか、その構成中の「絹石鹸」の文字に相応する「キヌセッケン」の称呼をも生ずるものであり、また、その構成全体については、特定の観念を生ずるとはいい難いものの、該「絹石鹸」の文字部分については、申立人の製造、販売に係る商品を連想、想起させ得るものである。

イ 引用商標

引用商標1ないし引用商標3は、上記(1)のアないしウのとおり、それぞれ「絹石鹸ホワイトフローラル」の文字を横書きしてなるもの、「絹石鹸」の文字と「新鮮パック」の文字とを上下二段に書してなるもの及び「絹石鹸エクセル」の文字を横書きしてなるものであって、その指定商品を「せっけん類」又は「化粧石鹸」とするものである。

ところで、申立人は、平成13年1月に鐘紡株式会社から商号変更したカネボウ株式会社からの事業譲渡を受けたカネボウホームプロダクツ株式会社が平成19年に現商号に変更したものであるところ、その前身である鐘紡株式会社は、昭和11年(1936年)に「絹石鹸」を発売し、その後、現在に至るまで継続的に販売しており、その売上高は、昭和46年ないし平成23年の40年間の累計で1,623億円に及ぶものであることからすれば、「絹石鹸」の文字は、商品「石鹸」との関係においては、申立人の製造、販売に係る商品を表すものとして、その取引者、需要者の間に広く認識されているに至っているとみるのが相当である。

そうとすると、上記構成態様からなる引用商標1ないし引用商標3については、それぞれその構成文字全体に相応する称呼を生ずるほか、その構成中の「絹石鹸」の文字部分が看者の注意を強く惹く自他商品識別の要部たり得ることからすれば、該文字部分に相応する「キヌセッケン」の称呼をも生ずるとみるのが相当であり、また、該文字部分をもって、申立人の製造、販売に係る商品を連想、想起させ得るものである。

ウ 本件商標と引用商標との類否

本件商標と引用商標とは、上記のとおり、それぞれの構成全体をもって比較すれば、外観において相違するものではあるものの、前者の構成中の「絹石鹸」の文字についてみれば、それは、後者の構成中にあって自他商品識別の要部たり得る「絹石鹸」の文字と同一といえるものであり、また、両商標は、いずれも「キヌセッケン」の称呼を生ずるものであって、その構成中の「絹石鹸」の文字部分から申立人の製造、販売に係る商品を連想、想起させ得る点をも共通とするものであるから、これらを総合勘案すれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、引用商標に係る商品との関係において、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標といわなければならない。

エ まとめ

以上のとおり、本件商標と引用商標とは、類似する商標であり、また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

商標権者は、前記3の取消理由に対し、何ら意見を述べるところがない。

5 当審の判断

本件商標についてした先の取消理由は、妥当なものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたといわざるを得ないから、ほかの登録異議の申立ての理由について論及するまでもなく、その登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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