Trademark Appeal Case
著名商標との類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900163(T2012−900163/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5481622号商標(以下「本件商標」という。)は、「スミダツリー」の片仮名を標準文字で表してなり、平成23年3月8日登録出願、別掲に記載した商品を指定商品として、同年12月26日に登録査定、同24年3月30日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要旨
(1)商標法第4条第1項第7号について
「東京スカイツリー」は、東京都墨田区に建設された電波塔として著名であり、本件商標は、「墨田区(スミダ)にあるツリー」として「東京スカイツリー」を認識させるものであって、「東京スカイツリー」の名声名誉にただ乗りするものであり、公益性の高い東京スカイツリーの事業主体である東武鉄道株式会社及び東武タワースカイツリー株式会社(いずれも本件登録異議申立人である。以下「申立人ら」という。)と何ら関係のない一私人に指定商品について独占使用を認めることは、公正な競業秩序を害するものであって公の秩序又は善良の風俗に反するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
「東京スカイツリー」は、東京都墨田区に建設された電波塔として著名であり、東京都墨田区業平橋・押上地区の大規模複合開発による東東京エリアの活性化を牽引するとともに、国際観光都市東京の実現に貢献することを基本理念の一つとしており、「東京スカイツリー」の内部及びその足元に大規模な商業施設「東京ソラマチ」が東京スカイツリーの開業に合わせて建設された。
そして、「東京スカイツリー」を中核とした商業施設において広範な営業活動がなされているため、本件商標を使用して提供された商品が、申立人ら又は申立人らと組織的又は経済的に何らかの関連のある者の事業に係る商品であるかのごとく需要者に認識されて、出所の混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号に違反してなされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用標章との類似性の程度について
ア 本件商標について
本件商標は、「スミダツリー」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該文字は、いずれも同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔の片仮名で、一連にまとまりよく表されており、これより生ずる称呼「スミダツリー」もよどみなく一連に称呼し得るものである。
次に、観念についてみると、「スミダ」の文字は、「墨田、隅田、住田、澄田、角田」の様々な漢字を、また、「ツリー」の文字は、「樹木」の意味を有する「tree」の英語をそれぞれ片仮名で表記したものであるとしても、本件商標は、全体として一定の語義を有する語としては知られていないものであるから、一体不可分の造語と認められるものであって、特定の観念を生じないというのが相当である。
イ 引用標章について
引用標章は、「東京スカイツリー」の文字よりなるところ、該構成文字に相応して「トウキョウスカイツリー」の称呼を生じ、電波塔である「東京スカイツリー」の観念を生ずるものである。
ウ 本件商標と引用標章との類否について
本件商標の外観と引用標章の外観とを比較すると、両者は、後半に位置する「ツリー」の文字を共通にするものの、標章の識別上、重要な位置を占める前半の「東京スカイ」又は「スミダ」の文字において顕著な差異を有することから、外観において、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
本件商標から生ずる「スミダツリー」の称呼と引用標章から生ずる「トウキョウスカイツリー」の称呼とを比較すると、両者は、後半に位置する「ツリー」の音を共通にするものの、称呼の識別上、重要な位置を占める前半の「トウキョウスカイ」と「スミダ」の音において顕著な差異を有することから、称呼においても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
本件商標の観念と引用標章の観念とを比較すると、本件商標は、特定の観念を有しない造語であることから、両者は、同一の観念が生じないものであって、観念においても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そうすると、本件商標と引用標章とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれがなく、非類似の商標というべきものである。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、上記1に記載したとおり、「スミダツリー」の片仮名を標準文字で表してなるものであるから、その構成からみて商標の構成に着目した公序良俗に違反するものではない。
次に、本件商標は、その登録出願の経緯が社会通念に照らして著しく妥当性を欠き国家、社会の利益を害する場合のような主体に着目した公序良俗に違反するか否かについて検討する。
申立人らは、本件商標が、「東京スカイツリー」を認識させるものであって、その名声名誉にただ乗りするものであり、公益性の高いその事業主体である申立人らと何ら関係のない一私人に指定商品について独占使用を認めることは、公正な競業秩序を害するものであって公の秩序又は善良の風俗に違反するものである旨主張する。
しかしながら、本件商標は、上記(1)に記載したとおり、引用標章とは、類似しない別異の商標というべきものである。また、東京スカイツリーが東京都墨田区に存在する電波塔であることから、仮に、本件商標がこれを暗示させる場合があるとしても、本件商標は、直ちに、該電波塔を認識させる表記ということはできないから、「東京スカイツリー」の観念を生じるものではない。
してみれば、本件商標は、その名声にただ乗りするものであるとはいえないものであるから、申立人らの主張は採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものということはできない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人らは、まず、本件商標の商標権者が、著名な「東京スカイツリー」を認識させる構成で本件商標の登録出願をし、その登録を受けたと主張するものと解される。また、申立人らは、「東京スカイツリー」の内部及びその足元に大規模な商業施設「東京ソラマチ」が東京スカイツリーの開業に合わせて建設され、「東京スカイツリー」を中核とした商業施設において広範な営業活動がなされているため、本件商標を使用する商品が、申立人ら又は申立人らと組織的又は経済的に何らかの関連のある者の事業に係る商品であるかのごとく需要者に認識されて、出所の混同を生じるおそれがある旨主張する。
しかしながら、本件商標は、上記(1)に記載したとおり、引用標章とは、類似しない別異の商標というべきものであって、仮に、本号適用の判断基準時である本件商標の登録出願時(平成23年3月8日)及び登録査定時(同24年1月10日)の時点において、「東京スカイツリー」の名称が著名になっていたとしても、上記(2)に記載したとおり、本件商標は、必ずしも「東京スカイツリー」を認識させるとはいえないものである。
そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、申立人ら又は申立人らと組織的又は経済的に何らかの関連のある者の事業に係る商品であるかのごとく需要者に認識されて、出所の混同を生じるおそれはないというべきものであるから、申立人らの主張は採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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