Trademark Appeal Case
要部抽出と品質誤認
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900149(T2012−900149/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5475364号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成23年12月21日に登録出願され、第9類「眼鏡及びその部品・付属品,眼鏡用容器,コンタクトレンズ及びその付属品,カラーコンタクトレンズ,コンタクトレンズの容器,サングラス及びその部品・付属品,サングラス用容器」を指定商品として、同24年2月14日に登録査定、同年3月2日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第5440482号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成23年4月25日に登録出願され、第9類「コンタクトレンズ,カラーコンタクトレンズ」を指定商品として、同年9月22日に設定登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標に係る指定商品は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似する商品である。
ところで、本件商標に係る指定商品を取り扱う業界においては、色違いの商品が販売されているという取引の実情が存在する(甲第3号証ないし甲第11号証)ことからすれば、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、本件商標の構成中の「ブラウン\BROWN」の文字部分が商品の色を表した品質表示として認識するにすぎない。
そうすると、本件商標の要部は、その構成中の「キャンディー\CANDY」の文字部分であるといえるものであり、本件商標からは、その構成全体に相応する「キャンディーブラウン」の称呼のみならず、該要部に相応する「キャンディー」の称呼をも生じる。
他方、引用商標からは、明らかに「キャンディー」の称呼が生じる。
してみれば、本件商標と引用商標とは、ともに「キャンディー」の称呼を生じ、その称呼において類似の商標である。
また、本件商標と引用商標とは、ともに「キャンディー」の称呼が生じるため、「飴(あめ)」との観念がともに生ずるから、その観念において類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本件商標に係る指定商品中の「コンタクトレンズ」には、「カラーコンタクトレンズ」が含まれるところ、通常、色が付いておらず視力矯正用の度入りのコンタクトレンズを単に「コンタクトレンズ」と称する一方、色が付いているファッション用のコンタクトレンズを「カラーコンタクトレンズ」と称する。また、「カラーコンタクトレンズ」には、視力矯正用の度入り用のものと、度入りがないものとがあるところ、度入りの「カラーコンタクトレンズ」は、視力矯正用の「コンタクトレンズ」に含まれる商品である。このように、取引の実情においては、色付きの商品を「カラーコンタクトレンズ」と称しており、これらのことは、証拠を示すまでもなく明らかである。
ところで、「カラーコンタクトレンズ」については、通常、種々の色違いのバリエーションの商品を販売することが多く、ブランド名に色名を付けることによって、色違いの商品を販売する事情が存在する(甲第6号証ないし甲第8号証)。
そうすると、「コンタクトレンズ」の商品パッケージに、「キャンディーブラウン\CANDYBROWN」との商標が付された商品を需要者が手に取った場合、「ブラウン」や「BROWN」の表記が存在することから、色付きのコンタクトレンズ、すなわち、商品「カラーコンタクトレンズ」が中に入っているとの誤認を生じるおそれが十分に考えられる。
したがって、本件商標をその指定商品「コンタクトレンズ」について使用した場合、これに接する需要者は、該商品が「カラーコンタクトレンズ」であるかのように商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)結び
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第16号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲(1)のとおり、「キャンディーブラウン」の片仮名と「CANDYBROWN」の欧文字とを上下2段に横書きしてなるものであるところ、各段における構成各文字は、同じ書体、同じ大きさをもって、等間隔に視覚上まとまりよく一体的に表されているものであり、また、その構成中の上段に位置する「キャンディーブラウン」の片仮名は、下段に位置する「CANDYBROWN」の欧文字から生じる読みを表したものと無理なく認識されるものであり、その構成全体から生ずる「キャンディーブラウン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そうとすれば、本件商標は、その構成中の「ブラウン」及び「BROWN」の文字が「褐色,茶色」の意味を有する外来語及び英語であるとしても、かかる構成においては、該文字部分が商品の色彩、品質等を具体的に表示するものとして直ちに認識されるとはいい難く、また、殊更該文字部分を捨象し、その構成中の「キャンディー」及び「CANDY」の文字部分のみをもって取引に資されるとみるべき特段の事情も見いだし得ない。
してみれば、本件商標は、上下段のそれぞれが、その構成全体をもって、特定の意味合いを想起することのない一連一体の造語として認識されるというのが相当であるから、その構成文字全体に相応して、「キャンディーブラウン」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲(2)のとおり、「Candy」の欧文字と「キャンディ」の片仮名とを上下2段に横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「キャンディ」の称呼を生じ、「キャンディー、飴」の観念を生ずること明らかである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較するに、両者は、別掲(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであるから、外観において「キャンディ」及び「CANDY(Candy)」の文字部分を共通にするが、「ブラウン」及び「BROWN」の文字部分の有無において顕著な差異を有するから、時と所を異にして観察しても十分区別することができ、互いに紛れるおそれのないものである。
次に、本件商標から生ずる「キャンディーブラウン」の称呼と引用商標から生ずる「キャンディ」の称呼とを対比すると、両者は、「キャンディ」の音を共通にするが、「ブラウン」の音の有無において顕著な差異を有するから、それぞれ両称呼を一連に称呼した場合であっても十分に聴別し得るものである。
さらに、引用商標からは「キャンディー、飴」の観念を生ずるものであるが、本件商標からは特定の観念を生ずるものではないから、両者は、観念において相紛れることはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても何ら相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
申立人は、本件商標は、その指定商品中の「コンタクトレンズ」について使用された場合、その構成中に商品の色彩を表す「ブラウン」や「BROWN」の文字が存在することから、該商品が「カラーコンタクトレンズ」であるかのように商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある旨主張する。
しかしながら、たとえ「ブラウン」を含む色付きの商品が販売されている事実が認められるとしても、本件商標は、上記(1)アで述べたとおり、「キャンディーブラウン」及び「CANDYBROWN」の各文字部分のそれぞれが、その構成全体をもって、特定の意味合いを想起することのない一連一体の造語として認識されるというのが相当であるから、その構成中の「ブラウン」及び「BROWN」の文字部分が需要者をして品質表示して認識されることを前提とする上記申立人の主張は、採用することができない。
その他、本件商標について、商品の品質の誤認を生ずるおそれのあるものとする事由は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しないものである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第16号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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