結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2012−300048(T2012−300048/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5104574号商標(以下「本件商標」という。)は、「ケンブリア」の片仮名を標準文字で表してなり、平成19年7月6日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、平成20年1月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(1)被請求人は、本件商標の使用を立証する証拠として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出しているが、これらを見る限りにおいて、取消対象商品の一について、本件商標を商標的使用態様で具体的に使用している事実を確認することができない。
(2)乙第1号証及び第2号証のパンフレット及びチラシは、商標「プレベント」「PREBENT」を使用する商品「弱酸性次亜塩素酸精製水」についてのものであり、本件商標「ケンブリア」が取消に係る商品「せっけん類」あるいは「化粧品」について使用されていることは確認できない。
(3)乙第6号証は、商標「PREBENT」を使用する商品「弱酸性次亜塩素酸精製水」のサンプルであり、当該サンプル品が本件商標を取消に係る商品に使用するものではないことは明らかである。
(4)乙第3号証ないし第5号証は、乙第1号証、第2号証及び第6号証に示された商品の販売事実を証明したものであるから、取消に係る商品についての本件商標の使用を証明するものではない。
(5)むすび
以上のとおり、被請求人は、商標権者が取消に係る商品について本件商標を使用していることを証明していないから、商標法第50条第1項の登録商標の使用にあたらない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(なお、平成24年8月21日差出しの審判事件答弁書に添付の「現在事項全部証明書」を乙第7号証とする。)を提出している。
被請求人は、本件商標を「プレベント」なる商品に使用していると主張し、その証拠として乙第1号証ないし乙第7号証を提出しているので以下検討する。
(1)乙第1号証の「空間除菌対策実施中」と大きく記載された表示札には、上部右側にシールが貼付されており、そのシールは、中央に大きく表された「CAMBRIA」の欧文字及び「ケンブリア」の片仮名が横書きされ、上部に小さく「NPO法人」の文字が横書きされ、下部に住所等が記載されたものである(以下、当該シールを「本件シール」という。)。
(2)乙第1号証のパンフレットは、「プレベント噴霧による常時空間除菌のご案内 空間除菌 PREBENT」と題するものであり、1頁(審決注:表紙の裏面を1頁とし、以下、同様に頁数を数え表記する。)に、「『プレベント』の除菌力」の見出しの下、「『プレベント』は、広く使われている[次亜塩素酸ナトリウム]に食品添加物として使われている[希塩酸]と水を特許技術で希釈混合して生成した、次亜塩素酸を主成分とする中性に近い弱酸性の除菌水です。これは、・・・強力な除菌・消臭を持つ、人体と環境に優しい除菌水として多方面で活用されています。」、「『プレベント』の消臭力」の見出しの下、「従来の消臭剤は臭いを除去する働きよりも香りで悪臭を抑えるものが多くありましたが、『プレベント』は化学反応により悪臭を無臭の成分に変化させるため、臭いが残りません。・・・」との記載がある。
また、同2頁及び3頁には、次亜塩素酸精製水を噴霧するための、「医療・学校・工場 中規模用」と「オフィス・居住 小規模用」の超音波噴霧器が紹介されている。
また、同5頁には、「■プレベント水とは(次亜塩素酸水溶液)」の見出しの下、「○プレベント水(次亜塩素酸含有量80〜100%)」、「次亜塩素酸ナトリウムに希塩酸を混合攪拌し、次亜塩素酸の含有量が最も多い弱酸性領域で生成された強い除菌力と高い安全性の除菌水です。・・・」、同6頁には、「■プレベント水の使用例・応用例」の見出しの下、用途として「ゲージ・食器などの除菌・消臭,診察台などの除菌・消臭/器具類の浸漬(つけ置き),手指の衛生管理,院内の除菌・清掃,介護,院内、施設内の加湿と衛生管理,臭いが気になるところの消臭,超音波噴霧器による空間除菌・消臭,ペット関係の除菌・消臭、排泄物処理,環境保全」が挙げられ、また「歯科診療における応用例」の用途として「機器・器具の消毒,口腔外科/抜糸前後の消毒・口内炎の治療,保存料/歯髄疾患・根尖性歯周疾患及び感染根管の治療,歯周病科/歯石除去前の消毒」が挙げられている。そして、これらの各用途に対応して、使用濃度、使用方法も記載されており、例えば「手指の衛生管理」としては、「洗浄後、プレベントの流水で揉み洗いして下さい。」と記載されている。
さらに、裏表紙に、「製造元 株式会社 創研」の記載があり、問い合わせ先として「NPO法人CAMBRIA/ケンブリア」の表示並びに住所、電話番号及びファックス番号が押印されている。
(3)乙第1号証の新聞記事は、2009年7月29日付け新聞の第22面(栃木版)の写し(なお、新聞名は不明。)であり、「除菌液ひっぱりだこ/新型インフルで問い合わせ殺到」の見出しの下、創研(本社・足利市)が製造している除菌液「プレベント」が紹介されており、「プレベントは、白血球でも生成されている次亜塩素酸の精製水。・・・弱酸性除菌水で消臭除菌力と安全性が両立している。・・・スプレーで使うほか、専用の超音波噴霧器を使って空間の加湿と除菌が同時にできるという。・・・ウイルスも1分で死滅する。除菌力とともに消臭力も強い。」と記載されている。
(4)乙第2号証は、被請求人(商標権者)が「販売促進・勉強会の為のチラシ」と称する2枚の書面であるところ、いずれの書面にも、本件シールが貼付されている。
そして、上部に赤地に黄色字で「優れた除菌力と消臭力/【PREBENT・プレベント】」、「インフルエンザ等の感染症予防・対策に!/次亜塩素酸精製水/【PREBENT・プレベント】」と表した書面には、「プレベントは、・・・広く使われている『次亜塩素酸ソーダ』と『希塩酸』を特許技術で水と希釈混合して生成した、次亜塩素酸を主成分とする中性に近い弱酸性の除菌水です。これは、・・・強力な除菌・消臭を持つ人体と環境に優しい除菌水として多方面で活用されています。・・・」、「【効能・効果】手指・皮膚・衣類・室内空間等の除菌・消臭」、「【成分】次亜塩素酸/水/次亜塩素酸イオン」、「【使用方法】手指などは石鹸で洗浄し汚れを落としてから、手指に吹き掛けまんべんなく揉みこんで下さい。靴の中・衣類やトイレの便座など雑菌や臭いの気になる場所には、直接吹き掛けて使用して下さい。」との記載がある。
また、上部に青地に白抜き文字で「環境と人に優しい、除菌・消臭に優れた水/【PREBENT・プレベント】」と表した書面には、「プレベントは・・・[次亜塩素酸ソーダ]と[希塩酸]を特許製法により、水と希釈混合し、生成されたものです。・・・」との記載がある。
(5)乙第3号証は、「NPO法人ケンブリア 理事 久保田好和」名義の銀行の普通預金通帳であり、平成21年9月7日に「ウエノ●●」から「91,005円」、同月10日に「コダマ●●」から「50,400円」、同日に「イシダ●●」から「51,340円」、それぞれ入金の記録がされている。
(6)乙第4号証は、2012年3月2日付けの、「ケンブリアよりのプレベント購入・支払い確認書」と題した書面であり、上野●●、児玉●●、岩崎●●及び石田●●の4名が、NPO法人ケンブリアよりプレベント及び専用液を購入し同法人の普通預金口座に入金したことに相違ないとしている。
(7)乙第6号証は、被請求人(商標権者)が「プレベント販売促進用サンプル」と称する液体入り容器であり、該容器の前面に、「弱酸性次亜塩素酸精製水」「PREBENT」と大きく表示されたシール及び本件シールが貼付され、同背面に、「成分 次亜塩素酸/水/次亜塩素酸イオン 有効塩素濃度100ppm」「株式会社 創研」の記載がされたシールが貼付されている。
(8)乙第7号証は、特定非営利活動法人ケンブリアの現在事項全部証明書であり、理事として本件商標権者が記載されている。
(1)前記1で認定した事実によれば、被請求人を理事の一人とするNPO法人ケンブリアは、株式会社創研の製造販売する、「プレベント」と称する次亜塩素酸水溶液や、その噴霧器を取扱い、販売しているNPO法人である。そして、乙第1号証、乙第6号証によれば、請求人は、その取扱いを示すために本件シールを容器等に貼付しているものと認められる。
そして、該NPO法人は、平成21年9月7日、同月10日に噴霧器及び次亜塩素酸精製水を販売したことが認められ、販売した商品の容器は不明であるものの、その容器には本件シールが貼付されていたものと優に推認できるものである。
(2)使用者
本件商標の商標権者は、特定非営利活動法人ケンブリアの理事であることが認められるから(乙3及び乙7)、特定非営利活動法人ケンブリアは、本件商標の通常使用権者として黙示の許諾があったと認め得るものである。
(3)使用に係る商品
「PREBENT(プレベント)」(使用商品)は、「次亜塩素酸精製水(次亜塩素酸水溶液)」であり、その用途、効能は、手指・皮膚・衣類・室内空間の除菌・消臭などであるから(乙1、乙2及び乙6)、除菌・消臭作用を有する次亜塩素酸精製水(次亜塩素酸水溶液)であるということができる。
そして、本件審判請求に係る指定商品は、第3類「せっけん類,化粧品」であるが、「せっけん類」とは、洗浄作用を目的とする化学的製品であって、通常せっけん又は洗剤(家庭用石油系洗剤、家庭用高級アルコール系洗剤等)と呼ばれるものが該当し、また「化粧品」とは、薬事法(昭和35年法律第145号)に規定する「化粧品」の大部分及び「医薬部外品」のうち、人体に対する作用が緩和なものであって、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つことを目的として、身体に塗擦、散布等の方法で使用するものをいうと解される。
そうすると、本件使用商品は、第5類の「薬剤」又は第1類の「化学品」に類する商品と認める余地があるとしても、乙各号証によって第3類の「せっけん類,化粧品」の概念に属する商品と認めることはできず、他に、使用商品が第3類「せっけん類,化粧品」の概念に属する商品であることを認めるに足る合理的理由も見出せない。
したがって、これらの証拠によって、本件商標が本件審判請求に係る指定商品に使用されているものとは認めることができない。
(4)使用に係る商標
本件シールには、大きく「CAMBRIA」の欧文字を横書きし、「ケンブリア」の片仮名が横書きされ、それら各文字の上に小さく「NPO法人」の文字が横書きされていることが認められる(乙2及び乙6)。そして、上記文字中の「CAMBRIA」及び「ケンブリア」(以下これらをまとめて「使用商標」という。)は、いずれも自他商品の識別機能を有するものと認められる。
そして、「CAMBRIA」は「ケンブリア」の称呼を生ずると認められるものであり、「CAMBRIA」及び「ケンブリア」は、特定の観念を有しない造語よりなるものと認められる。
そうすると、本件商標は、「ケンブリア」の文字からなるものであるところ、使用商標の「CAMBRIA」とは、「ケンブリア」の称呼を同じくするものであって、いずれの商標も造語よりなるもので、観念上も相違するものとはいえないから、両者は、商標法第50条第1項のかっこ書きにいう「平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」に該当するものとみて差し支えないといえるものであり、また、使用商標の「ケンブリア」とは、同一の綴り字よりなるものである。
したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認めることができる。
(5)使用時期
NPO法人ケンブリアからプレベント及び専用液(使用商品)を購入したとして、4名が署名し(乙4)、そのうちの3名については、いずれも本件審判の請求の登録(平成24年2月10日)前3年以内である平成21年9月にNPO法人ケンブリアの銀行普通預金口座に入金している(乙3)ことから、本件商標の通常使用権者は、少なくとも当該3名に対し、本件審判の請求の登録前3年以内に、使用商品を販売したことを推認することができ、上記通常使用権者の行為は、「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、・・・する行為」(商標法第2条第3項第2号)に該当するものと認めることができる。
(6)小括
以上によれば、本件商標の通常使用権者が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を使用したことは認められるものの、使用商品は、その請求に係る指定商品のいずれかに該当するものということはできない。
その他、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定商品について使用されていることを認めるに足る証拠はない。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品「せっけん類,化粧品」のいずれかについて、本件商標の使用をした事実を証明し得なかったものといわなければならない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品に使用していなかったことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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