結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2012−300184(T2012−300184/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4669557号商標(以下「本件商標」という。)は、「SOKEN」の欧文字と「ソーケン」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり、平成13年7月18日に登録出願され、「電気磁気測定器」を含む第9類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品又は役務を指定商品又は指定役務として、同15年5月9日に設定登録されたものである。
なお、本件審判の請求の登録は、平成24年3月27日にされている。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1ないし第10号証を提出している。
(1)本件商標は、その指定商品中、第9類の「電気磁気測定器」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人は、本件商標と「社会通念上同一の商標」を使用していることを証明していない。
(イ)また、被請求人は、本件商標を本件請求に係る指定商品である「電気磁気測定器」について使用していることを証明していない。
(ウ)さらに、乙各号証が示す非継続的な取引では、「業として」の使用に当たらないため、第50条第2項の登録商標の使用ではない。
(エ)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもがその請求に係る指定商品についての本件商標の使用をしていることを証明していない。
よって、請求の趣旨のとおりの審決を求める。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第5号証を提出している。
(1)使用事実の要点
商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に我が国において、その請求に係る指定商品「電気磁気測定器」について、本件商標を使用している。
(2)商標の使用者
「熱線方式油流量計測システム」の全体写真(乙第1号証)及び「センサアンプ部」の拡大写真(乙第2号証)は、商標権者が開発・販売する商品を自ら撮影したものである。
「油流量計測装置 取り扱い説明書」(乙第3号証)には、「(株)日本自動車部品総合研究所」が表示されている。
「注文依頼書」(乙第4号証)及び「受領書」(乙第5号証)は、商標権者が、購入希望者からの注文に基づき、油量計測装置(16ch仕様1)を納入し、その受領証拠として受領書を受け取った旨を示したものである。
(3)使用に係る商品
「熱線方式油流量計測システム」(乙第1及び第2号証)は、実機状態で多点の油流量をリアルタイムで計測することができ、油圧制御機器の解析を高精度で実施可能とするものである。
乙第3号証には、本件審判の請求に係る指定商品「電気磁気測定器」に該当する製品の詳細が記載が記載されている。
本システムの概略を簡単に説明すると、計測には、乙第1号証左上に示される熱線式流量センサを油流路内に配置して使用する。熱線式流量センサは、フレキシブルプリント板に流量センサと温度センサをはんだ付けしたものを両面から絶縁版を介し金属板で挟んだ構造であり、熱線式流量センサ内の温度センサで検知した流体温度に対し、流量センサである熱線を一定温度高く加熱する定温度型の制御を行うアンプと組み合わせて使用する。流量変化時、熱線を加熱する電流量が変化するため、この電流量をアンプ内の測定回路を通じ出力電圧に変換し、測定された出力電圧は、制御装置及び計測から解析までを制御・管理するコンピュータにて流量Uに換算される。
製品としては、熱線方式油流量計測システム全体としての取扱いが基本単位となるが、顧客からの要望により、熱線式流量センサとセンサアンプ一組での取扱いもある。販売の基本単位となる熱線方式油流量計測システムでは、付属する測定CH数は、16組を一式としており、制御装置のコネクタが24箇所設けられ、同時計測は、24チャンネルまでが可能であり、必要に応じて追加購入する形を取っている。
(4)使用に係る商標
乙第2号証には、本件商標と社会通念上同一と認められるローマ字「SOKEN」(以下「本件使用標章」という。)が記載されている。
本件使用標章は、本件商標より片仮名部分を欠いたものであるが、本件商標の構成文字中のローマ文字と同一の綴りであり、かつ、本件商標の構成中、下段の「ソーケン」の文字は、上段の「SOKEN」の文字の表音と認められるものであることから、本件使用標章は、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。
(5)使用時期
乙第4号証には、「発行 11年11月01日」及び「希望納期 12年01月20日」と記載され、また、乙第5号証の納入年月日の欄には、「2012年1月30日」と記載され、検収年月日として「2012年2月10日」の入金済印が押印されている。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により、その請求に係る指定商品「電気磁気測定器」について使用している。
よって、答弁の趣旨のとおりの審決を求める。
(1)乙第1号証は、「熱線方式油流量計測システム」とする全体写真であり、乙第2号証は、「センサアンプ部」とする拡大写真であって、該「センサアンプ部」の底部には、「SOKEN」及び「NIPPON SOKEN INC.JAPAN」の文字が付され、その側面には、「センサPT20D」の文字が付されている。
(2)乙第3号証は、「油量計測装置 取り扱い説明書」とされるものであって、その表紙の右下には、「2012年1月」及び「(株)日本自動車部品総合研究所研究1部11室」の記載があり、その4ページには、「1.装置概要」として「本装置は、エンジンの油路内に流れる油量および油温を熱線式流速計の原理でリアルタイムに測定、表示する装置です。」の記載があり、同じく、「2.装置構成」として「本装置は、油量センサを制御し、流量、油温を測定するアンプ、アンプへの電力供給を行い、アンプの出力信号を統合し、パソコンと通信する中継ボックス、水温などの汎用アナログ信号I/Oボックス、およびパソコンから構成されます。」の記載がある。
また、その10ページには、「4−3.センサアンプ」として「センサアンプは、油量センサを接続することにより油量をアナログ電圧に変換するとともに、ディジタル信号に変換しシリアル通信で外部に計測データを出力します。又、内蔵のメモリ(最大30000データ)に計測データを保存し、計測後メモリから読み出すことで1mSサンプリングで30秒の計測を行うことができます。」の記載と共に、「図6 センサアンプパネル図」が示され、その中に「センサPT20D」の文字が付されている「センサコネクタ側パネル」の図がある。
(3)乙第4号証は、品名を「油量計測装置(16ch仕様1)」とする商標権者あての「注文依頼書(未口座用)」であり、そこには「発行 11年11月01日」、「希望納期 12年01月20日」の記載がある。
(4)乙第5号証は、品名を「油量計測装置(16ch仕様1)」とする商標権者あての「受領書(未口座用)であり、「納入年月日 2012年01月30日」の記載、右下には、「入金済/12.2.10/総研」とする押印がある。
(1)使用に係る商標について
被請求人(商標権者)は、「油量計測装置」と称する装置の一部構成品である「センサアンプ」(乙第2号証)に本件使用標章を表示していることが認められる。
そして、本件使用標章は、本件商標とは、片仮名の有無において相違するが、欧文字部分は共通しており、本件商標の片仮名部分はその欧文字部分の読みを表すものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められるといって差し支えないものである。
したがって、本件商標は、商標権者が「油量計測装置」の一部構成品である「センサアンプ」についての使用をしていたと認められるが、乙各号証のみによっては、「油量計測装置」全体についての使用をしていたとまでは認めるに足りない。
(2)商標権者の使用商品について
本件審判の請求に係る指定商品は「電気磁気測定器」であるところ、「電気磁気測定器」は、電気の単位又は磁気の単位を測定する機器をいうものであって、電気又は磁気により測定する機器をいうものではないと解される(「商品及び役務の区分解説〔国際分類第9版対応〕」(特許庁商標課編)参照。)。
商標権者が本件使用標章を使用する商品は、「油量計測装置」の一部構成品である「センサアンプ」であるが、同「油量計測装置」は、「油量計測装置取り扱い説明書」(乙第3号証)によれば、エンジンの油路内に流れる油量及び油温を測定、表示する装置であるから、電気の単位又は磁気の単位を測定する機器とはいえず、「電気磁気測定器」とは認められないものである。
また、「センサアンプ」は、油量センサを接続することにより油量をアナログ電圧に変換すると共に、ディジタル信号に変換しシリアル通信で外部に計測データを出力するものと認められ、電気の単位又は磁気の単位を測定する機器とはいえないから、「電気磁気測定器」とは認められないものである。
以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権
者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品についての本件商標の使用をしていることを証明していない。
また、被請求人は、取消請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中「結論掲記の指定商品」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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